さてさて。

田母神俊雄氏の事務所で、政治資金横領疑惑が発覚した事についての資料整理記事の続きです。


その1(島本順光氏経歴)はこちら
その2(島本順光氏経歴)はこちら
その3(都議選収支報告書)はこちら
その4(衆院選収支報告書)はこちら



さて、続いてですが、チャンネル桜の水島社長の経歴について
整理をしてみたいと思います。


現在この横領疑惑、田母神陣営と水島陣営にての対立が起こっています。
元は両派ともに都知事選を戦った仲間であり、
今回の横領疑惑に少なからず関連があると見られます。

田母神陣営のキーマンが島本事務局長と見て経歴を整理しましたが、
水島陣営のキーマンは当然、水島総・チャンネル桜社長しかいません。
ですので、水島社長の経歴を整理し、その思考や行動を検証する下地としたいと思います。



■水島総(Mizusima Satoru)
213
(上写真・水島総・チャンネル桜社長)
○72年 水島氏、早稲田大学第一文学部ドイツ文学専攻卒業
○77年10月6日 有限会社ワールド・インタラクティブ・ネットワーク・システムズ・ジャパン設立
      本店所在地・東京都渋谷区東2-20-13シャトレー渋谷313
○88年 水島氏、映画「パンダ物語」脚本
○92年 水島氏、映画「奇跡の山 さよなら、名犬平治」監督・脚本
○95年 水島氏、映画「南の島に雪が降る」監督・脚本
○99年12月 株式会社ウィンズ・ジャパン・コミュニケーションズへ商号変更
○00年6月 東京都世田谷区三軒茶屋2-21-2メゾンヴァンベール401へ本店移転
○02年7月 株式会社ワールド・インタラクティブ・ネットワーク・システムズ・ジャパンへ商号変更
    所在地も東京都渋谷区東2-20-13シャトレー渋谷701へ本店移転
○04年4月6日、「日本文化チャンネル桜」設立
http://www.ch-sakura.jp/
○04年5月 東京都渋谷区渋谷1-1-16若草ビルA館1Fへ本店移転
○04年8月 スカイパーフェクトTVの767chで「日本文化チャンネル桜」の番組の放送を開始。
○06年11月21日 株式会社ウィンズ・インターナショナルが
       オープンインターフェース株式会社の子会社化。
○07年1月24日 映画「南京の真実」制作発表記者会見
https://www.youtube.com/watch?v=X2-9KMk2L3o
http://kokuhatsu11.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html
○07年3月31日 「日本文化チャンネル桜」スカイパーフェクトTVの767chでの放送を終了
○07年4月1日 「日本文化チャンネル桜」がCS放送のハッピー241に引越し。
     ハッピー241の親会社はトランスデジタル。
○07年5月22日に動画配信サイト「So-TV」を設立。
○08年1月25日 映画「南京の真実 第一部 七人の死刑囚」完成披露記者会見
○08年8月7日 トランスデジタル、スカイパーフェクトTVで「ガンバレ自衛隊!安全保障アワー」
      の制作を発表。政治家や自衛隊関係者を集めて制作発表会を行い、
      以後31億円の資金を新株予約券にて調達。
      「日本文化チャンネル桜」は制作協力。
http://outlaws.air-nifty.com/news/2008/09/post_7dbd.html
https://mamorenihon.wordpress.com/2013/08/17/チャンネル桜とトランスデジタル/
○08年9月 ハッピー241の親会社トランスデジタルが倒産。CS放送での放送が不能となる。
○08年9月 「チャンネル桜二千人委員会」を設立。支援者からの寄付を募る形での会社運営を始める。
08年10月31日 田母神論文が大騒ぎになる
○10年2月2日、市民団体として「頑張れ日本!全国行動委員会」設立
○10年3月25日 「頑張れ日本!全国行動委員会」を政治団体として総務省に届出。
       代表者は田母神俊雄氏。
○10年6月 「頑張れ日本!全国行動委員会」主催で「6.9『救国』全国国民総決起集会」を開催。
     安倍晋三代議士(当時は元首相)も出席登壇する。
http://www.ganbare-nippon.net/22_1.html
○12年8月8日 電子書籍マガジン「言志」発刊
○12年8月19日 尖閣諸島・魚釣島に上陸
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2000T_Q2A820C1CC0000/
○13年3月 ニコニコチャンネルにてにて「国防・防人チャンネル」設立
○15年10月25日 「朝日新聞を糺す国民会議」結成大会開催。事務局長・水島総
http://www.asahi-tadasukai.jp/



