ウツボがフグを丸のみ 解毒剤につながる?

クサフグをのみ込もうとするウツボ(8日、千葉県鴨川市、松沢陽士さん撮影)=共同

ウツボが猛毒のフグを丸のみに――。千葉県佐倉市の水中カメラマンの松沢陽士さん(50)がその瞬間を撮影した。専門家は「見たことがない」と驚いている。

松沢さんは20年以上にわたって同県鴨川市の海岸を訪れ、産卵で押し寄せるクサフグを撮影してきた。近年、フグを襲うウツボを頻繁に見掛けるようになったという。

松沢さんはフグをのみ込んだウツボを捕らえ、海洋生物の毒を研究する広島大の浅川学教授に送り、解析してもらった。その結果、ウツボの胃で消化が進み、胃の内壁からフグ毒が検出された。ウツボはフグ毒に耐性があり、餌として食べている可能性が高いという。

人間の場合、フグ毒の致死量は1~2ミリグラムで、青酸カリの約千倍の強さ。解毒剤はなく、呼吸困難を引き起こす。浅川教授は「インパクトのある写真で、初めて見た。フグ毒の解毒剤につながるかもしれない」と期待を寄せている。

〔共同〕

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