平成26年7月1日
市民福祉部次長兼市民窓口課長 小島 輝雄
今回は、戸籍制度について、お話します。
戸籍とは、日本人の身分関係を登録した公の台帳(公正証書)です。一方、住民票は、市区町村において住民の居住関係の公証、選挙人名簿の登録その他住民に関する事務処理の基礎となるものです。
戸籍は、夫婦・親子の関係を容易に把握することができ、個人ごとに、出生に始まり死亡に至るその者の一生の身分行為を把握することができます。
あまり知られていないと思いますが、戸籍制度は、その制度の仕組み、またその実質的な内容、すなわち正確性におきましてもその目的を果たすに世界一すばらしいものと言われています。
例えば、イギリスでは、出生の届出をすると、その者の出生登録がなされて出生登録簿に綴られます。その者が婚姻すれば、その婚姻登録がなされて、婚姻証書が婚姻登録簿として綴られます。しかし、生まれた者がその後婚姻したかどうかということは、直接何ら関連つけられないからわかりません。そして人が死亡すれば死亡登録がなされますけれども、それはまた死亡登録簿に綴られて別個に保管されていくだけです。したがって、出生登録を見てもその者がその後婚姻したかどうかはわからないし、生存しているのかどうかもわかりません。このような個別登録主義が欧米の主流となっています。
それに対して、現在の日本の戸籍制度がとっています家族簿主義というものがいかにすぐれた制度であるかということがおわかりいただけようかと思います。しかも、その記載方法におきまして、入籍や除籍相互の戸籍を表示しておくこととしました。これは簡単のようで非常に大きな意味を持っていまして、戸籍相互の検索機能を有し、電車の線路のように繋がって身分関係の有無・内容を正確に把握できるシステムになっています。
したがって、本籍地市区町村に、戸籍謄本、除籍謄本を申請することにより先祖を辿ることができる訳です。(家系図を作成できます。)
戸籍の歴史は、(1)明治5年式戸籍(一般的には「壬申戸籍」と呼ばれ、昭和43年頃法務局に移管したため証明発行不可)から始まり、(2)明治19式戸籍、(3)明治31年式戸籍、(4)大正4年式戸籍、(5)現行戸籍、(6)コンピュータ化戸籍と続き、その間に旧様式を新様式に改製したものは改製原戸籍となっています。
東海市は、明治19年除籍簿から現在に至るまでの戸籍を保管していますので、人によって異なりますが、曾々祖父ぐらいまで遡ることができます。但し、旧横須賀町に本籍があった方は、昭和29年に旧横須賀町役場が火災にあったために一部の除籍簿が焼失していますので、遡れない場合があります。
明治初期までのルーツを辿ることができますので、一度、市民窓口課窓口へ戸籍等交付申請書に「先祖を遡りある限りの戸籍がほしい」とご記入のうえ申請してみてはどうでしょうか。なお、手数料が、戸籍謄本1通450円、除籍謄本(改製原戸籍)1通750円ですので、5,000円程度かかります。
最後に、郵送でも戸籍申請できますので、市のホームページをご覧ください。また、東海市に本籍がない方は、本市のホームページを参考に本籍地市区町村へ郵送申請してください。
市ホームページ → くらし → くらしの手続・届出 → 証明書の交付 → 郵送での各種証明書の交付証明書の請求・交付手続き → 戸籍等交付申請書
<コンピュータ戸籍>
<現行戸籍>
<明治19年式除籍>