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鬼を殺せる強さがありながらも極めて可憐で美しく、気品ある佇まいを感じさせてくれる令和の「鬼殺し」(2021年10月|佐藤酒造店)

今月のお酒は「ふじや彦十郎

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さん(@SiganaiKaeru)が、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!

2021年10月号は、会津郡山市の佐藤酒造店さんからお届けするふじや彦十郎です。

【連載第38回目】

秋も深まり、衣替えも10月1日は、日本酒の日。

この日を過ぎればいよいよ、収穫された新米を使って、多くの酒蔵が新酒の仕込みに入ります。どうか今季も美味しいお酒が出来ますように!

さて、今月fukunomoから届いたお酒は、郡山の佐藤酒造店から「ふじや彦十郎」。fukunomoへの登場は、実に3年ぶりとなる待望の1本です。

佐藤酒造店は宝永7年(1710年)に創業した、酒造りの老舗。代表銘柄である「藤乃井」は、酒造の敷地に美しい藤の花が咲いていたのを二本松藩主であった丹羽(にわ)公が見かけ、名付けたことが由来とのこと。

小規模の造り酒屋ながらも地域で長年愛され続けてきた「藤乃井」は、かつてそのほとんどが普通酒を主体とした酒造りでした。しかし5年程前から設備を一新し、さらに腕利きの杜氏も迎え、それまでの普通酒を主体とした酒造りから吟醸や純米大吟醸を主体とした酒造りへの切り替えを行っています。

近年ジワジワと人気が出始めている酒蔵ですが、生産量が限られてしまうため同じ福島県内であっても、この酒蔵のお酒を飲んだことがある人は未だ少数派かも知れません。かなり珍しいお酒の部類に入ります。

こんなお酒がお手元に届いてしまうfukunomo、毎回ながらさすがです。今月も早速、飲んでいきましょう!

■今月の美酒

ふじや彦十郎<福島県郡山市|佐藤酒造店>

以前飲んだときにも感じましたが、このお酒は精米歩合55%とは思えない驚くほど強い吟醸香が特徴的。その甘く優しい香りはメロンや梨、林檎にも似ていながら、それら単独の香りよりもずっと穏やかに調和され、柔らかい。まるで、小さく可憐な野の花一輪一輪を丁寧に拾い集めて束ねたブーケと、その花に魅せられた胡蝶を愛でるかのような陶酔。

どことなく幻想的な艶やかさと甘く優しい香りが特徴的なこの酒の印象は、その名とラベルに誂えてある「藤の花」のイメージにも通じるかも知れません。

ただ、この酒は決して香りの良さ、可憐さだけでは終わらせない。重ねて魅力的なのは、敢えて精米歩合を抑えたからこそ感じる、ふくよかな旨味と芯の強さ。これは福島の酒が得意とする「マイナス要素になりがちな雑味を切り捨てず、むしろプラスの旨味へと変えてしまう」技の真骨頂。これぞfukunomoの醍醐味です。一口目から後味まで飲み飽きさせない絶妙なバランスも含めて、日本酒としての極めて高い完成度をヒシヒシと感じさせてくれます。

かつて日本酒は、特に「辛口」銘柄を中心にしばしば「鬼殺し」などと呼ばれてきましたが、令和の「鬼殺し」は、鬼を殺せる強さがありながらも極めて可憐で美しく、気品ある佇まいを感じさせてくれるものです。実に素晴らしい酒ですね。

今月のマリアージュ/ペアリングセットは


会津大葉みそ漬油揚

それでは今回も、おつまみとのペアリングを楽しんでまいりましょう!最初のおつまみは、会津天宝さんから会津大葉みそ漬油揚。実はこれ、平成17年度優良ふるさと食品中央コンクールの新技術開発部門で「農林水産大臣賞」を受賞した油揚げです。

