103系1000番台(冷改車)整備入場その1~マト12編成をつくる~ | みなかん♪~南千住車両管区~

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こんばんは、ななせです♪
 
今回はおよそ1年ぶりになると思われる
模型の加工について取り上げたいと思います。
 
103系に関する知識はゼロからのスタートだったので基礎知識の勉強や実車検証に追われ、
編成表とにらめっこしながらようやく編成を確定し作業を開始することができました。
 

当区では、1997~98年頃のマト12編成を選定しました。
車両番号は下記の通りです。
 
←上野
 
(1) クハ103-1004
(2) モハ102-1010
(3) モハ103-1010
(4) サハ103-225
(5) モハ102-1009
(6) モハ103-1009
(7) サハ103-224
(8) モハ102-1008
(9) モハ103-1008
(10) クハ103-1003
 
→取手・成田
 
 
簡単に実車解説をすると、10両全てが車両更新車で
サハを含めて全て非ユニット窓です。
 
サハ2両は89年に冷改したのでAU712分散冷房を搭載し、
90年に車両更新ののち94年に浦和電車区から松戸区へ転入してきました。

前編では、セットアップを含めマト12編成としての外見加工の様子を
お送りしたいと思います。
*ちなみに、この編成は既にマイクロで製品化されています(#A-0772・0773)
 
 
イメージ 1
 
まずは、簡単にセットアップをしたいと思います。
*多少時系列が前後しています
 
製品のプロトタイプは8M2Tの国鉄時代に対して、当区では97年頃を想定してますから
当然ながらJRマークの転写が必要です。
 
1000番台の前面は手すりが多くデコボコしているので、
セロハンテープ戦法で転写します。
 
また、前面のHゴムは車両更新車という事で黒く塗りました。
 
 
イメージ 15
 
取手方先頭車は93年頃から電連を装備していますから
例に倣って#JC6330を使用して連結器を交換しました。
 
そうすると電連装備後はステップパーツに付いている配管類が不要になるため、
配管のモールドを全て切り落としました。
*TNが干渉するからではなく、実車がそうなっているからです
 
切り落とすのが面倒な場合は#PZ6287を使用して
配管の無いパーツと交換することで再現可能です。
 
 
 
続いては、列車無線アンテナを取り付けます。
 
当区では基本的に屋根塗装を想定しており、
アンテナの取り付けは屋根を外した上で行います。
 
まずは治具を頼りに「B」の部分(前方のみ)をケガキ針で印を打ちます。
 
 
イメージ 19
 
次に、実車と同様に常磐無線アンテナの台座を用意して
その上にJR無線アンテナを置きます。
 
常磐無線アンテナの台座はレボリューションファクトリーの#5011を使用します。
 
実車通りにするなら上から3番目の方が実感的ですが、
今回はどうせ見えなくなるので使用用途が不明な一番上のものを使いました。

ちなみに、台座とランナーを十字型に繋いでいるのは
バリではなく取り付け足であることに気を付けてください。
 
写真のようにパーツを切り出したら、(一見バリのように見える)
取り付け足を直角に折り曲げます。
 
 
イメージ 20
 
パーツを下地処理→塗装したら、屋根に取り付けていきます。
写真は三鷹区仕様ですが、やり方は同じです。
 
アンテナ取り付け穴を中心に4か所の穴を開けます。
 
 
イメージ 21
 
最後にアンテナパーツの取り付けです。
 
使用したパーツは、KATOの「クハE656アンテナ(#Z04-6345)」の
四角い台座のあるアンテナを使用しました。
 
取り付け足の大きさに対して台座の穴が小さかったので
アンテナの取り付け足は完全に切り落とした上でGクリヤーで接着しました。
 
こうして見ると、四隅に足のない四角い台座が少し浮いていながらも
イマドキの車両のように一本足で立っている感じが無くて実感的だと思います。

私は元からTOMIXの列車無線アンテナはショボすぎて使いたくないのに加え、今回は485系などで
使われている4つ足という全然違うパーツが付属品として入っているので使いませんでした。
 
ちなみに、説明書には信号炎管に対して「前か後ろかはお好みで」とありますが、
1000番台は「後ろ側のみ」ですから注意しましょう。
 
 
イメージ 3
 
さて、セットアップはこの辺にして外見加工に入っていきます。
 
マト12編成は先述の通り全て車両更新車であるため、
Hゴムをドア窓は銀色に、それ以外は黒く塗りました。
*写真上は未加工
 
Hゴムの色差しをしただけでもだいぶ雰囲気が変わりました。
 
 
イメージ 4

 

