塔ノ岳山頂から富士山を望む。快晴の塔ノ岳は初めてで、展望の良さを実感しました
丹沢山~蛭ヶ岳からの眺め。丹沢山塊の大きさ、立派さを体感できる縦走路です。
<日にち>
2017年2月12日(日)
<天気>
快晴のち曇り
<コース>
小田急渋沢駅⇒(タクシー)⇒大倉(3:55)⇒花立山荘(6:35-6:55)⇒塔ノ岳(7:35-8:05)⇒丹沢山(9:15-9:40)⇒不動ノ峰(10:30)⇒鬼ヶ岩(11:00)⇒蛭ヶ岳(11:40-12:40)⇒姫次(14:00)⇒八丁坂ノ頭分岐(14:20)⇒東野(16:10)⇒(バス)⇒三ヶ木⇒(バス)⇒橋本駅(JR・京王)
12時間15分(休憩:2時間30分)
<その他>
・今回は日帰りで丹沢を縦走しましたが、みやま山荘(丹沢山)か蛭ヶ岳山荘(蛭ヶ岳)に泊まって、2日で歩くのが一般的です。
・東野バス停⇒三ヶ木のバス(神奈川中央交通)は平日7本、土日はたったの2本と少ないので、時刻表は要チェック。平日は17:35発、土日は16:20発が最終です。(2017年2月26日時点)
丹沢は冬でもよく登られる山域の一つ。むしろ、雪景色を見たいために、雪が降った翌日が晴れると登りに来る人もいるくらいです。丹沢は常に積雪があるわけではなく、雪が降っても日が経つと溶けてしまいます。そのため、雪の丹沢を見るためには、タイミングが重要です。今回、2~3日前に雪が降り、週末の日曜日は快晴の予報。これはチャンスと思い、丹沢に行くことに決めました。
最初は塔ノ岳と鍋割山に行こうと思ってましたが、思いきって丹沢を縦走することにしました。つまり、大倉から登り、塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳に登頂し、道志方面へ下山するコースです。普通は2日で縦走するコースですが、今回は日帰りにチャレンジ!
前日、小田急線で最終列車の急行小田原行き(新宿発23:35)に乗車し、0:47に渋沢駅で下車。駅近くのデニーズで時間をつぶしました。
3時過ぎに渋沢駅に戻り、タクシーに乗車。渋沢駅から大倉まで路線バスがありますが、この時間は当然無いので、タクシーで移動します。タクシーの運転手から聞いたのですが、この時期は鍋割山で鍋焼きうどんを食べるために、県民の森まで利用する人が結構いるそうです。大倉から県民の森まで長い林道を歩く必要があり、変化がない道なので、タクシーを使いたいという需要があるのでしょう。
タクシーは大倉から少し先に行ったところで降ろしてもらいました。丹沢クリステルがあるところで、そこまではタクシーで行くことができます。料金は2,300円くらいだったと思います(うろ覚えですみません。深夜料金が加算されています)。準備をして3:50に出発。
丹沢クリステル
まずは大倉尾根を登り、塔ノ岳へ向かいます。大倉尾根は「バカ尾根」と呼ばれるくらい、延々と登りが続きますが、登山道がよく整備されていて、危険個所もないので、夜間でも難しくありません。ただし、この時期は所々、凍結しているところがあるため、チェーンスパイクを用意しておくとよいでしょう。
駒止茶屋、堀山の家を順調に通過。
花立山荘手前の階段で明るくなってきた。こんなに早い時間だと登山道も貸切かと思ってましたが、5人くらい登山者に追い抜かれました。さすが首都圏から近い百名山だけあります。
【6:35】花立山荘で日の出を迎えました。ここで少し休憩。
花立山荘まで登れば展望がよくなり、相模湾が一望できるように。日の出も綺麗!暗い中、がんばって登った甲斐がありました。
富士山も見えます。写真左側の山は愛鷹山。二百名山に選ばれています。
花立山荘から少し登れば、最初の目的地である塔ノ岳(写真右上)が見えてきます。
塔ノ岳と鍋割山の分岐点である金冷し(↓)。「きんひやし」と読みます。この分岐点手前が狭い稜線となっていますので、雪が多いときは注意が必要です。
金冷しを過ぎれば、塔ノ岳まであと少し。相模湾方面の展望が実に圧巻で、この日はなんと大島(写真中央)も見えました。
【7:35】塔ノ岳(1,491m)に到着。冬も賑わう場所ですが、この時間はとても静かで、雲一つない青空に開放感ある山頂。最高の気分です!