さて、ポイントとして検証しておきたいのは、08年9月に起きた
トランスデジタル社の経営破たんと、それに関連しての
CS放送での「日本文化チャンネル桜」放送休止についてです。

この事件が、水島氏の経歴の中でも
ひとつのターニングポイントのような気がしますので
まとめてみたいと思います。



> トランス社は69年に三島情報コンサルタントとして設立され、
>04年のジャスダック上場後に現社名に変更した。06年にはケーブルテレビの
>専門チャンネルを制作する「メディア241」を設立し、
>右派系のミニ局に放送枠を貸していたこともある。
(日刊ゲンダイ2010年2月17日掲載)


「日本文化チャンネル桜」は04年8月にスカイパーフェクトTVの767chで放送を開始。
しかし07年3月いっぱいで経営難の為に
衛星使用料・スカパー!のプラットホーム料年間一億数千万円の拠出が困難となり
スカイパーフェクトTVでの放送を休止しています。

そしてその代わりに「ハッピー241」というチャンネルの中の
一コンテンツとして「チャンネル桜」を継続する事なるのですが、
このハッピー241を運営してるのがメディア241株式会社であり、
トランスデジタル社の子会社
にあたります。



そして07年11月に、トランスデジタルの社長に後藤幸英氏が就任、
このことでいろいろと事が動き始めました。
214
(上写真・後藤幸英氏)

後藤幸英氏は防衛大学校第32期卒(昭和63年3月卒)の元海上自衛官です。
参考
企業家人物辞典「新社長2007年度」

http://ijin.keieimaster.com/new/2007/966.html


この後藤氏は08年6月の株主総会で取締役を6名選任。
そのうち2名に、陸上自衛隊と航空自衛隊の出身者を招いています。

>取締役6名選任の件
>本件は、原案どおり取締役に
>菊池貴之、田川孝展、濱口和久、山﨑公明、藤原信男、鎌田茂秋
>の6氏が選任され、それぞれ就任いたしました。

http://anago.2ch.net/test/read.cgi/asia/1266754196/


濱口和久氏は防大卒で陸上自衛隊で三等陸尉まで勤めた後退官。
舛添政治経済研究所で舛添要一氏の秘書、羽田孜元内閣総理大臣秘書などを務め、
民主党本部役員室次長、幹事長室副部長などを歴任しています。
濱口和久
(上写真・濱口和久氏)
参考
濱口和久オフィシャルページ「濱口和久のプロフィール」

http://www.hamaguchi.ne.jp/profile.html

田川孝展氏は防大卒で航空自衛隊で三等空佐まで勤め退官。
トランスデジタル取締役就任の2年前には、
日本企業情報株式会社を設立して企業情報を取り扱うビジネスを行っています。
また、株式市場新聞でコラムを書くなど、株式の専門家でもあります。
田川孝展
(上写真・田川孝展氏)
参考
企業情報ナビ「会社概要」

http://www.kigyou-ir.com/ir/new_ir_gaiyou.html


まあ、このトランスデジタル社、
この08年6月の取締役選任の後ですが、

>08/8/27 16:59 新株予約権の権利行使完了
>08/8/27 17:00 新株予約権の大量行使
>08/8/28 22:07 小切手の不渡り発生(第1回)
>08/8/29 23:48 小切手の不渡り発生(第2回)

