今回はちょい高ウイスキーとして最初のスコッチウイスキー、シーバスリーガル12年を飲みます。

農家出身の兄弟が興した企業

_DSC3993_01シーバスリーガルはシーバスブラザーズ社が手がけるウイスキーのブランドです。
創業したシーバス兄弟は農家出身で、新事業を興そうと農村を離れ、アバディーンへ移住しました。
そこで兄のジェームズは高級食料品店で働くようになり、バイヤーとして力をつけていきました。
そして1801年に、弟のジョンを誘い、高級食料品を扱う商店として、シーバスブラザーズ社が設立されました。

1850年代に入り、富裕層を中心にウイスキーの需要が増していることを受け、モルト原酒とグレーン原酒を買い付けた上で自らブレンドを行ったブレンデッドウイスキーを販売するようになりました。

シーバス兄弟が亡くなった後、1909年に25年熟成のウイスキーとしてシーバスリーガルが誕生し、アメリカへ輸出されました。
その後1938年に、シーバスリーガル12年が誕生しました。

1950年に入ると、シーバスブラザーズ社はハイランド地方にあるストラスアイラ蒸溜所を買収し、シーバスリーガルのキーモルトとして扱うようになりました。現在はシングルモルトも販売しています。

現在、シーバスブラザーズ社はフランスのペルノ・リカール社の傘下に入っています。

ラインナップとしては、12年、18年、25年のほか、日本産のミズナラの樽を使ったミズナラ12年、18年ミズナラカスクフィニッシュがあります。18年ミズナラカスクフィニッシュは日本限定商品です。

2021年現在、日本でのイメージキャラクターとして、脚本家の宮藤官九郎がついています。

飲み方で香り、味わいが二手に分かれる

ストレート

ラムレーズン、リンゴの香りが広がった後、バニラの香りが更に続き、全体的に甘い香りに包まれます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、フルーツのような軽い酸味の後に甘さが広がります。
比較的飲みやすいです。

ロック

ラムレーズン、リンゴの香りが先に訪れ、レモン、ピート、カカオの香りが追いかけてきます。
味わいは、苦みが少々強めであるものの、少し経つと酸味が主体へと変わります。

水割り

ラムレーズン、シナモン、リンゴの香りが先に訪れ、バニラの香りが締めます。
味わいは、ロックほどの苦みは感じられず、甘みの方が素直にやってきます。

ハイボール

シナモンのような香りが広がり、軽いピートのあと、レーズン、リンゴの香りへ続きます。
味わいは、苦みを感じた後、酸味へと変わります。甘さは控えめです。

まとめ

面白いことに、12年熟成されているものの、ストレートで飲む方が甘みが感じられてアルコール感が少なく、
ロックやハイボールだと苦みが目立ちます。

ハイボールを苦みや酸味でサッパリした飲み口で飲みたい人には却って適していると思いますが、ロックで飲むことが多い人だとムムッと来るかもしません。

一方で水割りだと苦みが抑えられ、ウイスキーが苦手な人でも比較的飲みやすいかと思います。

もう少しプラスすると、ミズナラ12年を買うことが出来ますが、香木を思わせる香りがプラスされて、甘い香り一辺倒の傾向からシフトして、こちらも趣のあるボトルです。

  • メーカー:ペルノ・リカール・ジャパン
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:ラムレーズン、リンゴ、バニラが主体。加水でピート、シナモン、レモンが現れる。
  • 味わい:比較的甘みが強いが、ロック、ハイボールで苦みが目立ってくる。
  • ストレート A: アルコールの刺激が少なく、甘くて飲みやすい。
  • ロック B: 苦みが目立ち、香りも渋さが出る。
  • 水割り A: ロックよりも苦みが少なく、甘みが増して飲みやすくなる。
  • ハイボール B: 苦みと酸味が前に出て、キリッとした印象。