匿名アカウントからのつきまとい。
謂れのない人格攻撃とデマの拡散。
恫喝や誹謗中傷。
繰り返される性差別的な揶揄嘲笑。
ネット上でターゲットにされると、毎日毎日、投稿を四六時中監視され、侮蔑的な言葉で傷つけられ続けます。
抗議や反論をすれば、SNSを使っているあなたが悪いと自己責任を押し付けられます。
恐怖からTwitterを見ることができなくなり、発言の場を奪われた人がたくさんいます。
生活のすべてをズタズタにされます。日本にいられなくなった人もいます。
「見なきゃいい」「少し休んで」「時間が経てば落ち着く」
わたしたちは、そんな慰めにも疲れました。もう、うんざりです。
女性を苦しめる言葉やデマはインターネット上から消されることなく、デジタルタトゥーとして残り、どんなに時間が経っても、世界中に拡散され続けます。
オンラインハラスメントは時間も場所も関係なく、終わることのない暴力なのです。
なにもしていないのに、なぜ「死ね」と言われ、孤立しなければならないのでしょうか?
プロバイダー責任制限法改正が成立し、投稿者の情報開示は簡素化されることになりましたが、費用や手間がかかることに変わりはありません。
「オンラインハラスメント」に対する社会通念を早急に変えていかなければ、ネット上のヘイトスピーチがなくなることはないでしょう。
①SNSでの誹謗中傷による自殺撲滅
②SNS事業者に差別解消を義務づける法制化の呼びかけ
③オンライン上のヘイトスピーチ解消に向けた取り組み
わたしたちはこの3つを目標とした「Online Safety For Sisters」(オンライン・セーフティー・フォー・シスターズ)という活動グループを立ち上げます。
性別、年代にかかわらず、オンラインハラスメントの被害を受ける可能性は誰にでもあります。しかしながら、「女性である」ことを理由にしたハラスメントが存在することは周知の事実です。また、若年女性の51%が「頻繁に」被害に遭うと感じています*。この運動が目指すのは、オンライン上でのヘイトスピーチ解消ですが、特に女性・障害をもつ女性・セクシュアルマイノリティ・特定の国の出身者またはその子孫である女性が受けている被害の可視化と環境の改善に力を入れていきます。活動名に「For Sisters」とあるのは、この理由からです。
この運動によって思想や表現の自由が脅かされると懸念される方もいると思います。
しかし、自由の名の下に声を上げる女性の自由が抑圧されているのです。これは自由な社会と言えるのでしょうか? 女性の苦しみの上に成り立つ自由を自由と呼べるのでしょうか?
オンライン・セーフティー・フォー・シスターズは誰もが安全に自由を享受できないのであれば、その自由のあり方を問い直す必要があると考えています。
力になってくれる人がいなく、孤立させられ、誹謗中傷・デマを見て自分を責め、自分はいなくなった方がいいと感じていたあなた、もう一人にはならないで下さい。あなたが悪いのではなく、これは声を上げる女性や弱者を黙らせたい社会の構造的な問題なのです。
もう、気持ちと声を押し殺す必要はありません。
すべての人に同じだけの自由と安全を。
みなさんも一緒に、平等なオンライン環境をつくっていきましょう。
2021年10月11日
オンライン・セーフティー・フォー・シスターズ
* プラン・インターナショナル「若年女性へのジェンダーを理由にした オンライン・ハラスメントに関する調査結果 日本の調査報告書」 https://www.plan-international.jp/about/pdf/2020_Freedom_Online_Japan_country_report.pdf
※2021年10月13日 一部変更
石川優実
伊是名夏子
菱山 南帆子