新技術「大判浮かし上げ製法」によって、フライパンで焼くだけで簡単に「囲炉裏の炭火で芯まで焼いた厚揚げ田楽」に近い味わいが家庭で再現できるようにした優れモノ。味噌と大葉の風味が美味しい一品です。

囲炉裏を囲んでツマミを炙りながら飲む酒は、なんとも言えない格別さ。それをご家庭で体感させてくれるような、大葉の特徴的な香りがお酒の吟醸香と味噌の旨味が酒のふくよかさ。これらがそれぞれに絡み合って、実に好相性なペアリングです。

プリッと寝かせ揚げ。
ふきのとうみそ

続いては、いわきの老舗水産会社である「おのざき」さんから、「プリッと寝かせ揚げ。」。そのまま食べても美味しい逸品ですが、今回はこれを小松菜と一緒に炒めて、「ふきのとうみそ」で味付けしてみました。

この「プリッと寝かせ揚げ。」は、とにかく口当たりがなめらかでシルキー。何より、魚肉と玉ねぎが織りなす柔らかな甘さと旨味がクセになります。これを小松菜と一緒に炒めることでシャキシャキの食感も加わり、ふきのとう味噌のほろ苦さがアクセントとして効果的に響きます。

仕上げに、これまた綺麗な彦十郎の吟醸香と、ふくよかな旨味。

さまざまな風味が同時に絡み合いながらも、一貫して優しさと透明感を感じさせる上品なペアリングに仕上がります。これは一見地味に見えて、実は料亭や気の利いた小料理屋で食べるような滋味な味わい。クセになります

ごぼうの蒲焼き

さらに今度は、平田村から「ごぼうの蒲焼き」。蒲焼き?ゴボウをか??などと侮ることなかれ。口にしてみると、甘辛いタレと味醂(みりん)が絡んだ食べ応えあるジューシーなゴボウの旨味にびっくりすること請け合い。ゴボウ由来の僅かな苦味も、ペアリングに奥行を演出してくれます。きんぴらごぼうを、より食べやすくしたような感じ? しかし、実際に食べてみるとそれだけでは済まされない旨さ。子どもでも美味しく食べられて、手が止まりません。

こういう強めの味わいのおつまみとも、今回のお酒は好相性。何しろ、日本酒の原料はお米です。

「香り高い炊き立て新米のような上品な旨味の上に、甘辛タレのジュワっとした蒲焼を重ねて…」と言っただけで、どれだけ美味しいか想像できちゃいますよね?

実際、我慢しないとこのペアリングだけでも、お酒は半分以上開けちゃいますよ?

ぱりっこ生姜

小田原屋さんの「ぱりっこ生姜」一口食べた瞬間から、一際強い生姜の風味が鼻に抜けていきます。これは少しお酒が入った身体に、とても心地良い。

しかも醤油で味付けされているので、お酒との相性もさらに抜群に!爽やかな風味がお酒のまろやかな旨味に溶け込むことで味変の効果を発揮し、ただの箸休めに留まらない絶妙なペアリングとして、お酒の別の表情を引き出してくれます。

このペアリングは特に、今回のお酒のように「香り高く爽やか、しかし円熟味がある旨味、穏やかですっきりした後味」という設計に非常に上手くマッチしますね。さすがfukunomoさん、良く考えて設計されています。

今回のfukunomoは、「藤の花での鬼殺し」とも言うべき、ふじや彦十郎の魅力を堪能できるペアリングセットでした。公にはほとんど知られていない、知る人ぞ知るこの「酒柱」の実力、fukunomoのユーザーだけがほぼ独占的に堪能できる贅沢でもあります。

最近は、アニメ「鬼滅の刃」の新作が話題になっていますが、藤の花の気配漂う「ふじや彦十郎」を合わせたfukunomoセットを用意して鑑賞すれば、より楽しめるかも知れません。

今回のfukunomoも、大変美味しゅうございました。ご馳走さまでした!(*´▽`*)ノシ

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