20gとはおよそ、缶ビール500ml缶(ロング缶)1本、日本酒1合、アルコール7%の酎ハイ350ml缶1本、ウイスキーダブル1杯に相当します。近年増えているアルコール分の多い9%の酎ハイ(ストロング系)だと300mlに当たるので、1缶もない計算になります。
なぜ、「20g」なのでしょう。
厚労省によれば、40~79歳の男女約11万人を9~11年間にわたって調査した国内の研究で、1日の平均純アルコール量が23g未満で最も死亡リスクが低かったという結果が出たためです。
ただし、女性は先述した基準量よりも少ない方が望ましいといいます。
吉本准教授によると、女性は男性よりも肝臓が小さいためアルコールの分解速度が遅く、また、体内の水分量が男性よりも少ないため血液中のアルコール濃度が上がりやすいそう。結果、同じ量を飲んだとしても男性に比べて病気になる可能性が高いというのです。
女性は男性の2分の1から3分の2の飲酒量を適量とするのが世界的な水準であるそうで、厚労省のガイドラインにもこれらは「付帯事項」として記載されています。
また、お酒を飲むことで顔が赤くなるフラッシング反応を起こす人や高齢者も基準より飲酒量を減らした方がいいといいます。
飲酒で顔が赤くなる人は、アルコールの分解がスムーズに進まず、発がん性物質であるアセトアルデヒドが体内に蓄積しやすい傾向にあり、食道がんなどさまざまな病気が起こりやすくなるとされています。
また、高齢者は若い人より身体機能が劣るので、飲酒によって転倒などによるケガのリスクが高くなります。
飲酒量を調整する際には、1日の適正量を1週間分に換算すると良いでしょう。ビールをよく飲む人であれば、まず頭の中でロング缶を7本並べてみて、曜日に応じて分配していく、といった具合です。
吉本准教授も専門外来などで飲酒のアドバイスをする際は、週単位での調整を勧めているそうです。
ただし、飲まない日を増やすことで、飲む日にたくさん飲んでいいわけではないことは留意しておきましょう。
短時間での飲酒量(ビンジ飲酒)が増えると、急性アルコール中毒やケガ、事故を起こす可能性が高くなってしまうためです。世界保健機関(WHO)は1日の純アルコール量が60g(缶ビールのロング缶3本)を超えないよう推奨しています。
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