今回はちょい高ウイスキーの第2弾、サントリーのスペシャルリザーブを飲みます。

きっかけは大阪万博

_DSC3987_01スペシャルリザーブは1969年に発売されました。

1961年に創業者の鳥井信治郎から経営を引き継いだ、次男の佐治敬三(小学生の時に佐治家の養子になったものの、実兄が1940年に亡くなり、実質の後継者になった)は、社名を壽屋からサントリーに改称し、ビール事業への再参入を画策しつつもウイスキー部門も拡大を進めていきました。

その中で、日本で初めてとなる万国博覧会が1970年にサントリーの地元である大阪で開催されることが決まり、オールドやローヤルと言った日本人向けのウイスキーとは別に、「海外から来たお客さんが見ても、見劣りのしないウイスキーを」作ろうと開発を進めたのが、スペシャルリザーブでした。

その後、1980年に建設した白州東蒸溜所(現:白州蒸溜所。1973年に建設した白州西蒸溜所とは隣り合う敷地に作られた)のモルトを主体としたブレンドに1980年代後半からスイッチしました。

この頃より、リザーブは20~30代にターゲットを絞ったような広告展開を始めました。ミッキー・ローク、本木雅弘、佐藤浩市、木村拓哉をリザーブのイメージキャラクターに据えました。



1990年代以降には、ウイスキーの販売が落ち込んだことを逆手に取るように、10年もの、12年ものへとモデルチェンジを行いましたが、2008年の角ハイボールブームで急速に需要が増えたことを機に、再びノンエイジに戻しています。

現在も、山崎のモルトがメインになるオールド、ローヤルとは異なり、白州モルトの香りや味わいが前に出たブレンドになっています。

白州モルトのフルーティさを堪能できる

ストレート

先にシナモンの甘い香りが広がり、続いてナシ、ラムレーズン、リンゴ、バニラの香りがやってきます。
味わいは、アルコールからの辛みが少なめで、フルーツの酸味と甘さが舌全体を覆います。

ロック

シナモンの香りが一気に広がり、軽いピートを感じつつ、ブドウ、リンゴ、なしの香りが続きます。バニラや樽香も残り香として得られます。
味わいは、苦みが先行した後、酸味が続き、後味に甘みが加わります。

水割り

シナモン、ナシ、ブドウの香りが広がり、奥からはウッディさも感じられます。
味わいはフルーツのような苦み、酸味が得られ、後味に甘さも加わります。

ハイボール

水割りよりもブドウやリンゴの香りが目立つようになり、シナモンの香りが後から来るようになります。
味わいは、ほろ苦さが先にやってきて、酸味や甘みが控えめに感じられます。

まとめ

全体的に、シングルモルト白州から得られる白州モルトらしさがリザーブでも感じられ、シングルモルト白州が入手困難で、廉価版の白州主体のブレンデッドだった白角が販売終了してしまった状況において、スペシャルリザーブが白州モルトを比較的簡単に堪能できるボトルになっていると言えます。

ストレートでも楽しめるほどアルコール感が少なくて比較的飲みやすいまろやかさがありますが、ロックの方が香りや味わいの広がり方がいいように思えます。

元々サントリーは日本人向けのウイスキー作りを主体としているため、ストレートではいまいちでも加水によっておいしくなる傾向があると言えます。

今回、たまたま水割り用としてサントリーの天然水 南アルプスを使ったのですが、南アルプスの天然水の工場も白州蒸溜所から程近くにあり、白州モルトのもろみを造る際の仕込み水にも同じ水が使われていることもあり、相性の良さを感じました。勿論気のせいだと思います。
  • メーカー:サントリー
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:シナモンの香りが先立ち、ブドウ、ナシ、リンゴ、バニラと続く。
  • 味わい:フルーツの柔らかい酸味の後、甘さへと繋がる。
  • ストレート B: アルコールの刺激が少なく、飲むにもつらくはない。
  • ロック A: ピートが感じられ、スモーキーさも加わる。少し苦みがプラスされる。
  • 水割り B: 香りが衰えず、フルーティな水割りが楽しめる。
  • ハイボール B: サッパリした印象は少なめ。香りを楽しむハイボールになる。