続いては、屋根回りを塗装していきます。
 
屋根の色はTOMIXのHG特有というか、とても暗い色をしており
103系にしては少しやり過ぎな気がします…
 
という事で、明度を上げるべくGMカラーの35番(ダークグレー)に
クレオスのつや消しクリアーを吹きました。
 
つや消しクリアーを吹くと質感がグッと引き締まるだけでなく、
私のように「お察し」な塗装技術でも粗をうまく隠すことができます。
 
 
イメージ 13
 
屋上機器は米軍戦闘機などで使用されている制空迷彩色(明るい方)の
ライトゴーストグレイ(タミヤ#AS-26)を使いました。
 
今回は青っぽいグレーを使いたくてこれを選んだのですが、
光の当たり具合によっては少し青味が強いかなという印象です。
 
 
イメージ 5
 
クーラーを交換しました。(写真右)
 
こちらはKATOの#Z04-1276で、取り付け穴を開けるのが面倒だったので
足を切り落としてGクリヤーで接着しました。
 
今までも散々言っている通り、どういう訳かHG仕様のAU75Gは造形がシャープでも
ディテールが非HG製品や鉄コレにも劣るのですよね…

ちなみにAU75GをAU75Bに交換している記事を見かけたのですが、
松戸区に残った104両のうち集中冷房の車両は全てAU75Gであり、AU75B搭載車は存在しません。
*車両史編さん会の本で確認済み
 
むしろAU75Bだと製造メーカー(三菱・日立・東芝)によって形状が全く違うため、
AU75Bこそ実車検証を念入りに行わなければいけない気がするのですが…
 
 
イメージ 6

 

さて、ここから先が今回のメインでしょうか?
サハ103形2両をAU712化していきます。
 
AU712にする場合は非冷房車の屋根をドナーにすると作りやすいですが、
貧乏性な私は元の屋根を使って加工していきます。

まずは分解から―全てのパーツを外します。
 
ランボードを削ってクーラーの取り付け穴を埋めるだけかと思いきや、
TOMIXの場合はクーラーのある位置が少し窪んでいます。
もっと楽に出来ると思っていたので誤算でした…
 
 
イメージ 7
 
ランボードを削り、窪みを埋めていきます。
 
窪みを埋めるのに使用したのはホビーベース製の
0.14ミリ厚/4.0ミリ幅のプラストライプ(#PPC-T58)です。
 
適当な長さに切り出したものを3つ並べ、隙間に瞬間接着剤を流し込んで埋めました。
 
 
そのあとは根気との闘いで、ヤスリである程度削ったら耐水ペーパーや
サフを使用してフラットにしていきます。
 
この時、作業しやすいように一部のグロベン台座を削っておくのもアリかもしれません。
写真ではプラストライプを削り過ぎているようにも見えますが、
 
予め流した瞬間接着剤のおかげで問題ありません。
 
 
イメージ 8
 
イメージ 9
 
屋根をフラットに出来たら、全体的にサフを吹いていく前に、
ランボード取り付け穴をあらかじめ開けておきます。
*上下写真も時系列がバラバラです
 
今回はトレジャー製の#TTP265-04を使用しており、
ランナーにあるテンプレートで印を打って0.3ミリで穴を開けます。
*私は両端の2つ足で取り付けています
 
AU712のランボードはクーラーとすれすれの位置に付くので
適宜仮組みをした上で位置を確認していきます。
 
 
イメージ 10

 

イメージ 11

 

屋根全体をサフで吹いたら、パーツ類を取り付けていきます。
 
まずは先程削ってしまったグロベンの台座を復活させるべく
ボナ製の#P-118をプライマー処理したうえで取り付けます。
*上写真の車両は全てを、下写真は必要な部分のみ取り付けました
 
一応製品名にも「トミー用」と書かれていますが、あらかじめ屋根とパーツは
1.2ミリに拡げておくとあとでベンチレーターを取り付ける際に楽になります。
 

クーラー台座には同じくボナ製の#P-137を使用しています。
 
こちらはパーツを綺麗に切り出さないと仕上がりに影響するため
面倒ですが手を抜かずに処理しましょう。
 
また、クーラー台座の短い方はクーラーとの接着面がとても狭いので、
塗装前の段階でAU712が載るかどうかチェックしないと塗装後の調整は非常に面倒です。
 
 
イメージ 12

 

