2020-09-17

学校パン給食推進協議会」の主張は謎だ。

学校パン給食推進協議会設立、週2回のパン給食目指す「子供達により美味しいパンを」

https://www.ssnp.co.jp/news/rice/2018/10/2018-1022-1004-14.html

社会的食育推進により学校給食ではパン食が激減しておりパン業者にとっては厳しい状況となっている。

それを受けてパン業者が集まり学校パン給食推進協議会設立パン食推進に向けて活動を始めたのだが。

主張がこじつけな印象が否めない。記事を何度読んでも謎である

一週間のうち「米飯2回、パン2回、麺1回」が良いという根拠は何か?

この学校パン給食推進協議会は「米飯2回、パン2回、麺1回」を目指しているという。記事ではバランスの取れた給食と報じられている。

食生活実態からすると、週2回程度のパン給食が良いのではないか

しかしこれでは理由にならないだろう。

現状の調査対策必要でも、あくまでも食育なのだから現状の実態に合わせるのは話が逆だと感じる。

伝統食振興の意味もあっての食育であり、米飯2回、パン2回では却ってバランスが悪いのではないか

まして和食ユネスコ登録されているので同じレベルの話では無いと思う。

麺はともかくパンが多すぎる。

もしかして機械的に数だけを合わせたのかと思ったが、それだと麺が1回で良い理由が分からなくなる。

週一の主食が、一週目米、二週目パン、三週目麺と交代ならば、機械的に数だけを合わせたと言えるのだが。

ご飯給食推進は食育計画に含まれているがその中でどのような根拠パン食を推すのか?

ここは上記の項目に近くなるのだが。

政府による第3次食育推進基本計画では米飯給食伝統食保護が触れられているが、その中でパン食を強調するのはやはり苦しいと感じる。

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9929094/www8.cao.go.jp/syokuiku/about/plan/pdf/3kihonkeikaku.pdf

また、引き続き米飯給食を着実に実施するとともに、児童

生徒が多様な食に触れる機会にも配慮する。地場産物国産食材活用及び我が国

伝統的な食文化についての理解を深める給食の普及・定着等の取組を推進する。

このため、「和食日本人伝統的な食文化」が、「自然尊重」という日本人の精

神を体現した食に関する社会的慣習としてユネスコ無形文化遺産登録平成 25 年

12 月)されたことも踏まえ、食育活動を通じて、郷土料理伝統食材、食事作法等、

伝統的な食文化に関する国民の関心と理解を深めるなどにより伝統的な食文化の保

護・継承を推進する。

そもそも食育基本法にこのように書かれているのである

伝統的な食文化環境調和した生産等への配意及び農山漁村活性化食料自給率の向上への貢献)

七条 食育は、我が国伝統のある優れた食文化地域特性を生かした食生活環境調和のとれた食料の生産とその消費等に配意し、我が国の食料の需要及び供給の状況についての国民理解を深めるとともに、食料の生産者と消費者との交流等を図ることにより、農山漁村活性化我が国食料自給率の向上に資するよう、推進されなければならない。

この辺りを読んでもご飯給食パン給食の回数が同じというのは却ってバランスが悪いという懸念を抱かせる。

ここが解決できない限りは学校パン給食推進協議会の主張は通らないだろうし、通すべきではないだろうし、市民の賛成を得る事も厳しいのではないだろうか?実際市民がどうみるかはアンケートを取らないと分からないが。

しかし、あちこちコミュニティコメントを見ていると、市民のうち多数はご飯推進に賛成であり、パン激減を良しとしているように感じる。

仮に上記法律文が無かったとしても現状パンを増やす根拠にはならないのではないか

まして和食ユネスコ文化遺産登録されているので事情が違うのではないか

学校パン給食推進協議会の主張に理屈が通っているとは考えにくく賛成しがたい。

戦後パン給食バランスが悪かったとは考えないのか?そうならばダブルスタンダードでは?

振り返ってみると、戦後パンによる学校給食が始まりパン食の普及にも大きな寄与をしてきた。

これだけだと判断が出来ないのだが、戦後パン食ばかり学校給食の状況を「あの時もバランスが悪かったのは事実だが」と考えて【いない】のならば(これは仮定の話。このニュースだけで断定する事は出来ない)、ダブルスタンダードに感じる。

矛盾を感じる。

パン食の普及に大きな寄与というが、食育食生活実態考慮すべきという話ではなかったのだろうか。

外部での食生活実態にあっていないパン殆どなし給食現代)は悪くて、外部での食生活実態にあっていなかったパン食ばかり給食(昔)は良いのか?給食が「パン食の普及にも大きな寄与をし」たというのは、当時のパン給食が外部での食生活実態に合っていなかったから影響力を持ったわけだ。

当時、家庭での食生活実態に合わせていたら(アメリカの事などもあって、現実ではそうはいかなかったのだろうが)、給食パンは出なかったはずだし、パン食普及に大きな寄与なんて歴史は無かったはずである

これが学校給食学校外の食事寄与という話ならば、「現在和食中心給食和食の振興に大きな寄与をするのでオーケー学校給食パンを増やす必要は一切無し」で良いはずであるしかしこの団体はそのようには主張していない。

結局食生活実態論は建前であってパン業者仕事が増えたら教育現場のことはどうでも良いの?、良い悪いの評価パン業者だけの都合次第なのか?と思う。

学校パン給食推進協議会の方からは「当時のパン給食食育食生活実態観点から言えば悪かったのは事実だ」というセリフが聞きたい。

当時パンばかりだったからという割合の話では無い、この団体使用する生活実態論で行けばそもそも当時はパン給食日常的に(例え週1回程度の割合であっても)出ていた事自体が【おかしかった】のではないだろうか?