参考
低気温のエクスタシー(故宮)「〔メモ〕トランスデジタル社と佐藤正久参院議員(自民党)」

http://alcyone.seesaa.net/article/141399809.html

とまあ、31億円を新株予約権で調達したのち、
まるで取り込み詐欺の様に不渡りを出して倒産をしています。

まあ、経済的な経緯は、当時の様子はググればいくらでも出て来ます。
それだけ派手にやった有名な事件でしたので。
参考
裸族のたわごと「〔復習〕トランスデジタルに群がった黒い紳士・黒い企業・真っ黒な政治家たち2」

http://yokohamajipsy.blog.fc2.com/blog-entry-5403.html


今回追いたいのはこういった経済的な背景ではなく、
トランスデジタル社と自衛隊の繋がり、そしてその背景にあるチャンネル桜についてです。

まあ、この08年8月のトランスデジタル社の増資に向けて、
子会社のハッピー241が日本文化チャンネル桜に協力を依頼。
共同で「ガンバレ自衛隊!安全保障アワー」を制作する事となりました。
実際にはハッピー241には自衛隊関連の番組を制作するノウハウは無く、
この「自衛隊アワー」は実質的にチャンネル桜が制作するという関係でした。
参考
東京アウトローズWEB速報版「【注目記事】週刊金曜日1月9日号
『破綻したIT企業トランスデジタルの怪』」

http://outlaws.air-nifty.com/news/2009/01/post-3b5d.html

そして、この「ガンバレ自衛隊!安全保障アワー」の制作披露パーティーを
08年8月7日に、盛大に行った訳です.
211
>スカイパーフェクTV!の無料チャンネル「ハッピー241」で
>9月にスタートする新番組「ガンバレ自衛隊! 安全保障アワー」の制作発表会が
>8月7日、東京・新宿のグランドヒル市ヶ谷で開かれた。自衛隊の活動、
>隊員の素顔などを伝え、国民の理解を深めることを狙いとした初の1時間帯番組だけに、
>関係者の期待は高く、就任したばかりの林防衛相をはじめ小池元防衛相ら国会議員、
>防衛省関係者、各界著名人ら約400人が出席した。

参考
朝雲ニュース「『ガンバレ自衛隊! 安全保障アワー』制作発表会」

http://megalodon.jp/2008-1119-0444-54/www.asagumo-news.com/news/200808/080814/08081410.html


この制作発表会には、当時まだ航空幕僚長であった田母神俊雄空将も出席をしています。
ちなみに田母神空将が論文を発表したのはこの二ヵ月後の出来事でした。
トランスデジタル社のパーティに誰が田母神閣下を連れてきたんでしょうかねw



ここでポイントなのは、トランスデジタル社の後藤幸英社長は、
防大を卒業後、海上自衛隊に任官していますが、一年で退官し、
民間の日本HPに入社をしているという事です。
ですので、後藤社長には、実は自衛隊関係のツテというものは無かったのです。

>こうしたトランス社の「防衛省プロジェクト」を裏で仕切っていたのは、
>実は後藤社長ではなく、峯岸容疑者だった。「たしかに後藤は防衛大出身だが、
>わずか1年しか任官していなかったため、自衛隊関係者からまともに相手にされない。
>そこを何とかフォローするのに随分苦労した。とにかく後藤は役に立たない男だったね」

210
参考
東京アウトローズWEB速報版「【東京アウトローズ一行情報】本誌・奥村
『日刊ゲンダイ』にコメント、『トランスデジタル民事再生法違反事件』」で」

http://outlaws.air-nifty.com/news/2010/02/post-ebf8.html


また、後藤社長はチャンネル桜の番組にも出演をするなど
関係が有った事は明らかです。
212
(上写真・クリックで拡大します)

また、08年6月にトランスデジタル社の社外取締役となった濱口和久氏は、
08年9月からチャンネル桜での新番組「日曜の朝は濱口和久のがんばれニッポン!」を
開始する予定となっていました。

> スカイパーフェクTV241chで9月から新番組
>「日曜の朝は濱口和久のがんばれニッポン!」が始まります。
>放送開始は9月14日の日曜日からで、
>時間帯は毎週日曜日9時~10時(再放送は23時~24時)です。
>レギュラー出演者は
>キャスター 
> 濱口和久(日本政策研究センター研究員・前栃木市首席政策監)
> 中村直美(元NHK長崎放送局アナウンサー)
>コメンテーター 
> 田村重信(自民党政調首席専門員・慶応大学大学院講師)
>タガワ総研  
> 田川孝展(日本企業情報株式会社代表取締役社長・株式市場新聞コラムニスト)