塔ノ岳は今まで4回登ったことがありますが、4回とも富士山が見えなかったんですw
今回初めての「塔ノ岳から富士山を一望」です。
この日の丹沢山塊は、まるで白い粉砂糖をまぶしたかのよう。シロヤシオで有名な檜洞丸、キクサギイチゲなど春の花が咲く大室山を一望。遠くには南アルプスの白峰三山、八ヶ岳も。
この後登る棚沢ノ頭、鬼ヶ岩ノ頭、蛭ヶ岳(↓)。
大山・表尾根方面(↓)。表尾根は11月にヤビツ峠から歩いたことがありますが、全体的に展望が良く、歩きごたえのあるコースです。
展望を満喫した後は、尊仏山荘で少し休憩。少しでも体を温めようと、朝からカップラーメンを食べましたw
山頂はまだ日が昇ったばかりでかなり寒く、外の気温は-10℃くらい。丹沢でこの気温はちょっときついです。
休憩後、次の目的地である丹沢山へ。塔ノ岳から先はいったん下って、丹沢山へ向けて登り返しがあります。この辺りから雪が多くなりました。
【9:15】丹沢山(1,567.0m)に到着。ここからも富士山を一望できます。
みやま山荘(↓)。丹沢主脈縦走をする場合、ここの山荘か蛭ヶ岳山荘に泊まるのが一般的です。みやま山荘は施設の綺麗さ、食事で焼肉(!)が出ることで有名な山小屋で、いつか泊まってみたいと思っています。
丹沢山山頂は樹木に囲まれているところが多く、展望は塔ノ岳のほうが良いです。積雪もだいぶ多くなって、シュカブラが見られました。
丹沢山でも休憩をとったら、いよいよ蛭ヶ岳へ。丹沢山からの下りはやや急ですので、チェーンスパイクでは危ないかも。アイゼンの用意を。
ここからの稜線は周囲に遮るものが少なく、丹沢の山々を眺めながら歩くことができます。首都圏から近く登山者が多い丹沢ですが、やはり大山・塔ノ岳・鍋割山に集中していて、同じ丹沢でもここまで来ると登山者もずいぶん少なくなります。
稜線から塔ノ岳方面(↓)。写真左上のピラミッド型が塔ノ岳です。
いったん鞍部まで下ったら、不動ノ峰まで登り返し。トレースはしっかりあるので歩きやすかったです。塔ノ岳~蛭ヶ岳の縦走路は、降雪直後でない限り、トレースは期待できると思います。
不動ノ峰の休憩所(↓)。不動ノ峰周辺はやや狭い道ですので、休憩するならここで。
【10:30】不動ノ峰を通過。ここも展望が良かった!塔ノ岳、丹沢山、大山を一望でき、先ほど歩いてきた塔ノ岳~丹沢山の稜線もよく見えました。
そして反対側には富士山と丹沢山塊が。首都圏周辺でこんな気持ち良い縦走路はなかなか無いと思う。4月~5月の新緑に染まる丹沢山塊もどんな感じか気になります。
稜線の先に見える蛭ヶ岳(写真右上)。だいぶ近づいてきました。ここまで長かった~
不動ノ峰から少し歩くと棚沢ノ頭です(↓)。ユーシン渓谷方面の分岐点でもありますが、トレースは1人分のみ。丹沢でもマイナーな登山道はトレースが残っていないこともあります。
【11:00】鬼ヶ岩を通過。2つの巨大な岩が特徴的です。蛭ヶ岳が目の前に見え、蛭ヶ岳山荘もはっきり見えるように。
鬼ヶ岩からの下りが丹沢縦走の核心部。高度感ある岩場&鎖の下りです。でも思ったよりも足場はしっかりしていて難しくなく、念のため持っていたピッケルを使わなくても大丈夫でした。ただし、積雪量によっては鎖が埋まって使えなくなると思いますので、そこは注意したいほうが良いかも。
