経年劣化で色褪せてしまったホイールナットの再アルマイト処理をしてみた。
ということで、これが色褪せた状態のホイールナット。
直射日光が当たる部分の色が無くなりかけている。
まずはナット内のOリングを外す。
リングを外したら、次に・・・。
アルムーバという薬液に浸し、現在付いているアルマイトの皮膜を溶かしてしまう。
ぶくぶくと怪しい泡を吹き出しているホイールナット。
これでアルミの地の部分が露出した。
薬液に触れると大変なので、大量の水で洗浄する。
そして、柔らかめのワイヤーブラシで表面に残ったゴミを落としていく。
表面がきれいになったら、今度はスマトリンという溶液に浸し、スマット除去を行う。
この工程は無くても大丈夫なのだが、スマトリンに浸すことにより、仕上がり時の黒ずみを防止することが出来る。
スマット除去が終わったホイールナットを、大量の水にて洗浄。
続いて、電解処理をする。
この時期の電解液は温度が上がりすぎてしまうので、保冷剤にて冷やす必要がある。
温度が安定したら、いよいよアルマイト処理の肝となる電解処理だ。
電解処理というのは、ざっくり言うと、アルミに電気を流すことにより表面に霜柱みたいな物を生やす処理だ。
通常、電極を取付けて電解処理を行うのだがこんなにたくさん、どうしよう。
アルミワイヤーをこのような形にして・・・。
電気を流そうと試みたのだが、上手く行きそうも無い。
そこで、アルミの板の上にナットを置いてみることに。
ここに電気を通せば上手く行くかな!?
と言うことで、20分程電解処理をした物を染色してみたところ・・・。
全然染まってなーーーい!
というか、電気の流れが均一で無いのか、染まり具合がまちまちだ。
要するに、霜柱みたいなのの生え方が一定で無いという事だ。
これじゃあ話にならないので、再度、スマトリン溶液処理からやり直し(^_^;
そして、電極の取付で閃いた?
スポンジを穴に押し込んで、その隙間に電極を付ければ良いのでは!!
うん、電極もしっかりと付いているし、電解液の中で外れる心配も無さそうだ。
ちなみに、電極が接触する箇所にはアルマイト処理はかからないので、設置箇所は目立たない場所にする必要がある。
また、鉄のクリップなどで電極を付けると、クリップは溶けて無くなってしまうため、アルミ製のクリップを使う必要がある。
更に、使用したアルミのクリップにもアルマイト皮膜が出来てしまい、電気を流さなくなるので、同じアルミクリップを再利用する場合は、アルマイト皮膜の除去をしないといけないのだ。
再度電解処理をしてみると、今度は全てのナットに均一に泡が付き始めた。
この方法で上手く行きそうだ( *¯ ꒳¯*)
と言うことで、残りのナットも接点の取付処理をしていく。
後は、電解処理 30分、染色処理 20分、封孔処理 20分を、ナットをスライドさせながら順番に行うだけだ。
電解処理が終わったナットを軽く水洗いし・・・。
温度 50度をキープした染色液に 20分程浸す。
この時期は染色液の温度が下がるのが遅いので、50度を保つのが冬に比べてとても楽だ。
途中経過で取りだしてみると、今度はちゃんと染まっている。
ちなみに、電解処理に失敗していると、この時点で全く色が付かないのだ。
アルミ表面に生えている、霜柱状のアルマイト皮膜に染色剤が浸透したら、その状態で表面を塞ぐ。
この処理をする事によって、染料をアルマイト皮膜内に閉じ込めるのだ。
封孔剤は 90度以上で処理すれば良いので、沸かしておけばOK。
処理的には気を使わなくて良いので楽ちんだ。
染色が終わったナットを水洗い。
表面に残った余分な染料を洗い流す。
染め終わり、封孔処理をする前のナット。
アルミの表面が削りたてで無いせいか、若干色がくすんでいる気がする・・・(*´д`*)
特にゴールドは下地の色がそのまま出るので、キラキラ仕上げにするには、ナットをピカールなどで磨く必要があるのかも。
封孔剤が 90度以上になるのを待ち・・・。
20分程 グツグツと煮込む。
これで、染料が閉じ込められた。
これで再アルマイト処理完了!!
そうこうしている間に、電解処理が終わったナットが仕上がってくるので、どんどんと処理を進める。
今回はゴールドで再染色してみたが、違う色で再染色すると、また違った感じの仕上がりになるのかも知れない。
と言うことで、Oリングを挿入し、完成!
自宅でアルマイト処理という、マニアックな記事だったが、ま、備忘録と言うことで(*´w`*)
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