洞窟少年と犬のシロ 単行本 – 2021/7/5
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本の長さ160ページ
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言語日本語
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出版社ハート出版
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発売日2021/7/5
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ISBN-104802401248
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ISBN-13978-4802401241
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出版社より
あとがき より
主人公・加村一馬さんと出会ってから一八年の歳月が経ちます。加村さんの存在を知ったのは、二〇〇三年(平成一五年)に報道された通信社のニュース記事で、《中学生のころに家を飛び出し、栃木県の足尾銅山の洞穴で生活。山では山菜やヘビ、ネズミを食べたりしていた》というものでした。
この衝撃の事実を知り、すぐに思い浮かべたのは、私が子どもの頃に読んだイギリスの小説『ロビンソン・クルーソー』の主人公が無人島で独力で生活する物語でした。まさに加村さんは『日本のロンビンソン・クルーソー』ではないだろうか……。
加村さんを取材してきた私が怖い思いをした経験談をひとつお話ししましょう。子どもだった加村さんが山の中で過ごした気持ちを知りたく、加村さんに数日間、福島県の山中で一緒に過ごすことをお願いしました。
縦横と奥の深さが一メートルほどの洞穴を掘ると、深夜に野生動物からおそわれる危険があるため、火熾こしをしなければなりません。十時間ぐらい燃やす分量のまき拾い集めをしますが、見つからなくて私はあせるばかりでした。(いつもこんな大変な思いをしてきたのか……)
加村さんが火を熾こしてくれると、オレンジ色の炎の明かりがポッと見えた瞬間、思わず、ホッとしましたが、加村さんの表情から笑顔が消えていました。
「これから朝まで火が消えないよう起きているんだぞ。木を絶やすな!」
(えっ? 朝まで……)
「獣は火を怖がる習性がある。自分の命を守るために火を燃やし続けるんだ」
(夜は、眠る時間もないんだ……)
「子どもの頃、こんな恐ろしい毎日を過ごして怖くて逃げたくなかったですか」
加村さんにたずねると、
「シロがいたから怖くもなかったし、さびしくもなかったんだよね」
加村さんが燃える炎をじっと見つめながらシロのことを話すのを聞いていると、加村さんにとってシロの存在はどれほど心強かったことか。私も犬を飼っていますのでちょっぴりわかったような同じ気持ちになりました。
商品の説明
著者について
児童文学作家、ノンフィクションライター、皇室記者。
1965年東京生まれ。
立正大学卒業後、総合週刊誌、月刊誌等で主に皇室記事を担当。
ほか事件、ヒューマン・ドキュメンタリー、著名人へのインタビュー記事にも取り組み、海外・国内で取材活動を続けている。
主な児童向けの著書に『恐竜ガールと情熱博士と』[福井市こどもの本大賞 ノンフィクション部門]受賞。
学習まんが人物館『平成の天皇』[原作シナリオ](共に小学館)。『義足のロングシュート』 『フラガールと犬のチョコ』 [岩手県読書感想文課題図書] 『兵隊さんに愛されたヒョウのハチ』[NHK高知放送 ラジオ朗読](すべて弊社刊)がある。
イラスト ねもと きょうこ
セツ・モードセミナー卒。書籍、展示物、企業広告、文具、衣類などジャンル、国内外を問わず幅広く活動を展開。
装丁画『とんでもなくおもしろい宇宙』(柴田一成著/KADOKAWA)、『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(もとしたいづみ著/ホーム社)などの他、
2021年春竣工の上信越高原国立公園谷川岳インフォメーションセンターの大型展示パネルイラスト担当。
また、2018年に英国ペンギン・ランダムハウス、V&Aミュージアムより絵本(文とイラスト)『How To Fly Like an Elephant』を出版。
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登録情報
- 出版社 : ハート出版 (2021/7/5)
- 発売日 : 2021/7/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 160ページ
- ISBN-10 : 4802401248
- ISBN-13 : 978-4802401241
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