無駄が経済をまわしてる

自粛が解除されてからも行動範囲はミニマムだ。感染の恐れというより、何かをするにつれ不要不急を天秤にかけるようになった。

▼ウイズコロナでビジネススタイルも変化しつつあると聞く。特に営業活動のオンライン化が急速に進み、これまで展示会や商談会で直接顧客と接してきたものが、人との接触が制限される。営業はデジタルでつながることがいっそう重要になりそうだ。

▼営業一筋40年のとある企業役員は、年末年始や機会があるごとに行われていた“ご機嫌うかがい”の慣習がなくなる可能性があると話す。オンライン化されれば不要不急の用事として省かれ、雑談のなかで得られるノウハウや人脈が希薄になる。面会するための移動や宿泊、飲食店の利用も減り、こうした「無駄」によってまわっていた経済はどうなるのか心配だという。

▼合理的な行動が過ぎると息が詰まる。経済を回復させるのは、ほどよく非合理な行動であり、必要なのは消費と浪費の両方かもしれない。話を聞いて、猛省したのは言うまでもない。