これはもう30年近く前の話だ。まだ世の中に「インターネット」が普及する前の話。(こう書くと凄い昔だな)
当時、主な鳥情報の交換は「パソコン通信」で行っていた。パソコン通信はインターネットの前に普及していた通信手段で、PCと電話回線を使い、主に文字だけでやり取りをする。
よってデータを送ることが出来ない為、昨今の様に逆さ鳥を金儲け目的でやってる奴はほぼおらず、殆どは俺のように自己満足の為にやっていた。
当時の鳥機材はHi8のビデオカメラ。
ビデオカメラといっても今みたいに手のひらサイズではなく、食べる前のデカめの2段弁当箱位はある。
レンズも直径5センチ程度あり、それをカバンのチャックから飛び出させ、帽子を被せて隠していた。
今考えるととんでもなく危険な状態だが、当時は逆さ鳥などという発想自体が世間に無かったのだ。
俺は駅に繰り出し、デパートや本屋で鳥まくった。重い機材に腕と肩がパンパンになりながら、毎日10人程度を鳥し、そのまま本屋のトイレに籠って内容をチェックした。時にはヌいた。
鳥してる奴は分かると思うが、鳥してから見る迄は、極力早い方が興奮する。
やがて機材が発達し、秋葉原に超小型CCDカメラなどが登場した。2センチ角程度で鮮明なカラー映像。価格は4万程度だったと思う。
俺はバイト代をはたいてそれを買った。しかしそれは、今とは比べ物にならない位面倒なものだった。CCDカメラ自体は超小型だが、レンズには専用外部電源が必要で、単三電池を8本も繋ぐ必要があった。
そのレンズをコンポジットケーブルでビデオカメラの入力端子に繋ぐのだ。予備の単三電池なども含めると、かなりの重量だった。
それらをまとめて黒いカバンにしまい、カバンに穴をあけてCCDカメラを覗かせれば、もはやこれがバレる事はあり得ないように思えた。
世間はまだ、鳥の認知度は無いに等しかった。俺は全く怪しまれる事も無く、日々鳥に励んだ。
この頃は、レンズの角度や被写体との距離、店内の照明と床材の色(反射の光量)などを考えて取れるようになっていた為、出来栄えに失敗する事はほぼ無かった。
被写体は、全身→顔アップ→背後全身→逆さ、といった工程をワンカットで収める事に拘った。途中でレンズを遮ると、後で見た時に臨場感が半減してしまうからだ。
Xデー当日。
俺は付き合っていた彼女との待ち合わせ時間までの約3時間を、鳥で潰すことにした。
いつもの様に鳥スポット(馴染みの本屋)に向かい、カバンを右手に、念のためCCDレンズには帽子を被せて、好みの子を物色した。
鳥している最中、視界の隅にいたレジの店員の男の動きが気になった。何やら遠くを見て手を振っているのだ。俺はこの時バレたとは思わなかったが、何となく嫌な予感がして鳥を中断、しかしすぐには移動せずに暫く本を立ち読みして普通の客を装った。
10分ほどして書店を出たその瞬間、禿げ頭の親父が俺の右腕をガシっと掴み、「分かってるな?ちょっとこっち来い」と言った。それでも尚、俺は鳥はバレる訳ないと思っており、万引きか何かの濡れ衣かと抵抗した。
しかしほどなくもう一人の男が反対の腕を掴んで「撮ってただろ」と言った。ここでようやく俺は「あ、鳥がバレたんだ」と悟った。
俺は書店の事務所に連れていかれ、持ち物を全部出させられ、尋問を受けた。さっき腕を掴んできた男たちは、万引きGメンだった。
禿「先週も来てただろ。でも先週は機械の調子が悪かったのか、、結局撮らずに帰ったよな?」
すると今度は店長がこういった。「正直言って、他でやってくれよ。隣の〇〇さんとかさ。ウチでやられると迷惑なんだよ。取りあえず家の連絡先教えて」
俺は親だけには知られたくないと思い、土下座して謝った。「お願いです。二度とやりません。どうか親にだけは・・・」最近よく見る警察24時の情けない男の姿だ。泣きたかったが、何故か涙は出なかった。
すると店長が「そうか。じゃあ警察だな。」そう言って出て行った。俺は、家族にばれるより警察の方がマシだとこの時は考えていたが、これは後で大誤算だと思い知ることになる。
警察が来るまでの間、さっきレジで合図していた男の店員が俺の私物を漁りながら、「てめーふざけんなよ」とか「牢屋にぶち込んでやる」とか色々言っていた。
俺は何故かこいつにだけはムカついていたので、後で報復する事になる。これは別の機会に話す。
やがて警察官が2名やってきて、俺の両手を壁に付かせて荒々しく身体検査を行った。
