「安全面を優先すると、菌の増殖からみてお風呂の水は毎日取り替えるのが望ましいといえます。しかし、経済面、衛生面などを考慮するとなると、話は違ってくれると思います。プライオリティーを何にするかが判断基準になると思いますね」(石川さん)
細菌が増えることは事実だが、節水・節約という観点からいえば再利用するのもアリだろう。さすがに汚れやぬめりが目立つ場合は、取り替えた方がよいかもしれない。
■お湯を再利用したい場合は水質のキープが重要
沸かしなおして使う場合のポイントや、注意すべき点はないかも聞いてみた。
「重要なのは、菌の増殖をできる限り防ぐということです。まず、ちゃんと体を洗い、汚れを落としてから湯に浸かりましょう。しかし、それでも菌は増殖します。ただし、増殖した菌がどのような影響を及ぼすかは不明です」(石川さん)
お湯を再利用するなら「水質を下げない」工夫はしておきたいところ。複数人が入浴するなら特に、マナーとして湯船に浸かる前には、しっかり体を洗ってから入りたいものである。
今回取材から分かったことは、残り湯に含まれる細菌の影響には不明な点が多く、ゆえにはっきりとした指針を示すのは難しいということだった。現状ではプライオリティーを何にするかで個々人で判断するしかなさそうだ。
●専門家プロフィール:石川 泰弘
1962年東京生まれ。株式会社バスクリンの販売管理部所属(広報責任者)。株式会社バスクリンの“お風呂博士”として多方面で活動。著書に『お風呂の達人(草思社刊)』。
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