1m TL 前後になる。細長く頭部は丸い。非常に鋭い牙状の歯がある。
オオカミウオの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ゲンゲ亜目オオカミウオ科オオカミウオ属外国名
英名/Ocean catfish, Wolffish, Bering wolffish学名
Anarhichas orientalis Pallas,1814漢字・学名由来
漢字 狼魚
由来・語源 残念ながら我が国ではあまり食用では利用されておらず、この『狼魚』というのも英名の『Wolf-fishes』を直訳したものである。Pallas
Peter Simon Pallas (ペーター・ジーモン・パラス)。ドイツの動物学者。主に冷水域の魚を記載した。ホッケ類、アイナメ類など国内海域にいる多くの魚類を記載。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。
新潟県、茨城県以北。ピーター大帝湾、間宮海峡、オホーツク海沿岸、カムチャツカ半島南東部、ベーリング海、アラスカ湾。生態
基本情報
国内よりも、むしろ海外などで重要な食用魚。
太平洋のオオカミウオとタイセイヨウにはシロオオカミウオ(Anarhichas lupusLinnaeus,1758 / Atlantic wolffish)などがいて、食用になっている。
ドレスやフィレなどでの流通が基本。
イギリスのフィッシュアンドチップスや煮込み料理、フライなど和食よりも、洋食に向いている。
国内での流通はあまり多くなく、定番的な料理法もない。水産基本情報
市場での評価 流通量は少なく、比較的地域的な魚。関東では珍しので売れるもので、値段は低い。
漁法 釣り
産地 北海道、東北太平洋側選び方
ー味わい
旬は夏から冬。
皮はぶよぶよして扱いにくい。一般に三枚に下ろして皮を取り去り、フィレにして利用。皮には流通の仕方によっては独特の臭みがある。骨は頭部の身が硬い。
白身でほとんどクセがない。栄養
ー寄生虫
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
オオカミウオの料理法・調理法・食べ方/揚げる(フライ、フリット、唐揚げ)、ソテー(ムニエル)、煮る(煮つけ)、生食(昆布締め、刺身)、焼く(幽庵焼き、つけ焼き、漬け魚)
オオカミウオのフライ アラスカ、カナダ、同属のシロオオカミウオはヨーロッパでも食べられているのがフライだ。クセのない白身でほどよく繊維質で熱を通しても、あまり身が締まらない。フィッシュアンドチップスは絶品。
オオカミウオの洋風天ぷら 切身に塩コショウ、して乾燥パセリを振る。衣は小麦粉・泡立てた卵白、水を合わせたもの。切り身を衣にくぐらせてじっくり揚げる。仕上げに強火にしてかりっと仕上げる。フライよりも身自体のうまさが感じられて美味。
オオカミウオのフィッシュ&チップス 切り身は食べやすい大きさに切る。衣は小麦粉・ビール・少量の油・水で作る。切り身、じゃがいもに小麦粉をまぶして、衣をつけてさくっと揚げる。さっぱりした嫌みのない味で、ついつい箸が伸びる。
オオカミウオのムニエル 切り身に塩コショウ、小麦粉をまぶして、多めの油でじっくりソテーする。仕上げにバターで風味づけをする。ソテーすると少々締まるが、バターなどとの相性がよく、とてもおいしい。朝食にパンと合わせてもいい。
オオカミウオの煮つけ これは大型の脂ののったも煮つけたものだ。脂ののったものは煮つけても硬く締まらず、身質がほどよく繊維質なので非常においしい。脂がのっていないと硬く締まりすぎる。頭部の皮はゼラチン質があり非常に美味。
オオカミウオの昆布締め 身が締まっていて、上質の白身ではあるが、ややうま味に欠けるところがある。単純に刺身にしてもうまいが、むしろ昆布締めの方がうまいと思う。塩と昆布で締めても硬くならず、昆布の味にも負けてしまわない。[北海道産野締め]
オオカミウオの刺身 脂がのっていて、鮮度がいいものは刺身になる。皮を引くと血合いが赤く、見た目にもきれいである。脂は層を作らず身に均質に入る。口に含むとじんわりと甘く、うま味もある。[宮城県産活け締め]
オオカミウオのつけ焼き 切り身に振り塩をする。水分が浮いてきたら拭き取っておく。これをじっくりと焼き上げる。焼き上がりにしょうゆとみりんを合わせたものを、数回にわたって塗る。非常に上品で嫌みのない味に、しょうゆとみりんの味が相まってとてもいい味だ。
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
北欧でのシロオオカミウオの食べ方 北欧では食用とすることは多くの文献にあり、これをペラペラめくるが、探してみると意外なことに詳しい食べ方が書いていない。これを探しあぐねた矢先に我がサイトの協力者が読売新聞の日曜版、なんと2003年8月3日のものを持ってきてくれた。これがなかなか詳しく、ここで紹介すると、ノルウェーのベルゲンではミンチにして肉団子のようにまとめ、スープの具とする。またフィッシュケーキというこの肉団子を揚げた薩摩揚げのようなものもあると言う。フライにすると言うのも『海の魚』(上野達治著 北海道新聞社)にある。参考文献・協力
『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)