佳織「悠っ、しっかりしろよ、まだ始まったばかりだろ。
泣くのが早いよ。」

パチーン!

「うっ!」

生尻に走る痛みに俺は思わず呻いた。
ちくしょう、もう絶対泣くもんか。

奈津紀「あははっ、悠のお尻、手の形に赤くなってる~。」

芽依「ホントだ~、悠、ウケるんだけど~。
きゃははははっ」

馬鹿どもの嘲りに、俺の羞恥心が刺激される。


佳織は俺の尻を愉しげに叩いてる。
時折、「ふふふっ」と佳織の口から漏れる。

俺はお尻の痛みに踊り始める。
両足首、両手首は縛られている為、海老のように全身を端つかせていた。

芽依「きゃははははっ、悠のおちんちん、丸見えっ

奈津紀っ、カメラ、カメラっ」

パシャ、パシャ

無情のシャッター音が耳に届く。


笑われながらお尻を叩かれ、笑われながら恥ずかしい写真を撮られている。
あまりにも衝撃的な現実に涙が止め処もなく流れてきた。


パチーン!

「いっ…、ヒッ、…ヒッ…」

パチーン!

「あうっ、…ヒック…」

佳織は女性ながら170の長身で、力も強い。
俺は叩かれる毎に、男としてのプライドが失われていく。

「ご、ごめんなざいぃ~、
もう許しでぇ~」

痛みが耐え難きになって来て、思わず哀訴の言葉が出る。

佳織「よしよし、素直になったか?
言うこと聞くか?」

「はい…、きぎまずぅ…」

その返事に4人は、手をたたいて笑う。

佳織「じゃあ、お姉ちゃんに交代~。」
そして手足のガムテープを剥がしにかかる。
「いいか悠、反抗したらまた私からやり直しだからな。」

俺は泣きながら頷いた。

美咲「悠君、いい子になったね~
じゃあ私の膝へおいで。」

美咲さんも佳織程ではないが背が高い。
ただ、佳織と比べると細身だ。
誰にも優しく、明るい性格の美人である。
俺は密かに憧れていた。

その美咲さんの膝へと体を預ける。

美咲「悠君、私は佳織みたいに力無いから、コレ使うね。」
と俺の目の前に、プラスチック製の靴べらを差し出した。

俺は恐怖に顔が歪む。
それを奈津紀は笑顔でデジカメに収めている。

美咲「悠君、いっくよ~、思いっきり泣いていいからね~。」

バチィ!

「いたぁっ!」

靴べらは半端な痛みじゃ無かった。
俺はまた溢れる涙に頬を濡らす。

それにしても優しい美咲さんからまで、このような仕打ちを受けるとは…
俺は理不尽な罰ゲームに、ただ従うしか出来ないのかと悔しさに苛まれる。

やがて靴べらで打たれながら、俺は恥も外聞もなく泣き喚く。

バチィ!

「あああぁぁぁっ、ごめんなざい、ごめんなざいぃっ、
うわああああぁぁぁぁんっ」

涙で視界がぼやけているが、4人の楽しそうな会話とデジカメのシャッター音は耳に届いていた。


その後も止むことなく、お仕置きは続いた。

バチィ!

「ひぎぃああぁぁぁっ」

「…悠君…もっと泣き声聞かせて…
ハア‥ハア…
…ああんっ…可愛い…」
美咲さんはそう言うと、俺のお尻を撫で回し始めた。

俺はむず痒いような快感にみまわれた。

それにしても美咲さんの様子がおかしい。
息づかいも荒く、声のトーンも変わった。
まるで興奮したり感じてるような…

興奮?感じてる!?

俺の尻を叩いて?俺の泣き声で!?

俺が泣き止むと、美咲さんは再び靴べらを手にする。

バチィ!

「あぐぅっ!」
俺は無防備な状態で訪れた激痛に、思わず仰け反った。
下半身はピクピク痙攣し、再び大粒の涙が溢れてくる。

美咲「悠君、泣いてないとダメでしょ?
まだお仕置きが足りないみたいねぇ…」

その言葉に俺は必死に懇願する。
「み、美咲さんっ、ごめんなさい、ごめんなざいぃっ
何でも言うこと聞きますから、も、もう許じでくだざいぃ~
わあああああぁぁぁぁんっ」

佳織「お姉ちゃん、ちょっとやりすぎだよ。

もう二十は叩いてるよ~」

芽衣も奈津紀も、美咲さんの異常なテンションに引いている。

美咲さんは、佳織の言葉に我に返ったのかのように、
「あっ、悠君ゴメンね。

ちょっとやりすぎたみたい。」
と俺を解放してくれた。

美咲「ちょっと顔見せて…」

美咲さんは紅潮した顔で俺を見つめている。

美咲「メイク落ちちゃったね。
おいで、悠君。」

ってメイクの心配かい!
とツッコミたくなる美咲さんの言葉だが、お尻叩きのお仕置きが終わったと思ってホッとした。

洗面所へ連れて行かれて、顔を洗ってもらった。

美咲「うふっ、悠君のお尻叩いてたら興奮しちゃった。
泣き声も可愛かったよ。」

爽やかに酷い事を言う。
俺は思わず美咲さんの顔を凝視した。

美咲「うん、すっぴんでもイケるじゃない。」

すると佳織がやって来て、
「悠、何寛いでんだよ。
芽依と奈津紀がまだだろ?」

俺は驚愕した。
「何だよそれ…
だいたいこんな罰ゲームって有り得ないだろっ、
俺が何した?嫌いなのか?」

佳織は、俺の剣幕にキョトンとしたが、笑って答えた。
「何言ってんだよ、私ら四人って悠の事好きなんだからな。
だからボコらずに、お仕置きで済ましてるんだぞ。」

は?ボコらずにお仕置きってどういうこと?
っていうか、四人共、俺が好き!?

美咲「分かってないみたいね?
悠君、佳織達の着替え、覗いたりしてたでしょ?」

佳織「写真部の真一、いるだろ?
アイツが私の部屋を盗撮しててさ、そしたらお前に撮影出来る穴場を教えて貰った、って白状したよ。
その後はボコボコにシメといたけどな。」

美咲「だから罰ゲームっていうのは表向き、ホントは悠君へのお仕置きなの。
いきなりお仕置きって言うより、遊び感覚の方がいいでしょ?」

俺は美咲さんの感覚はイマイチ理解出来なかったが、佳織の言葉に血の気が引いた。
バツの悪さから、お仕置きを受けることを拒否出来ない。