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3つの壁を乗り越えよう 多文化共生社会の実現を目指して

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静岡県菊川市

多文化共生とは、「国籍や民族の異なる人々が、互いを認め合いながら共に生きていくこと」を指します。市では多文化共生社会を実現させるために、平成29年度に第3次菊川市多文化共生推進行動指針を策定し、さまざまな事業を進めています。ここでは、本年度から新たに始めた取り組みやより一層力を入れていく取り組みについて紹介します。

◆外国人が直面する3つの壁
菊川市では、総人口の7・6%(3699人)の外国人住民が生活しています。(表1)
国籍別では、ブラジルとフィリピン国籍の人がおよそ8割を占めています。全体で、30カ国以上の外国人住民が市内で生活していて、今後も多国籍化が進むと考えられています。(表2)
このように市内には、多くの外国人住民が暮らしていますが、生活する中で3つの壁「ことばの壁」「制度の壁」「こころの壁」に直面すると言われています。
・ことばの壁…日本語能力が不十分な場合、情報が正確に伝わらず、誤解が生じること
・制度の壁…制度を知らなかったり、理解していなかったりなどして、必要なサービスを受けられないこと
・こころの壁…国籍や文化などの違いから日本人と外国人住民双方が積極的な関わりを避けること

◆多文化共生社会の実現に向けて
外国人住民の皆さんが、市内で生活するうえで感じる壁を少しでも取り除くことができるよう、市では第3次菊川市多文化共生推進行動指針に基づき、さまざまな取り組みを進めています。
平成30年から、外国人住民が地域で暮らしやすいように支援するボランティア「多文化共生サポーター制度」を設け、現在19人が登録しています。また、外国人住民に日常生活に必要な日本語を教えることができる人材を育成する「日本語ボランティア養成講座」も毎年開催し、延べ60人が受講しました。

(表1)菊川市の外国人住民人口の動き

(表2)菊川市の外国人住民の状況

◆外国人向け支援事業
〇外国人相談窓口の開設
外国人住民に対する多言語での情報提供や、生活上の相談に多言語で対応し、適切な関係機関への取次ぎなどを行うための窓口を、令和2年3月から「プラザきくる」2階の地域支援課に開設しました。
窓口には、平日の午前8時15分から午後5時まで、ポルトガル語、スペイン語、英語で対応できる相談員を配置しているほか、13カ国語に対応できる多言語映像通訳や74言語対応の翻訳機器を活用し、相談対応を行っています。

〇フェイスブックページによる情報発信
市内に暮らす外国人住民の皆さんに、市からの情報や、生活に必要な情報を発信する、外国人相談窓口フェイスブックページ「Kikugawa-info」を、令和2年5月に開設しました。ポルトガル語、英語、やさしい日本語で随時情報発信しています。

◆多文化共生出前行政講座
市では多文化共生への理解促進を目的とした出前行政講座を開催しています。地域の会合や団体の勉強会などにぜひ利用ください。

〇多文化共生社会に向けて
市が行っている多文化共生事業についての説明と他市の先進事例などを紹介します。
〇やさしい日本語講座
やさしい日本語とは、外国人だけでなく、子どもや高齢者にもわかりやすい日本語のことです。災害時は特に、早くて正確な情報が求められるため、やさしい日本語が役立ちます。
※市では防災訓練や救命講習、花火教室など、外国人住民も楽しく学べる出前行政講座も開講しています。希望があれば通訳を派遣することもできますので相談ください。

その他、外国人住民との交流を目的とした、講座の開催や出前行政講座の実施などにより、多文化共生推進行動指針の基本理念である「国籍を超えて誰もが安心して暮らせる多文化共生社会の実現」を目指しています。
本年度から、新たな取り組みとして外国人相談窓口や、外国人相談窓口フェイスブックページの開設を行いました。

◆まずは双方向の理解から
多文化共生社会を実現していくためには、行政や多文化共生サポーター、一部のボランティアの取り組みだけでは困難です。このまちに暮らす皆さん一人ひとりが、外国人住民の文化や生活の多様性を知ることが重要です。「外国人」ということを意識せず、他の言語や文化を理解し、交流を楽しむことができれば、多文化共生社会の実現につながっていくのではないでしょうか。

◆あなたもサポーターになってみませんか?
〇多文化共生サポーター制度
多文化共生の推進や国際交流の発展を目的としたボランティア登録制度です。語学力を生かしたい人や外国人と交流したい人、困っている外国人を助けたい人などが、市にサポーター登録をします。登録されたサポーターは、助けを必要とする団体の要請に基づいて活動していきます。
サポーター活動を希望する人は、地域支援課市民協働係まで問い合わせください。

◆身近な国際交流を始めてみませんか~仲間や先生を募集しています~
市国際交流協会は、地域でできる国際交流に取り組むグループです。クリスマス会などの交流イベントや、中学生等海外派遣事業(ハワイ)などの活動を行っています。
市国際交流協会では、一緒に活動してくれる仲間や企業を募集しています。国籍は問いません。一緒に菊川市の国際交流を盛り上げていきませんか。
現在、日本語教室のボランティア講師も募集しています。資格や経験がなくても大丈夫です。ぜひ、地域支援課まで問い合わせください。

問合せ:地域支援課市民協働係(プラザきくる内)
【電話】35-0925

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