下りから振り返って撮影
鬼ヶ岩の下りが終われば、あとは蛭ヶ岳まで整備された道を登るだけ。しかし、登山開始から7時間経過しているので、疲れもたまっていてつらかった。丹沢三峰・宮ヶ瀬湖方面を眺めながら、1歩ずつ着実に登っていけば・・
【11:40】蛭ヶ岳(1,672.6m)にやっと到着!丹沢最高峰であると同時に、神奈川県の最高峰でもあります。ここまでホント遠かったけど、無事登頂できて感無量です。
蛭ヶ岳山頂。バックに富士山と愛鷹山
西丹沢の主峰、大室山(↓)。大室山周辺は、春になるとキクサギイチゲやコイワザクラなどが咲くそうで、1度登ってみたい山です。
山頂のすぐ近くに位置する蛭ヶ岳山荘(↓)。
お昼はいつもカップラーメンですが、今回はホットサンド。ハムやチーズ、ハンバーグを挟んでいただきました。とてもおいしかったけど、正直、冬の山頂は寒いので、手っ取り早く食べられるカップラーメンのほうが良かったかもw
【12:40】道志方面へ下山開始。トレースのある道をひたすら下ります。
と思ったら、地蔵平~姫次は登り返しがありました。疲労がたまった状態での登り返しはとてもつらかった(泣)。天気もいつの間にか曇りに。さっきまでの快晴はどこ行った~
【14:00】姫次を通過。この周辺はカラマツ林となっていて、新緑・紅葉シーズンは雰囲気良さそうです。そして姫次から数分歩くと、東海自然歩道の最高地点です。東海自然歩道は東京から奈良を結び、全長はなんと1,697.2kmとのこと。
東海自然歩道:http://www.tokai-walk.jp/
八丁坂ノ頭の分岐点から東野バス停(青根)へ下りました。東野バス停ですが、土日は本数がたったの2本しかなく、16:20発の三ヶ木行きが最終。乗り遅れたらタクシーを呼ぶしかありません。
のんびりしているとバスに間に合わないかもと思い、八丁坂ノ頭の分岐点からは早足で下りました。登りは体力的につらそうですが、下りは危険個所は無いのでサクサク歩けます。大倉尾根は南側の登山道なので雪が少なかったですが、この道は北側でしっかり積雪していて、結局登山口まで雪が途切れることはありませんでした。
登山口まで下りたら、あとは林道を50分ほど歩けば東野バス停に着きます。
【16:10】東野バス停に到着!16:20発のバスに何とか間に合いました。
この本数の少なさ(泣)。平日なら17:35発が最終なので、もう少し余裕があります。
三ヶ木行きのバスは5分ほど遅れてやってきて、それに乗車。三ヶ木で橋本駅(JR・京王)行きに乗り換えて、無事帰ることができました。
今回、日帰りの丹沢縦走でしたが、歩行時間は休憩入れて12時間超。こんなに歩いたのは久しぶりで、やはり日帰りで丹沢縦走するのはきつかった。それでも、快晴に恵まれ、丹沢の雪山登山をとても楽しめたと思う。特に丹沢山~蛭ヶ岳は、展望がすばらしく、丹沢山塊の大きさや立派さを体感できる縦走路としてオススメです。
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