カルマについての追記②の続きである。
⑩の項目にいて説明してみる。
人間のカルマ、業というものについて、医学の観点から解き明かした人が居る。L・ソンディという精神科医。

正確には深層心理学というのだろうか。フロイトの精神分析に始まり、ユングの心理学、そして、ソンディの深層心理学で、人間の深い内面が考察されるようになった。彼の学説は、占いのようなもので、学会で発表した当時は激しい反発を受け、受け入れられなかった。
私は、専門家では無いから、今回書く事は、心理占星術師の方から教わった事と、手元に残った資料を元に出来るだけ簡潔に書かせていただく。
彼が作った無意識の傾向を割り出すテストの一つが、ネットでアップされているので、まずは下記のアドレスをクリックして試して見てください。
彼の生い立ちはネットで検索しても出てこず、手元の資料(心理占星術の会員だった頃に頂いたもの)も僅かしか残っておらず、ほとんど記憶で書くので、間違っていたらご教示いただきたい。
彼はユダヤ系ハンガリー人である。(不可思議だが、フロイトもユングも皆ユダヤ人である)
理由は失念したが、彼は子供の頃、親戚夫婦に預けられて育った。
その夫婦は仲が悪く、食事時でさえ激しく喧嘩していたらしい。
只でさえ預けられているソンディからしたら、肩身が狭かったろうに、加えて劣悪な仲の夫婦に預けられて辛かったろう。
それも、ここでよく言う実在(宇宙の根源であり、我々の根源であり、絶対神とか、宇宙意識とか、アラヤ識とか、表現される。唯一のもの)がソンディという自我に体験させ、彼にそういう仕事をさせる為に仕向けた運命的環境だろう。
何度も書くが、我々は単に奴(実在)にプログラムされて翻弄されている泡に過ぎず、運命は変えられないのだ。(変えているように見えるのは、錯覚で、そういう風に仕向けられていると言っても良い。)
そこで体験した感情こそ、奴にとって重要なのだから。(悟りを標榜している人たちには悪いが、何れその事は詳しく書く。)
話がズレたが、そんな環境で彼は考えた。
「何故こんなに仲が悪いのに、結婚したのか?」
である。当然だ。好きだから、一緒に居たいから結婚したはずだからだ。
この少年期の体験が彼を人間の内面を考察する性質を作った。
彼は第一次大戦の時はハンガリー軍の軍医だったらしいが、だとすると、外科的処置も出来たのだろうか。
戦後、彼は国で開業した。
そこで、また奇妙な患者が来た。
ここが私の記憶が曖昧なのだが、女性だった。(若い方が先だったのか、年配の女が先だったか)
「夫を毒殺するかも知れないという不安な気持ち」
を訴えてきた。しばらくして別の女性がほとんど同じ事を相談してきた。
ソンディは何か引っかかるものを感じて、彼女達の住所やら生い立ちを調べて驚いた。
二人は母娘だったからだ。
娘も結婚して旦那が居た。母娘でも互いに相談出来ない暗い悩みだったのだ。
最も二人共夫婦仲は問題無かったらしい。
これをきっかけに、ソンディは心の奥底のモノが、遺伝性を持っているのではないかと考えるようになった。
彼女達の先祖を調べた。ヨーロッパに於いては、各地の教会に出生記録が保存されていて、かなり古い先祖まで辿る(たどる)事が出来る。
キリスト教徒なら、間違いなく洗礼しているからだ。
そして、彼女たちの何世代前かの先祖の女性が、実際に夫を毒殺していたのだ。これは衝撃だった。
過去の先祖の犯罪行為がそのまま無意識的に遺伝しているのである。
その後の彼の調査では、有名なロシアの作家、「罪と罰」「カラマゾフの兄弟」などを書いた、ドストエフスキーの先祖にも問題が有ったと解った。
ドストエフスキーの心理描写は余りにもリアルで、まるで本当に体験した者が書いたような恐ろしさやおぞましさが有ると感じたソンディは、彼の先祖達を調査した。
すると、彼の先祖に強盗殺人などをしてシベリア送りになったり、処刑された凶悪犯罪者が居たのである。
興味深い事に、それとは正反対の、教会の牧師(だったと思う。とにかく要職である。)や教師などの聖職者達も存在していたのだ。
これが子孫であるドストエフスキーの深層心理にかなり影響を与えていて、無意識の領域から吹き出てくる暴力、殺人、犯罪のエネルギーを文章に書く事によって昇華していたのである。
彼が作家で無ければ、本当の犯罪者になっていた可能性が有ったのかも知れないのだ。
聖職者達であった先祖達の遺伝的作用が、実際に犯罪を起こさないように作家として、悪い遺伝的要素を開放させたのかもしれない。
最近の医学では、ガンや糖尿病も、遺伝すると判明している。
性格的なもの、行為の積み重ね(カルマ)は、魂に、エネルギー的データとして保存されるのだと思われる。(ソンディはそういう表現はしていないが)
彼は「無意識の傾向」について色々書いているが、その中の「家族的無意識」について、祖先が欲求しながら果たされなかった未解決の欲求や、課題が、遺伝因子の中に残されて子孫に伝わっていくのだと説明している。
何度も書くが、この無意識的傾向は自分ではまず認識不能であり、無意識の領域から来るエネルギーには、対抗出来ないのである。
何でも悪い事は自分が引き寄せているとか、自分の責任とか言うが、私に言わせれば、それはイマイチ違うと考える。
無意識からくる傾向は、小学生が大きな横綱(占星術師は小錦と表現していた)に立ち向かうようなもので、まず>無理なのである。
抵抗は無意味だ。(←byボーグ・・・・スタトレ知らん人はわからんだろうな・・。)