Leo seamless armchair

ファブリックを張り込んだアームチェアLeo seamless arm chairはこれまで15年以上に渡り、何度かのデザインリニューアル重ねながら変貌を遂げてきました。15年前のデザインは全体的に直線的な印象の中にアームの手前から前脚に掛けて緩やかにカーブを描いたラインが特徴でした。それから、3度のモデルチェンジを経てようやく最終形に近い完成度の高いLeo seamless arm chairになったのではないかと感じています。

このような形状のファブリックに包まれたアームチェアは数多くありますが、典型的なフォーマットのある基本意匠のアームチェアだからこそ、その微妙なディテールの集積と総合的なバランスによって、それぞれのデザインや存在感に違いが生まれます。新しいLeo seamless arm chairにはいくつかの新しいディテールが加えられました。

最も大切にしたことは椅子としての全体を構成する面を出来るだけ繋いでゆくことです。椅子、特にアームチェアは、複数の面で本体が構成され、4本の脚がこれを支持します。この基本構成をいかに自然に有機的なディテールで繋いでゆくことができるかによってアームチェア全体に繋がりと一体感が生まれるかが決まります。

人間の体がシームレスで継ぎ目がないのと同じように、できるだけ面と面を有機的に繋いでゆくように心掛けました。Leo seamless arm chairは、正面の座枠上から立ち上がるステッチラインが外側から徐々にセンターへと向かい、アームのトップの中央にラインがくるようにしています。そのラインがアーム手前から背中まで1本で回り込むようにし、内側と外側の面、そして座面の3面で構成されています。薄い印象の中にもふくよかさを持たせることで、緊張感と柔らかさが同居するようにしました。

本体のシェルと脚を繋ぐためには脚と脚を横に繋ぎ、シェル全体を支持しながら4本の脚に自然な一体感を持たせる構成が必要不可欠でした。アームチェアの難しさはシェルと脚を如何にして一体感を持たせることができるかで、完成度の高さが違ってきます。その脚と横貫のディテールにも細やかなアールの処理を加えました。見えない所にも細やかな配慮をすることでどこから見てもバランスの取れた良い椅子が生まれると思っています。

ダイニングチェアとしての機能性を重視し、重くなりすぎないように軽量化も考慮しました。ファブリックの柔らかさと、意匠性としての緊張感を持った品格のある佇まいを目指し、アームチェアに対する私たちの答えのひとつとなりました。

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