「『ダンシング・クイーンはシルヴィア王妃のために作ったものではないよ!!」と断言したABBA。にも関わらずNHKは昨年9月24日、NHKBSで『アナザーストーリーズ▽“ダンシング・クイーン”ABBAと王妃の知られざる物語』を断行!デタラメなABBAストーリーを組み立て、ABBA本人やABBAファンを悲しませた。どうしてここまで「嘘をデッチあげてまでも」ABBAをコケにする必要があるのか?不思議である。しかも「新コロナ」で多くの国民が苦しんでいる最中、『世界第4位のレコード・CD』を販売している“世界のABBA”を愚弄したこの番組を、訂正もせずに再々放送するとは何事か!昨年9月24日、30日に続き、4月28日にも放映したのだ(5月7日AM8時からもNHKBSで放映がある)。
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3444/1453132/index.html
今や従業員・会社規模を併せ“世界一のメディア”になったNHK。その世界一のメディアならば、嘘をついてまでも「でたらめな番組」を流し続けていいのか?番組ディレクター丸山尚志氏に手紙を送り、取材を申し込んだが、未だに回答が来ない。
NHK丸山尚志氏はこの番組のサイトで以下のように語っている。
【この番組を企画したきっかけ】
ABBAの『ダンシング・クイーン』といえば、音楽に詳しくない私(1980年生まれ)ですら何度も耳にしたことがある「超名曲」。とはいえリアルタイムで聞いていた世代ではないし、ABBAについても「スウェーデン出身」「メンバーは2組の夫婦」「奇抜なファッション」程度のざっくりとした知識しか持ち合わせていませんでした。でも今回一緒にコンビを組んだ木暮沙樹ディレクターが書いた企画書を読み、この曲の大ヒットの背景に実は本物の「クイーン」=シルビア王妃が深く関わっていたことを知り、「なんか面白そう!」という半ば安易な気持ち?でリサーチを開始。ところが『ダンシング・クイーン』をめぐる物語は私たちの想像を遥かに上回る勢いで現在も全世界に「拡散」し続けており、気がつけばスウェーデン、ドイツ、オーストラリアの3カ国を渡り歩くことに…。あらためてこの曲の持つ不思議なパワーを思い知らされました。
【制作で苦労した点】
『ダンシング・クイーン』は発売の2ヶ月前、シルビア王妃の結婚を祝うセレモニーで披露されました。では、なぜこの曲が彼女に捧げられることになったのか…?その真相を語る資料は皆無に等しく、私たちはこの式典に関わった人たちを地道に探すことにしました。しかし、43年前の出来事ゆえ既に亡くなっている人も多く、人探しは難航。ヒントになったのは、セレモニーの「生中継映像」でした。エンドロールで流れる小さなスタッフクレジットを手がかりに、ついに事の一部始終を知るキーパーソンにたどり着くことができました。おそらくテレビ初公開となる貴重な証言。名曲誕生の「意外な真実」にぜひご注目頂ければと思います。
【取材をする中で印象に残った言葉】
やはり“You can dance”という歌詞です。直訳すれば「あなたは踊ることができる」ですが、今回の取材を通じ、私は勝手にこう翻訳するようになりました。「もっと自分の好きなように踊っちゃいなよ!」。生きていると、誰しも他人の目が気になって思っていることを言えなかったり、「素の自分」を出せずに悩んだりすることがあると思います。そんなとき『ダンシング・クイーン』は、ポン!と明るく背中を押してくれます。「さあ踊ろう!勇気をもって自分を表現しよう!」と…。この番組は、名曲誕生の秘密にせまる物語であるとともに、『ダンシング・クイーン』によって人生を動かされた人たちの物語でもあります。“You can dance” この短いフレーズに込められた無限のメッセージを、ぜひ味わって頂けたらと思います。
(番組ディレクター 丸山尚志)
NHKは国民の金でこの番組を作ったが、筆者は自費で1983年から今日までABBAを直接取材してきた。昨年9月24日のNHKのABBA番組がデマだという確かな証言もABBA本人から得ている。ABBAが「違うよ!」と言っているのに、なぜ未だにこの「デマABBA番組」を流すのか?本当にいいかげんにしてほしい。
また劇団四季『マンマ・ミーア!』、映画『マンマ・ミーア!』(東宝東和)や『CHESS』(梅田芸術劇場)やユニバーサルミュージックから直接“ABBAのライナーノーツ”を書いている音楽評論家・音楽関係者はなぜ「NHKに異論」を唱えないのか?何のために「ABBAの解説書」を書いているのか?評論家という肩書とは「このような時」にこそ力を発揮するものではないのか?
