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母親が語った“動機”

 そして――。

 事件は起きてしまう。前出の捜査関係者が語る。

「父親によれば、母親は事件数日前から言動が不自然になり、『コロナ陰謀論』にとらわれるような発言もあったそうです」

 実際、母親は取り調べに対し、動機を次のように話しているという。

「コロナで世の中が変わってしまい、人が信用できない。子どもも可哀そうだから一緒に死ぬ」

捜査員が入る現場マンション(「九州朝日放送」より)

 精神科医の片田珠美氏が指摘する。

「転居先で環境に適応できないと、“引っ越しうつ”になりやすい。加えてコロナ禍で人間関係の構築が難しい中、育児で孤立感を持つ母親は少なくありません。うつ症状が悪化すると、悲観的思考に陥りやすい。特に女性は第三者の目を気にしやすい傾向にあり、被害妄想や希死念慮(自殺願望)を抱きがちです」

 その結果、息子も巻き添えにしたのか。警察は母親が回復次第、殺人容疑で逮捕する方針だと見られる。

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