都道府県魅力度ランキングに対し法的措置を検討——。群馬県の山本一太知事の発言が波紋を呼んでいる。
このランキングは民間の調査会社「ブランド総合研究所」が年1回おこなっているもので、点数が大きいほど消費者はその地域を「魅力的」と感じる人が多いことになるという。群馬県は2021年、44位(前年40位)と順位が下がった。
これに対し、山本知事は10月12日の臨時会見で「なぜ群馬県の順位が下がったのか、判然としていません。根拠の不明確なランキングによって、魅力がないと誤った認識が広がることは、県民の誇りを低下させるのみならず、経済的な損失にも繋がる由々しき問題」と懸念を示した。
その上で、「弁護士とも相談の上、法的措置も検討して参りたい」と話した。
●調査会社「困惑しております」
調査を実施している「ブランド研究所」の担当者は10月13日、取材に「困惑しております」と回答した。
「そもそも、我々は消費者調査を行い、その結果を発表しているだけであり、調査結果の発表を押さえつけようという発言であれば、それは言論の自由、報道の自由を妨害することでもあり、世の中のすべての調査結果の公表・公開を妨害するということになるのではないでしょうか。
まさか、そのような考えでの発言とは思えませんので、この発言の意図が理解できないというのが率直な意見で、困惑しております。
なお、『結果が下がった』との発言もあったとのことですが、群馬県の魅力度の結果については、点数は前年の13.4点より今年は15.3点と上昇しています。ただし、他にさらに伸びが高い県が多かったことから、相対的な順位は残念ながら下がってしまいました。したがって、『結果が下がった』ではなく、『魅力度自体は高まっているが、他にはもっと高まった県が多かった』というのが正しい結果となります」
●県は「ずさんなランキング」と批判していた
なお、群馬県は「魅力度ランキング」の検証もおこなっており、山本知事は7月15日の定例記者会見でも「社会的な影響力の大きさに鑑みれば、それに伴う社会的責任を果たしていない。これは正確性に欠けるずさんなランキングだと言わざるを得ません」と問題視していた。
第16回定例記者会見要旨(7月15日)モニター資料より(https://www.pref.gunma.jp/contents/100209970.pdf)
県の担当者は取材に「あくまで手段の一つとして検討しているということで、具体的な方向までは決まっていない」とコメントした。