結局、ABBAの取材を全くせずにライナーノーツや記事を書いているから、NHKにハッキリ物申すことができないのだ。情けない連中だ。仕事をもらうためなら「文句」一つも言えないとは、もはや音楽評論家失格だ(使う側の神経も疑う)!
筆者がABBAに取材できるのに、どうして“世界一のメディア”であるNHKはABBAに取材できないのか?今回はABBAに取材すると『真実』がバレて、自分たちが描いているABBA番組を作れないのでABBAに取材しなかったのだと多くのABBAファンは語っている。最初から『自分たちの結論ありき』にしたかったわけだ。
ちなみにABBAによるとこれまた昨年「ふしぎ発見」でデタラメなABBA番組を作ったTBSもNHKも『一度もABBAを取材することなく』ABBA番組を作っているとのことだ。
筆者はいちいちABBAに「チクる」ような幼稚なことはしないが、なぜかABBAは日本で起きているABBAの『でたらめ情報』を正確につかんでいる。なぜだ?
こんなアホなことばかりしているからABBAは日本に来ないのだ。自分たちがいかにABBAに対して「失礼」なことをしているのがわからないのか?恥ずかしい大人たちである。
ABBAは日本に怒っていた。だから2002年12月劇団四季『マンマ・ミーア!』初日にも、当初はビヨルンとベニーは来日して舞台挨拶する予定であったが「前日にドタキャン」したのだ(ユニバーサルミュージック元社長石坂氏、元社員岡野氏証言)。
日本はABBAに対して数々の「悪行」をなしてきた。
1.1972年『世界歌謡祭』で元ニッポン放送社長亀淵氏(ホリエモンに会社を買収された男)ほか数名が、勝手に『ビヨルン&ベニー』を「世界デビュー」させようとしたが、ビヨルンとベニーは拒否!しかもアグネタとフリーダを連れて来日。これに激怒した亀淵氏らは『ビヨルン&ベニー』に1つも賞を与えなかった。
2.1978年・1980年ABBA来日時にABBAに向かって「アグネタのお尻に1億円の保険がかけられたというのは本当か?」とか「なぜ離婚してもABBAでい続けられるのか?」など、肝心の彼らの音楽のことは何一つ質問せず、彼らの「プライベート」なことばかり質問して、ABBAを「ムッ」とさせた。
3.日本の商社がアメリカ、欧州の商社と、バブル期とその後、2回にわたり、ABBAを買収しようとして、ABBAを激怒させた(例:100回公演したら100億円払うなどの契約書があった)。
4.ABBAデビューから現在にわたり、でたらめなABBA情報ばかり流し続けている。
5.ABBAの正確な読み方を平気で破っている。
例)リング・リング→本当はリン・リンが正しい
バング・ア・ブーメラン→バン・ア・ブーメランが正しい他多数
筆者は取材するときはいつも「自費」である。NHK職員みたいに「会社の経費」はない。
周知のとおり2018年6月18日、筆者は長年の「ABBAのマネージャー、ゴーレル・ハンザーとの手紙・メール」でようやく「事務所に来てください」との招待を受け、念願のスウェーデン・ABBA事務所にお伺いでき、ABBAに「一連の日本人のABBAに対する無礼」を謝罪。ABBAは快諾してくれて、ここに『日本とABBAの関係』が回復した。
そしてABBAから筆者は『欧州以東(日本)における唯一のABBA(『マンマ・ミーア!』『CHESS』含む)研究者』という称号を得た。
ここまで来るのに35年かかった。
どうしてNHK丸山尚志氏はまた「消えた火を再度着火しよう」とするのか?意味が分からない。
https://fika.cinra.net/article/201808-abba
2020年5月7日以降、「でたらめなABBA番組」を放映した場合は「法に訴え」て司法の場で争うことになるのでNHK、番組ディレクター丸山尚志氏は覚悟してもらいたい。
これ以上のABBAに対する「無礼」はもはや「犯罪行為」であることを認識してもらわねばならない!!
では多くのABBAファンから反響があった、昨年9月26日に筆者が書いた記事を下記に紹介したいと思います。
昨日、9月24日のNHK-BSプレミアム21時放送の『アナザーストーリーズ“ダンシング・クイーン”ABBAと王妃の知られざる物語』は事前の“TBS『ふしぎ発見』のABBAデマ報道”も相まって、視聴率は当初の予定より遥かにすごい数字になったと、先ほど、ビデオリサーチの知り合いから連絡が来た。もし見逃した方は9月30日月曜日23時45分から再放送するのでエア・チェックを!
