世界の霊長類研究を牽引(けんいん)してきた京都大霊長類研究所(愛知県犬山市、霊長研)について、京大が組織再編する方向で検討を進めていることが14日、関係者への取材で分かった。霊長研を巡っては、京大が昨年、元所長の松沢哲郎・元特別教授らが関わったとする研究資金不正を公表。今回の京大の方針について、霊長研の事実上の「解体」と見る関係者もいる。京大は月内にも最終決定するとみられる。
関係者によると、京大は霊長研について、学部や研究科と並ぶ組織として位置づけられる「付置研究所」から外すなど大幅に組織再編する方向で検討している。「霊長類研究所」の名称もなくなる可能性が高い。一方、霊長研が飼育してきた動物は犬山市の施設内でそのまま管理するとみられる、という。
この問題で京大は昨年6月、霊長研にあるチンパンジー用ケージの整備に絡んで約5億円に上る研究資金の不正支出があったとする調査結果を公表。松沢氏を懲戒解雇とするなど計6人を懲戒処分にした。一方、松沢氏は京大に対し、教授としての地位確認を求める訴訟を京都地裁に起こしている。
霊長研は1967年に犬山市に設置された。歴代所長の中には日本霊長類研究のパイオニアである河合雅雄氏がいる。チンパンジー研究の世界的権威として知られる松沢氏も2006~12年に所長を務めた。