「手錠は勘弁してやるから逃げるなよ」と言って、俺のベルトの背中部分を掴んで店を出た。駅前なので人混みを割ってパトカーに向かったのだが、この時は本当に恥ずかしかった。
警察署の取調室で、3~4人の警察官に尋問を受けた。当然ビデオもチェックされた。
俺はこの時、自分の性癖で鳥していた事がバレるのが何故か恥ずかしくなり、「ある組織に脅されてやった」と嘘をついた。笑
すると何故か警察官も腑に落ちたように、「ああ、最近そういうの流行ってるらしいな!画像を売ってる連中が居るんだろ?」と乗ってきたので、「はいそうです」と答えた。
別の警察官が「そうなんだ?動画なの?写真なの?」と言うと、「写真だよな!聞いた事ある」とさっきの警察官が言った。
俺はとにかく「はい」を繰り返した。その「謎の組織」についても聞かれたが、パソコン通信なので相手の正体が分からないといった旨を話をすると、「まあそっちはいいや」と簡単に諦めた。
つまり俺はともかく、「パンツには興味が無いが、脅されて仕方なくやっていた」という事にしたかったのだ。
一通り話を聞いた後、今回は被害者が特定出来ないという事で「厳重注意」という事になり、俺は釈放されることになった。
そして次の瞬間、警察官が驚くべき事を言った。「今、お母さん呼んだから。」
俺は絶句した。何故だ・・・親にバレるのが嫌だから書店で警察を呼んでもらったのに、結局警察が親を呼ぶんかい!!なら最初から本屋で親を呼んでもらった方が社会的ダメージが少なく済んだじゃないか!!
最大の誤算だった。
30分ほどで母親が来た。この時の時間は、俺の人生で最も最悪の時間と言っていいだろう。万引きならともかく当時珍しい盗撮だ。下手したら痴漢より恥ずかしいのでは??
俺を取り調べていた中で比較的優しかった警察官が、「どうやらネットで脅されてたようですよ」とさっきの言い訳を親に話してくれた。母親は泣いていた。
この時初めて、彼女と待ち合わせていた事を思い出し(遅い)、公衆電話から彼女の自宅に電話して謝った。
俺は母親に「これから彼女の家に行かなきゃならないから、先に帰って。あと頼むから親父には言わないでくれ」と言うと、母親は了解してくれた。
その後、彼女に待ち合わせをすっぽかした事を謝り(勿論事件の話はしてない)、一緒にイチャついているうちに、さっきまでの地獄の苦しみはだんだん和らいでいた。
家に帰ると、母親が衝撃的な一言を俺に放った。「やっぱりお父さんに話した。一人じゃ抱えきれなくて」
俺は居間で待つ親父に謝った。すると親父は一言、「それにしても情けない罪を犯したな」と静かに言った。
その通りだ。これはかなり効いた。
「ネットの組織に脅されて」の話をすると、一応親父は信じてくれた。
俺はその日を境に、今まで撮りためたHi8のビデオテープを全て破棄した。警察がガサ入れに来るんじゃないかという恐怖があったのだ。
テープは誰かが拾って再生出来ないようハサミで切断し、カセットも接着剤でガチガチに固めて捨てた。
地獄の日から何日かして、また警察署から連絡があった。取り調べの際、俺の言う事をよく聞いてくれた警察官だった。
「悪いんだけど、警察署長が記録に残せって言うからさ。もう一度話を聞かせてくれる?」
この時の俺は、きっと顔面蒼白になっていただろう。ガサ入れではなく出頭とは・・・。厳重注意じゃなかったのか・・・。再び、悪夢が蘇った。
俺は指定の日に警察署に向かった。すると例の警察官が「ごめんね、今は万引きでも指紋とる時代なんだ。」と言い、全ての指の指紋と、顔写真を撮影された。
その後、誰も居ない会議室のような部屋に通され、先ほどの警察官と対面で座った。
警察官「じゃあ悪いけど、事件当日の事をもう一度話してくれる?」
俺は再び事件の話をしたのだが、逮捕当日とは比べ物にならない位、詳細に説明させられた。
当日の本屋内での移動ルート、撮影した女性の容姿、カメラの角度、それはもう「覚えてないわ!」と言いたくなるような事まで細かく聞かれた。
また当時の調書は手書きだったので警察官が書くのが遅い事もあり、この作業は丸一日掛かった。
最後に、警察官がこう言った。「この後、この書類が検察に送られる。これが罪として認められるかどうかは、書類を読んだ検察が決める事になるよ」
「僕はどうなりますか?」と聞くと、警察官は「正直、分からない。珍しい事件なので、今回送検する形になったが、初犯なので君が反省していれば、考慮してくれるかも知れない」
事情聴取から暫くして、地元の地方裁判所から出頭命令が届いた。