それをパン食の普及にも大きな寄与と良い事のように言っているのには矛盾を感じるし、結果論としてはその部分に限定して良かったと評価できても、学校パン歴史時代の変遷とともに終わったと言って良いのではないだろうか。

学校パン給食推進協議会が主張するようにパンがこれほどまでに国民の間に浸透したのならば、学校給食で増やす必要性はどこにあるのか?

感覚パン国民食として根付いていることを感じる、パン日本人にとってなじみ深い食品になったと主張している。

かに家庭のパンへの支出金は増えているのは事実。ならば何故そこまでしてパンを増やさなければいけないのかが不明だ。

単にパン会社救済という側面が強いのではないかパン会社以外になにかメリットがあるのだろうか??

学校教育現場の事よりもパン製造企業金銭事情を優先する事は出来ないと感じる。

私などはいじわるなので、どうせパン会社を救済するならば学校パン給食推進協議会に加盟していない方のパン会社を救済したくなる。行政政府関係者じゃないから何もできないけど。

ただし評価するべき面として下記はある。

給食パンの質を変えて子どもたちに美味しいパンを食べさせようとしている点は評価できる。

これはパン食の推進とは別の話であり、もちろん、パンからとかご飯からとかそういう話抜きにして、子どもたちにどうせ食べてもらうならば美味しいものが良いに決まっている。

学校パン給食推進協議会にとってここの優先順位がどうであれ、目的であれ手段であれ、良い面ではあると思う。

食料自給率問題に触れられている点は評価できる。

国産小麦で美味しいパンができるという事と、米粉パンという方法もあると、食料自給率問題について触れられている。

これは良い部分である

まとめとしてこの学校パン給食推進協議会に感じた事。

実際、会員企業製造するパンはおいしいのだろうとは思うが、それはご飯勢も同じだし、大体それとこれは別問題

記事を読めば読むほど、食育はどうあるべきかという立派な問いはここには無く、教育食育現場 対 営利企業営業活動という単純な図式にしか見えなくなってくる。ここに私は強い危機感を感じる。

団体としてはポジショントークをせざるを得ない問題もあるんだろう。そこも考慮すべきであり、単純に悪くだけ言うべき話でも無い。

話が変わるが

【余談】政府的には外国食文化に触れる事は必須とまでは見なしていない様子。

https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000205592

パブリックコメント

② 食文化継承に向けた食育の推進について、外国食文化に触れる機会が大切。

回答

② 和食文化継承のために、多様な食文化に触れることは一つの手法であり、頂いた御意見については、今

計画検討する上で参考とさせていただきます

まり外国食文化に触れる機会が大切だとは見なされていない、

あくま和食文化継承のため一つの手法であるレベルの話。

ただしパン国民食として根付いているという団体の主張だったので、実際にはこの団体に関わる議論としては関係してこない。あくまでも参考として紹介する。

外国食文化に触れる機会が大切という論であれば、日本人の口にあったパンの数は減るが、学校給食パン業者日本人普段食べないような外国の本場の味を作る事が出来るのだろうか。

そしてそもそも米飯・麺・パン以外の主食も増える事になる。

【余談】他にも記事はあるが疑問を解消するような記載は今のところ見つかっていない。

https://www.ssnp.co.jp/news/rice/2018/05/2018-0528-1821-14.html

、「自民党食育の話になると、10人集まっても米一色になってしまう。『とにかくお米にしよう』と、それでは間違っている部分もある。キチンとした理屈理解を求めていきたい」とした。

とにかくお米というのが具体的にどこがどう間違っているのか、キチンとした理屈というのが何なのかどの記事を読んでも分からない。

【参考】レントシーキングとは(引用)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0#:~:text=%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%88%E8%8B%B1%3A%20rent,%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%82%92%E6%8C%87%E3%81%99%E3%80%82

レントシーキング(英: rent seeking)とは、民間企業などが政府官僚組織へ働きかけを行い、法制度や政治政策の変更を行うことで、自らに都合よく規制を設定したり、または都合よく規制の緩和をさせるなどして、超過利潤(レント)を得るための活動を指す[1][要ページ番号]。またこれらの活動を行う人をレントシーカーやロビイストなどと呼ぶ。

これによる支出生産とは結びつかないため、社会的には資源の浪費とみなされる。

民間企業などが政府へ働きかけて自らに都合よく・・・というところはこの件では当てはまっている可能性が高いと思う。

ところが超過利潤ではないな?その面では当てはまっていない。

社会的利益に結び付いていない点については、その通りの可能性が高いと思う。

この匿名ダイアリー記事は何度も手直しをしている。

評価点も探しながら、バランスを欠いた視点にならないように学校パン給食推進協議会について書きたかったし、そう書いていたつもりだったが、

ここまで否定的記事になるとは自分でも思っていなかった。この団体発言を見る程、パン給食否定的な想いが強くなっていった。

パン企業営業活動以外にパン給食メリットがどこにあるのか、そこをこの団体がはっきりさせてくれないと、高評価するのは難しい。

とにかく、米飯給食を守ったうえで、パン業者仕事も守る、win-win的なアイデアが登場する事を願っている。

例えばパン業者和菓子とかそういう方面への参入は検討されないのだろうか?

社会学校給食時代に合った最新のやり方に変化するべきだ、企業も変化についていけないと大変だろう。

  • https://www.jacom.or.jp/column/2018/10/181002-36272.php こっちのコラムでパン給食推進協議会について書かれていた。 やっぱり社会的な正当性はあまりないっぽい。会員社のための活動でしかないっ...

  • リンク https://anond.hatelabo.jp/20200806000103

  • リンク https://anond.hatelabo.jp/20200917191944

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