参考
濱口和久の「国を憂い・国を想う」
「9月から新番組『日曜の朝は濱口和久のがんばれニッポン!』が始まります。」

http://archive.is/SYlg

このように、濱口氏とチャンネル桜の関係も明らかですね。

08年6月の株主総会で取締役に選任された6名を調べれば分かりますが、
濱口氏、田川氏の2名が自衛隊出身。そしてそのほかの4名は
あやしいファンド関連などで何度も名前の出てくる人物ばかり
です。


そしてトランスデジタル社は08年9月1日に民事再生法を申請し、事実上の倒産をします。
参考
DIAMOND ONLINE「トランスデジタルついに倒産へ『株価1円企業』が市場に居座り続けた罪」

http://diamond.jp/articles/-/1112



この件については。水島社長は以下の通り
チャンネル桜で説明をしています。

参考
Youtube「【水島よりご説明】トランスデジタル民事再生法違反事件[桜H22/2/18]」


Youtube「080904 チャンネル桜 水島社長コメント2」


当初は「関係ない」という説明でしたが、
時間が経過した後の、二つ目の番組動画では、
「全ての責任は自分」と言わざるを得ない状況となっています
紹介した偉い人から「勘弁してよー」とでも言われたんですかね?w



状況を整理すると、07年前後というのは
「チャンネル桜」の経営状態が非常に悪化し、
スカパーでの放送が困難となりつつある状況でした。

おりしもトランスデジタル社では、
日本ヒューレットパッカードという、システム開発の世界では
誰もが一目を置く会社出身の後藤氏が社長となります。

余談ですが、私は昔システム会社の運営に関わった事がありまして、
日本HPもトランスデジタルも出入りをして取引がありましたw
ですから、両社の立ち位地は良く分かるつもりですw


チャンネル桜は、トランスデジタル社傘下のハッピー241で放送をしており、
また後藤社長は防衛大学校出身という経歴です。

トランスデジタル社は当初は純粋にシステム開発を行い
エンジニアを開発現場へと送り込む会社でした。
ですが、08年前後にはいわゆる「経済ゴロ」に乗っ取られつつある状況となりました。


政治家などを大勢集めてパーティを開き、
投資家などに訴えかけて資金を調達する、というのは
いまどきマンガでも陳腐で使わないくらいのベタな手法です。

トランスデジタル社で糸を引く「経済ゴロ」に、
後藤社長の「防大出身」という経歴が利用され、
また、保守系の番組を制作して防衛関係の政治家などにパイプを持つ
水島社長もまた、この「経済ゴロ」に間接的に利用をされたのは
状況を考えれば一番しっくりくる説明だと思います。

ぶっちゃけ簡単に書けば、水島社長はまんまと騙された
ということですねw


トランスデジタル社の粉飾決算や、資金調達で暗躍する人達が
わざわざ系列会社でもないチャンネル桜に資金を提供する理由などありませんから、
出してもパーティ会場などの実費が関の山だったと思います。


まあ、この事件の結果、トランスデジタル社が倒産した訳ですから
子会社のハッピー241も当然無くなり、そこに間借りをしていたチャンネル桜も
当然のことはがらスカパーでの放送は出来なくなりました。

そして水島社長は「チャンネル桜二千人委員会」を設立し、
寄付金を募ることでの番組運営という手法に走る事となるのです。



水島社長の経歴はとても膨大なので、
この様にポイントを抜粋して検証をしていく予定です。
ちなみにこの後検証しようと思っているのは、
「草莽全国地方議員の会」に関するチャンネル桜の関わりの一件と、
映画「南京の真実」についての検証です。



とりあえず、続きにて。

では。



参考
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030901000015.html
トランス社新株貸金業者らが取得 融資の担保、売却し利益か
http://urashakai.blogspot.jp/2014/01/blog-post_22.html
チャンネル桜の親会社「トランスデジタル」が、増資発行の株を指定暴力団・山口組に渡していた
http://outlaws.air-nifty.com/news/2008/09/post_7dbd.html
【ミニ情報】「チャンネル桜」水島総代表、トランスデジタルとの関係で〝苦しい弁明〟
http://yokohamajipsy.blog.fc2.com/blog-entry-5404.html
〔復習〕トランスデジタルに群がった黒い紳士・黒い企業・真っ黒な政治家たち1