されたら嬉しい？嫌？精子を飲みたがるごっくん大好き女の言い分

はじめて精子を飲んだのは、高校一年生の時でした。
夏休み、人生ではじめてできた恋人とはじめてのセックスを済ませ、少し経ってからのことです。
エッチな本から知識を得ていたせいか、もともと持っていた嗜癖か、「飲まずに出す」という選択肢はありませんでした。

「え？飲んだの？大丈夫なの？」
怯えたようにティッシュ箱を差し出す恋人に、私も怯えた眼差しを向けました。
他にどうすれば良かった？何か間違えたのだろうか…

最近ふとこの出来事を思い出してネットで調べたら、飲まれると引いてしまう男性がいると知って驚愕。
恋人の目に込められた色は怯えではなく、拒絶だったのかもしれません。

思い返せばその日以降、「口でして」の後には「飲まなくても良いから」と続きました。
それでも私は飲んでしまうのですが、今になって彼の心境を思えば、いくらか申し訳ない気持ちになります。

積極的に飲ませたいと思う男性もいれば、彼女が飲みたいと言うのなら…という中立派もいるのでしょう。
いずれも相手への好意から至る考えだと思います。
支配したい気持ちも、好意の表れですよね。

私は、良いと思った相手から出るものなら何でも飲みたいです。
厳密には飲みたいではなく「取り込みたい」。
汗も、涙も、唾液も、精子も、おしっこも。

声が聞きたい、キスしたい、抱き締めて欲しい…
この延長線上にあるのが「取り込みたい（飲みたい）」である、というのが私の言い分です。

ブログではよくこの件に触れていますが、当然ながら意見は様々。
「ちょっと怖い」という声が一番多いように思います。（否定ではなく、感想として）

どうして怖いと感じるのだろう。
出たものを飲みたがることやその行為に対してではなく、そこまで自分を欲しがる女を怖いと感じる？

セックスは、形に残らないものですよね。
さっきまで同じ沼に溶けていても、終わってしまえばひとりになります。

人間いつだってひとりですが、触れ合っている最中はそれを忘れた気になります。
実際は忘れてなどいなくて、自分とは違う存在だからこそ相手を愛しく、もっと欲しいと思うのでしょう。

だからこそ、形や実感が欲しいのかもしれません。
どんなに好きでも決して一体にはなれないとわかっているから、せめて出たものくらいは取り込みたい。

好きな人の体内で温められたものが自分の中に移ったとき、言い表すことができない興奮と満足感を得ます。
一滴も漏らさず自分のものにしたいです。

精子を飲んだあとの体は入れ物です。
体がスケルトンなら良いのにと、飲むたびに思いました。

胃の中にある精子を思うだけで興奮するのは、さっきまでの行為を思い出しているから…だけではありません。
精子そのものに対する執着もあると思います。

過去の恋人たちは知らない私の一面です。
精子を胃に溜めて帰った女がそのあと何をしていたかなんて、想像もしなかったはずです。

目を閉じて口に残る味や匂いを感じながら、恋人との時間を生々しく思い返します。
今日も会えて嬉しかった。
私はどんな風に舌を這わせて、口に含んだ感触はどうだった？
「気持ちいいよ」と小さく囁かれた声を思い出すだけで、全身に鳥肌が立ちます。

思い返した時間が嘘ではない証拠が、今私の中にある。
それはとても嬉しくて、興奮を何段も押し上げました。
名前を呼びながら、もっと飲ませてと言えない言葉を口にしながら、妄想と現実を行ったり来たりする時間が好きでした。

はっきりと口に出して伝えたことはありません。
たまたまを装って飲んでいたつもりですが、欲しがっていることには気付かれていたと思います。

不自然に口で終えようとする、セックスが嫌いな女ではないのに。
「もっと上手に舐められるようになりたくて…練習させてもらえない？」
これが最も勝手の良い口実だと思っていましたが、心を偽れない性格で、目を泳がせつつ興奮は抑え切れず。
何かを言われる前にねじ伏せてしまおうと、そそくさと恋人の下着に手を伸ばすのでした。

それも今は、思い出と妄想の中だけ。
最後に飲んだのは、もう何年も前のことです。
もし新しい恋人ができて、飲んでも良いと許可が下りたら、興奮と緊張で目の前がグラグラすると思います。
未来にいるかもしれない恋人は、どんな目で私を見るのでしょうか。


文｜あさがお
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