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2021/10/12 (TUE) 01:55

ファンドニュース

ノーロード・インデックスファンド「eMAXIS」シリーズ残高が2兆円突破、わずか9カ月間で1兆円増

2021/10/11 17:21

 三菱UFJ国際投信が設定・運用しているオンライン販社向けのノーロード(購入時手数料無料)インデックス・ファンド「eMAXIS(イーマクシス)」シリーズ63本合計の純資産総額が10月8日に2兆円を突破した。2009年10月に8ファンドを設定してスタートした同ファンドは、シリーズ内に「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトで「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)」シリーズを2017年2月に投入してから頭抜けた人気を獲得し、業界を代表するインデックスファンドシリーズとして定着した。同シリーズへの資金流入は加速し、シリーズ合計の純資産総額が1兆円を突破した2021年1月7日までは約12年間を要したが、そこからわずか9カ月間で2兆円を突破した。

 シリーズ残高の大半は「eMAXIS Slim」シリーズが占める。10月8日現在のシリーズ合計2兆244億円の中で、「eMAXIS Slim」シリーズ13本は合計で1兆6182億円と約8割を占めている。「Slim」では、「米国株式(S&P500)」が6712億円と大型化した他、「全世界株式(オール・カントリー)」(残高2943億円)、「先進国株式」(同2514億円)、「バランス(8資産均等型)」(同1146億円)の4本が純資産残高1000億円以上の大型ファンドになっている。

 また、パフォーマンスの点で目立った活躍を見せている「eMAXIS Neo(イーマクシス ネオ)」シリーズの残高は、シリーズ11本の合計で575億円になった。「自動運転」(21年9月末まで設定来リターン223.59%)、「バーチャルリアリティ」(同240.22%)など革新的なテーマを対象とした指数に連動するインデックスファンドとして2018年8月に投入して以来、1年間のトータルリターンが全ファンド中でトップになるようなパフォーマンスを示すファンドを輩出している。

 「eMAXIS」シリーズは、「eMAXIS Slim」シリーズを筆頭に運用コストにあたる信託報酬率が低いファンドが多い。最低水準は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 先進国株式」の税込み年0.10%だ。加えて、シリーズ全体で受益者還元型信託報酬率を採用しており、一定の純資産を超過した部分についてより低い信託報酬率が全ての受益者に適用されるようになっている。基本は残高が500億円を突破した段階から、手数料率の低減が始まっており、現在までに7ファンドで当初の信託報酬率よりも低い信託報酬率が適用されている。

◆インデックスファンドも吟味して購入する時代

 なお、シリーズ63本という大所帯になると、シリーズ間の格差も目立つ。たとえば、インデックスファンドの選定で重視される信託報酬率は、「eMAXISは安い」というイメージがあるだろうが、「eMAXISプラスコモディティインデックス」の税込み年0.90%というファンドもある。また、パフォーマンスが際立って良好な「Neo」シリーズは一律で0.79%だ。残高は、トップの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は6700億円超だが、最低は「eMAXIS マイマネージャー1970s」の3100万円になっている。

 パフォーマンス面でのバラツキも大きい。9月末現在で運用期間が3年以上となり、モーニングスターがレーティングで★(星)を付与している銘柄は48銘柄だが、うち最高の5ツ星(★★★★★)は2銘柄(対象銘柄の4.16%)、4ツ星(★★★★)が11銘柄(同22.92%)、3ツ星(★★★)が25銘柄(同52.08%)、2ツ星(★★)が7銘柄(同14.58%)、1ツ星(★)が3銘柄(同6.25%)になっている。同シリーズはインデックスファンドなので、テーマ型インデックスに連動する「Neo」シリーズを除けば、概ね、市場平均並みの3ツ星になるはずだが、5本に1本は4ツ星であり、カテゴリー内で最高のパフォーマンスを挙げている5ツ星が2銘柄もある。5ツ星は「eMAXIS Slim 先進国債券」と「eMAXIS 最適化バランス(マイゴールキーパー)」という比較的リスクの低いファンド。

 インデックスファンドは、市場の平均のパフォーマンスをめざすファンドとして一括りに考えられがちだが、「eMAXIS」シリーズだけでも63本のファンドが存在するように、様々な資産を対象としたインデックスファンドが存在し、かつ、それらのインデックスを組み合わせたバランス型のファンドも様々に存在する。手軽な投資手段だったはずが、実は、インデックスファンドも「よく選んで投資する」時代になっている。たとえば、同じ「eMAXIS」シリーズに属して日経平均株価に連動するインデックスファンドでも、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は信託報酬率が税込み0.15%だが、「eMAXIS 日経225」は同0.44%だ。3年トータルリターン(年率)は、当然、信託報酬率の低い「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が8.79%で「eMAXIS 日経225」の8.48%よりも高くなっている。(グラフは、「eMAXIS」シリーズのパフォーマンスの推移。各ファンドで設定来)


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