当日の俺は緊張で死にそうになりながら裁判所に向かい、枯れた喉を絞って受付に声を掛けた。中にいた事務の老人が「えーと、何した人?」と聞いてきた。
俺は消え入りそうな声で「・・・盗撮です」と言うと、老人は「あーはいはい。番号呼ばれるまでそこで待ってて」と言って番号札を渡してきた。
その後ほどなくして呼ばれ、ある個室に入った。8~10帖程度の小さな部屋に大きな机があり、壁は本棚で埋め尽くされていた。
大きな机の横に小さな机があり、そこには若い真面目そうな男が何やらワープロのようなものを打っていた。
そして大きな机に座っていたのは、先ほど受付にいた老人だった。そう、この人が検察官であった。
検察官は例の調書を一通り読み上げて、こう言った。「この内容に間違いないですか?」
検察官は続けた。「万引きや痴漢のように直接被害は与えてないけど、”女性をはずかしめる”という行為自体、許されないんだ。分かる?」まるで子供に諭すような言い方だった。
俺は終始項垂れて「はい」しか言えなかった。もはや”反省の化身”だ。
そこには「起訴猶予」と書かれていた。
以上が事の顛末だ。別に教訓などというつもりは毛頭ない。この内容をどう受け止めるかは読み手に一任する。
鳥も否定しない。鳥は不治の病だ。今でもスカートを見るだけで、衝動がムクムクと隆起してくる。
親もあの事件を忘れるはずがない。あれから30年近く経ったが、テレビで盗撮事件の報道が流れる度に、俺は気まずい空気に悩まされるのだ。
なぜ妙に被害者風なのか意味が分からない。徹頭徹尾気持ち悪い。
明らかに創作だろw
盗撮ってやっぱり全然大した罪じゃないんだな
やはり犯罪には重い処罰が必要なんだなと思いました
まともに治療してる性依存の人に謝って欲しいと思いました。なんだ「怖いからやらん」て。
盗撮犯にすら彼女いると言うのに俺ときたら…
ほんまそれ
鳥獣保護法違反の話ちゃうんかい
鳥獣保護管理法違反で逮捕の話かと思ったら、その手の専門用語だったんだね。 もうすぐ50を目前に増田に認めたということのようだが、 その性癖は克服することができたのだろうか。 ...
俺もそれかと思って読んでなかった
実際、公開もされてなければ 被害0じゃね?
鳥類好きだから読み進めたら最低の話だった。 クソ以下の犯罪者が嘘ついて反省もしてないって最悪だと思う。 しかも何だよ報復って。犯罪者のくせに何被害者ヅラしてるんだ。 お願...
鳥好きなくせに増田なんかにきてるとかバカみたい
『鳥好き』だけがその増田のパーソナリティの全てではないんやで
その言いがかりは意味がわからなくて草
チョコエッグ🍫🥚
こういう事案って被害者不明だったり、被害者が捜査に協力的でないと逮捕にならないみたいよ
微塵も反省してなくて笑える
性犯罪やる奴って、本当に被害者を人間だと思ってないんだな。「よく非モテを虐げるから〜」という弱者男性論とか「性犯罪する奴は精神的には非モテで〜」とかいうフェミ的文脈語...
n=1
盗撮ってやっぱり全然大した罪じゃないんだな ただ、人によって失うものの大きさが違うな。 元増田の場合は親からの信頼ゼロ位で済んだかもしれないけど、 元IBM社長だった人は......
有名人でいえば田代まさしも盗撮してたなぁ
妻や娘はセックスやオナニー鑑賞やパンチラ盗撮させてないのか? 家族の怠慢が迷惑を引き起こす典型例だ
こいつのツイ垢あるが、めちゃくちゃ再犯してるやんけ!!! やっぱ性犯罪者って反省しないんだな。 KEYMAN @p7VbmiJjhTYmJyq: 鳥で逮捕された話。 https://anond.hatelabo.jp/20211018043251
ひでぇなこいつ。 なに自慢気にツイートしてんだよ。 んで、NTR願望でググってみて驚いた。 やっぱくそだなこいつ。 こんな奴が公共の場、公共交通機関を利用してんのかと思うと、...
こういうのが平気で電車やバス乗ってて痴漢してると思うと、娘がいる立場だと今後が怖いわ。
Twitterの報告に直で犯罪行為がないのなんでだ 出てくる選択肢より遥かに下の要件なんだけど 犯罪を仄めかす内容と盗撮は選択肢作ってほしい
爺じゃん。やべー。
何が悲しいって最後にこどおじを示唆しているところ。救いようがないんだよ
泣きたかったが、何故か涙は出なかった→全く反省してないから 俺は何故かこいつにだけはムカついていた→正義感を持って真正面から糾弾されているため、自分の行いのことは理解し...
鳥好きなんで鳥とかいう隠語にしないでくれます? 「盗撮」でいいだろゴミ