札幌にあるボスの家にはよく遊びに行っている。
彼女の家は、よく言えば風情があり、悪くいえば古くて少し怖い。
そのような家でひとり暮らしをしているためか、おそらく寂しいのであろう。
幾度となくボスに招かれ、もてなしを受けたものだ。
和室というのは、しんみりした雰囲気があり、洋室のような派手さはない。
インテリアの華やかさもなく、目に入る情報も少ないためか、自然と想像力を掻き立てられる。
そうした状況で目の前にいい女がいるとなれば、淫猥な気持ちになるのが自然だ。
彼女もひとつ屋根の下に男性を招くのだから、どうなるかはわかっている。
だけども彼女は絶対に自分から「あれしよう 」とは言ってこない。
「何かしたいことある?」
などと、すごく遠まわしな表現で、男性の理性を蝕んでいくのだ。
すると僕は意地になって、「全然!」 なんて答えるのだが……あそこは正直だ。
おもむろにあそこを触られ、親指と人差し指でコリコリされたら The End である。
もう何の言い逃れもできないので、大急ぎで奥の部屋に行って、
目の前にいる女を無我夢中で抱くだけだ。