いよいよそれらしくなってきたところで塗装作業に入ります。
色は先程のAU75G搭載車と同様のものを使っています。
 
塗装が終わったら最後はAU712クーラーの取り付けです。
 
GM製の#8024「インバータークーラーセット」の中に入っているものを
銀色に塗装した上で取り付けました。
 
ちなみにMA製付属編成のモハ102が先程出てきましたが、基本編成はSIVではなく
モハ102のMGから給電しているため、SC24静止インバータのパーツは使いません。
もちろん、SIV用のランボードも使用しません
 
 
イメージ 14
 
最後にクーラーを取り付けてAU712化は完了です。
 
最初の車両は手探りでの作業だったのでおよそ1週間かかりましたが、
2両目は「馴れ」も相まって1日半で出来ました。
 

という事で、以上がマト12編成製作記でした。
 
やはり集中冷房ばかりの編成ではなく、分散冷房の車両が何両かいると
良いアクセントになるので個人的にはこういう編成の方が好きですね。

今後は車番などの標記類の転写や残りの部分の色差しなどの最終調整が残ってますから、
作業が進み次第、本稿に追記したいと思います。

それでは今回はこの辺で。
ご観覧ありがとうございました♪
 
 
○103系1000番台の編成考察~1997年頃を例に~
 
発売から1か月と少し経ちましたが、売り切れ続出な当製品。
 
人気がある一方で、どんな編成にしたのか書かれた記事はほとんど見かけないので
編成について少しだけ触れてみたいと思います。
 


こちらは、JRRが発行している「JR電車編成表」を基に作成した1997年10月頃の編成表です。
*拡大再生して観ることをおすすめします
 
なぜこれを選んだかというと、私が常磐線103系について一番思い入れのあるのが
小学校に上がる前の4・5歳くらいだったからです。
 
最初はそんな超個人的な理由で選んだのですが、意外とこの年が
あまり大規模な改造をしなくてもJR仕様にできる境目であることが分かってきました。

以下は、編成表の読みかたです。
 
青文字:ユニットサッシ
水色文字:AU712分散クーラー搭載車
黄色枠:ドア窓金属押さえ(細)
橙色枠:1971~1973年製造車(0'番台)
4号車:弱冷房車
下線:特別保全車
*:車両更新車
▼:前面強化(=低運:1992~)
Tc+:電連装備車(1993~)
_:乗務員扉下部に把手
×:側面方向幕未設置
-:1000番台で160kVAのMG搭載車
※運行番号のLED化は1998年からなのでここでは全車幕式

今回は1000番台の編成考察なので、両端が1000番台の編成のみざっくりと
見ていきたいと思います。

~注意:必ずお読みください~
 
これらは素人調査による不完全なものです。
したがって、これを基に改造・加工する場合は必ず「自己責任」でお願いします。

・マト11編成
モハ103・102形910番台を電装解除したサハ103形800番台を含みます。
サハ103-800は2両ともAU712搭載で、側面方向幕がありません。
 
・マト12編成
サハ103形2両がどちらもAU712搭載車。
さらに、モハ103-1008のみ号車札位置が第1・2エンド寄りの異端車。
*いつからかは不明
 
・マト13編成
サハ103-296のドア窓が金属押さえ方式(細)。
つまり、ドア窓にHゴムがありません。
 
・マト14編成
サハ以外全てAU712搭載車。
さらに、クハ103-1008のみ側面方向幕未設置車で、サハ103-206はドア窓金属押さえ(細)。
 
・マト16編成
サハはユニットサッシ車、それ以外は全て特別保全車。
Hゴムの色差しさえ頑張れば、ほぼ無加工で出来る編成。
 
・マト17編成
全てのモハ102が160kVAのMG搭載車。
床下を0番台のものに変更し、第2エンド側にMG冷却ルーバーを付ける必要があります。
 
・マト18編成
備考に書かれている通り、全てのモハ102にMG冷却ルーバーがありません。
 

これはあくまでも1997年の編成表で、更に時代が進むと
やるべきことが色々増えていきます。
 
たとえば…
 
・運行番号LED化(1998~)
・乗務員扉下部把手(1998年度完了?)
・妻面窓埋め+転落防止幌(編成単位では1998~)
 
など。
 
特にドア窓の支持方式についてはなかなか調査が思うように進まないため、
もしかするとHゴムでない車両がまだいくつか隠れているかもしれませんね。
 
【おわり】
 
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