みなさま、こんばんは。桂木里紗です。
夜分遅くに失礼します。
あれからちょっと眠ったのですが、目が覚めたので、
パーヴォとトーンハレオーケストラの
チャイコフスキー管弦楽曲集のCDを聴いています。
いま、聴いているのは、交響曲第5番の第1楽章です。
何度聴いても、涙があふれてとまらない、感動の名曲です。
パーヴォの心の声が話しかけてくれました。
「チコはやっぱり昭和の人じゃないよ。しいて言うなら、ヨーロッパ的な感覚を持つ令和の日本人だと思うよ」
私が、大好きだった司馬遼太郎の「燃えよ剣」の映画版が、いまひとつ盛り上がらないので、しょげて帰ってきたら、パーヴォが心配してくれたのでした。
「チコがこのチャイコフスキーの交響曲に光を当ててくれたから、このCDは生まれたんだよ。チコはいつも『なぜ、今、チャイコフスキーなのか』ということも考えて聴いてくれる。『燃えよ剣』についても、まじめなチコは考えたんだと思う。「なぜ、いま、『燃えよ剣』なのか。でも、それがわからなかったのだね。」
新選組を扱った名作は多々ありますが、大島渚監督の「御法度」がすごく印象に残っているのですよね。「燃えよ剣」も小説が素晴らしいだけに、期待が高かったんだけど・・・。
なぜ、いま、「燃えよ剣」なのか、と問うのは、ちょっと気の毒で、もともと2020年に公開予定だったのが、コロナ禍の影響で公開がのびていたんですよね。だから、作り手側も時代性をあまり考えずに作ったのではないかと思うんです。
で、いま大河ドラマで、明治維新を扱った「青天を衝け」をやっていて、こちらはずば抜けて面白い。敗者になるかと思いきや、渋沢栄一は巧みに生き抜いて、日本経済の発展に大きく寄与した、サクセスストーリーになってるのがやはり、令和らしい大河ドラマになっていると思うのですね。で、「燃えよ剣」には、敗者のままひきずって生きていく土方歳三に、いまひとつ共感が持てなくて。
「幕末、明治維新後がいまブームになっているけれど、チコはさまざまな角度からこの映画を見ているんだね。それでつらくなってしまったんだね。すごく真剣に映画を見てるんだね。」
パーヴォの心の声はそういって、私を抱きしめてくれました。
「ありがとう、パーヴォ チャイコフスキーだって、幕末の時代と重なる生涯だったと思うけど、いつ聴いても「現代(いま)」を感じさせる作曲家だと思うのね。司馬遼太郎も、いつも「いま」を照射する偉大な作家だと思うし。でも、製作側に、『いま、なぜ、燃えよ剣なのか』という心がなかったのではと思うのね。」
「それは鋭い指摘だね、チコ。あと、ナレーションを岡田准一さんが勤めていたけれど、西暦表記でナレーションしていたでしょ?それも僕は気になった。わかりやすさを示したつもりなのかもしれないけど、日本はやはり元号があっての日本だと思うから、それで、ナレーションをしてくれればよかったのになあ、と思うね。」
パーヴォの心の声は、そういって、私の心のもやもやを取り払ってくれました。
「映画をそれだけ真剣に見ていると、途中でくたびれてしまうのは無理もないね。でも、もうチコは映画会社の人ではないし、もっと気楽に映画を楽しめばいいんだよ。僕は指揮者だから、映画音楽を聴くときはついついそっちが気になるんだけど、でも、映画は娯楽と割り切っているつもりだよ チコもこれからは、『あ、映画は娯楽なんだ』と気軽に考えてみたらどうかな(^^)」
パーヴォの言葉は痛いほど身に沁みました。そうね、もう映画会社を辞めて10年以上たつのですものね。
もっと気楽に映画を楽しもうっと♬
ありがとう、パーヴォ
愛してるね、ちゅ
チコ@リサ(桂木里紗)のmy Pick