【9月10日 時事通信社】レバノン大統領府は10日、アウン大統領と新首相候補に指名されていたミカティ氏が新内閣樹立で合意したと明らかにした。昨年8月に200人以上が死亡した首都ベイルートでの大規模爆発で当時の内閣が引責辞職した後、正式な政府が発足できない政治空白が続いていたが、1年1カ月ぶりに解消される。

 レバノンでは長年の放漫財政や腐敗のまん延で経済が行き詰まり、昨年3月にデフォルト(債務不履行)を宣言。通貨ポンドの対ドル実質レートが約12分の1に暴落し、燃料や医薬品など生活必需品の不足も顕在化するなど、「19世紀半ば以降の世界で起きた経済・財政危機でワースト3に入る深刻度」(世界銀行)となっている。

 「破綻状態」と言える国家の再建には国際社会の支援が不可欠だが、旧宗主国フランスなどは新政府発足と改革遂行を条件としている。大爆発後に2人が首相候補に指名されたが、宗派対立や政治勢力間の駆け引きを克服できずいずれも組閣を断念した。(c)時事通信社