10月の季語を使った俳句|有名な句10例

10月の季語の俳句

食欲の秋。10月の季語には「柿」「秋刀魚」「栗飯」など、秋の食べ物の季語が多くあります。また、色づいた葉っぱや澄んだ秋空を表す季語も。
そんな季語が使われている10月の俳句にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は10月の季語が使われているおすすめの俳句をご紹介します。

また、小学生・中学生・高校生の課題などで参考にできるように句の意味も解説していきます。

10月の季語

10月の季語には秋の深まりを感じられる言葉が並びます。

時候寒露 冷まじ 霜降 夜寒 身に入む 秋深し 秋の暮
天文鰯雲 秋の声 菊日和 秋高し 霧 後の月
地理刈田 山装ふ 高潮 野山の色 枯野の色
人事(生活)赤い羽根 栗飯 運動会 稲刈 新米
行事重陽 菊の着綿 秋祭 体育の日
忌日蛇笏忌 時雨忌 日蓮忌 爽波忌 宣長忌
動物穴惑 猪 鹿 馬肥ゆる 稲雀 鳥渡る 色鳥 鵯
植物木犀 落穂 紅葉 草紅葉 木の実 黄落
食物林檎 柿 秋刀魚 無花果 栗飯
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10月の有名な俳句10選

子どもの寝姿

あはれ子の夜寒の床の引けばよる 引用元:按針亭-俳句「あはれ子の」中村汀女

作者名中村汀女
出典元(本)汀女句集
出版年1974年
季節
季語夜寒
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晩秋の夜に肌寒さを覚える「夜寒」。夜に、眠るいとしいわが子を布団ごと引き寄せたときの感慨が詠まれています。

秋雨や水底の草を踏みわたる 引用元:俳句の教科書-【10月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

作者名与謝蕪村
出典元(本)蕪村句集
出版年1784年
季節
季語秋雨
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秋雨がしとしとと降っている中、水底の草を踏みながら川を渡っています。水底の草が見えるほど川の水が透き通っていることが目に浮かびますね。長い期間、冷たく降る秋雨の中、冷たい川を渡っている作者。すこし陰鬱な作者の気分が伝わってきます。

10月の俳句で小学生におすすめの有名な句は?

鰯雲

いわし雲おおいなる瀬をさかのぼる 引用元:俳句の教科書-【10月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

作者名飯田蛇笏
出典元(本)春蘭
出版年1947年
季節
季語鰯雲
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川を見ていると、いわし雲が映りこんでいて、まるで瀬をさかのぼって泳いでいるように見えました。子どもが思いつくような空想が現実になったようなワクワク感が感じ取れます。

見えさうな金木犀の香(か)なりけり 引用元:日下野由季 Official Web Site

作者名津川絵里子
出典元(本)和音
出版年2006年
季節
季語金木犀
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金木犀の香りの強さを目に見えそうだと表現した句です。金木犀の甘い香りが漂ってくると、ついどこに咲いているか探してしまいますよね。

10月の俳句で中学生におすすめの有名な句は?

渡り鳥

渡り鳥みるみるわれの小(ち)さくなり 引用元:真夜中の俳句帖-渡り鳥みるみるわれの小さくなり 上田五千石

作者名上田五千石
出典元(本)田園
出版年1968年
季節
季語渡り鳥
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渡り鳥を見て詠んだ句のはずが、渡り鳥からみた視点に切り替わっているところに面白さがあります。おのずと渡り鳥から見た景色を想像し、まるで空を飛んでいるかのような気分を味わえる句です。

黄落の中のわが家に灯をともす 引用元:575筆まか勢-黄落 

作者名高橋睦郎
出典元(本)舊句帖
出版年1973年
季節
季語黄落
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黄落とは、葉の色が黄色に変わり落ちること、またはその時期のことを指します。黄落の明るさと我が家の灯の明るさが、句の中で二重に輝いています。

日のくれと子供が言ひて秋の暮 引用元:JapanKnowledge-秋の暮 | 季節のことば

作者名高浜虚子
出典元(本)六百句
出版年1947年
季節
季語秋の暮
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一日の終わりと、秋の終わりのどちらの寂しさも感じ取れる句です。秋の日暮れは「秋の日は釣瓶落とし」とも言われます。井戸の釣瓶が落ちるように秋の日暮れが早く沈むのです。作者は子どもが「日のくれだ」と言ったことで日の暮に気づきました。あっという間に夕方になったことに驚く作者の実感が詠まれています。

10月の俳句で高校生におすすめの有名な句は?

石段

石段のはじめは地べた秋祭 引用元:帚-石段のはじめは地べた秋祭 三橋敏雄

作者名三橋敏雄
出典元(本)しだらでん
出版年1996年
季節
季語秋祭
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石段を昇る手前は地面であるという当たり前のことを詠んでいます。たしかに、そのように考えたことはなかったなと思わされる句です。「地べた」という大地を連想させる言葉と「秋祭り」という実りに感謝する言葉の関わりが深く、相性が良い取り合わせです。

野ざらしを心に風のしむ身かな 引用元:内的自己対話-川の畔のささめごと-野ざらしを心に風のしむ身かな ― 俳諧道への覚悟の旅立ち 桃青句鑑賞(2)

作者名松尾芭蕉
出典元(本)野ざらし紀行
出版年1684年
季節身にしむ
季語
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芭蕉が旅に出る際に詠んだ句。旅の途中で生き倒れ、死体が野ざらしになってもかまわない、そういった決意で旅に出たことが分かります。

秋深き隣は何をする人ぞ 引用元:芭蕉発句全集-秋深き隣は何をする人ぞ

作者名松尾芭蕉
出典元(本)笈日記
出版年1694年
季節
季語秋深し
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秋が深まり、過ぎ行く秋を惜しむ感じを「秋深し」と言います。病に伏せていた芭蕉が静かな隣の家に思いを寄せている句です。

まとめ

柿

この記事では10月の季語の俳句を紹介してきました。視覚、嗅覚、触覚…秋に感じる五感を存分に感じられる俳句が多く詠まれていましたね。ぜひみなさんもお気に入りの10月の俳句を見つけてみてください。

 

 

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