傷に塗ればすぐ止血!新しい医療用の接着剤が開発される。ヒントはまさかのフジツボ!?

傷口に塗れば、激しい出血でもわずか15~30秒で止めてしまうという最強の医療用接着剤がアメリカ、マサチューセッツ工科大学で開発されました。

一般的に怪我や手術による傷口からの出血には「凝血剤」が使われます。

血液を固めることで出血を止めてくれる凝血剤は効くまでに数分はかかります。
出血がひどすぎる場合は使えないこともあります。

一秒を争う命の現場では数分も血が止まるのを待っていられません。

それがこの医療用接着剤なら、凝血剤が使えないようなひどい傷口でも15~30秒で出血を止められるというのです。

開発のヒントになったのは、海の岩場や船底に張りついているフジツボでした。

フジツボは2種類の液体を分泌しています。
1つは水分を弾く油分、もう1つはピッタリとくっつくためのタンパク質由来の接着剤です。

甲殻類の殻に含まれるキトサンには傷の修復を早める効果があり、傷口用の接着シートとして使用されています。

フジツボはこの「キトサン」に似た「キチン」という物質を分泌していることがわかりました。

この傷口用接着シートを凍らせてから小さな粒子に加工し、
シリコンオイルに混ぜて歯磨き粉のようなペーストタイプの接着剤を開発しました。

オイルが血液をはじいたのち、極小の粒子が互いに結びついて傷口が塞がります。

「フジツボ接着剤」はペースト状なので、不規則な形の傷口にも使え、
周囲の組織の炎症も起こさないといいます。

また、一度塗れば数週間はそこにとどまり、傷口が治った頃に自然に分解されるので、わざわざ剥がす必要もありません。

血液をサラサラにする薬を使っていても出血を止めることができ、
既存の凝血剤よりも高い効果を発揮しています。

即効性のある優れた接着力はまさに「瞬間接着剤」です。

大量出血を止められる安価な医療用接着剤を常備できれば、患者の救命率は大幅に向上するでしょう。

フジツボ接着剤は残念ながらまだ実験段階であり実用化には至っていません。

近い将来、傷口にペーストを塗って止血するのが当たり前になっているかもしれませんね。

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