さて昨日この番組をご覧になった“ABBAファン”“『マンマ・ミーア!』ファン”それから一般の視聴者の方は「ストーリーが一貫していない」ことにお気づきになったのではないだろうか?取材された人の言葉の「いいとこどり」をして、それを「つなげあわせ」何とか「番組を無理やり作った」感は否めない。
そして皆さんが一番不思議に思ったのは、なぜ“肝心のABBAのインタビュー”が出てこなかったか?ということではないだろうか?「ダンシング・クイーン」が本当にシルヴィア王妃に捧げられたかどうかは『ABBAに聞けば一目瞭然』だったのである。それなのに肝心かなめのABBAは出てこない。これでよくもまあ「『ダンシング・クイーン』はシルヴィア王妃にABBAが捧げた曲」などと“デマ”を言えるもんだなと思ったのは筆者だけではいだろう。
NHKがABBAを出演させなかったのは以下の2つの理由が考えられる。 1つは「ABBAに出演されては困る」と言うことだ。つまりそもそも「ダンシング・クイーン」はシルヴィア王妃に捧げらえた歌ではないことをNHKはABBAに暴露されたくなかったからだ。 理由の2つ目は「ABBAに取材を申し込んだが、断られた」のでないか?ということだ。 しかし筆者がABBA(ABBAの秘書・ゴーレル・ハンザー)に「NHKのABBA番組」の話をしたとき、「NHKから取材交渉があった」とは一言も言っていなかった。 ということはNHKは「ABBA抜きでこの番組を成立させたかった」ということになる。 世界一のメディアであるNHKがこんなことしていいのか?疑問に思った方は大勢いるのではないか?
★検証1:「ダンシング・クイーン」がシルヴィア王妃に捧げられた件
周知のとおり、ABBAは「『ダンシング・クイーン』はシルヴィア王妃に捧げた曲ではない」とハッキリ、NHKの主張を否定している。この時点ですでに「NHKは王妃の顔に泥を塗った」ことになる。日本の天皇家とも仲睦まじい『スウェーデン王室への完全なる侮辱』である。まるで「NHKのお友達」のようにシルヴィア王妃の“デマ・ストーリー”を作るのは“日本の恥”としかいいようがない。
後日詳しく書くが、「ダンシング・クイーン」が作られたことと、シルヴィア王妃のご成婚は“偶然の産物”であり、仕組まれたものではない。事実ABBAは「誰かのために曲を作った」ことは一度もない(非売品は除く)。唯一の例外は「チキチータ」で、これは1979年国連国際児童年に寄付した曲であり、印税は全てユニセフに寄付されている。現在までの寄付金は日本円に直して“4億円”。読者の皆様が「チキチータ」のレコード・CDを購入したり、有料でダウンロードするたびに国連に寄付されていることになる。
またアメリカのマケイン議員が大統領選に立候補した時、「自分のキャンペーン・ソングに『テイク・ア・チャンス』を使わせてほしい」とABBAに依頼したが、速攻で断られた。
つまりABBAは例え王様であろうが王妃であろうが、自分より位が高い人になびく(こびる)ことはないのだ。あくまで我々ABBAファンや、ABBAファンになろう人たちに曲を提供しているに過ぎないのだ。
また「結婚式前夜祭」にABBAを“秘密兵器”として招待したのは、前夜祭の責任者だとした場面があったが、これも完全なる“デマ”だ。もともとグスタフ国王が“大のABBAファン”であり、どうしても自分の結婚式前夜祭にABBAを招待したいと言い出したのは王様だ。前夜祭の責任者は王様の指示に従ったに過ぎない。この“事実”はABBAファンならば誰でも知っていることだし、かつての日本でのABBAレコード販売会社であるディスコメイ・トレコード社の社員に筆者が高校生の時に質問した時、ディスコメイトの社員はわざわざ調べてくれ「王様が熱狂的なABBAファンだったのでABBAは結婚式前夜祭に招待された」という回答をもらった。すでに「周知の事実」なのに、なぜNHKは今更、その事実・真実をひっくり返そうとするのか?“世界一のメディアNHK”ならば何でも「捏造」していいというのか?
★検証2:1976年当時、ABBAは苦悩していたのか?
筆者は35年の長きにわたり「ABBAを取材」してきた。確かに4枚目のアルバム『アライバル』のレコーディングには時間がかかったのは事実だ。しかしその前の3枚目のアルバム『ABBA』も実質レコーディング終了まで7か月かかっている(1974年8月22日~1975年3月16日)。では4枚目のアルバム『アライバル』はどのくらいかかったかというと「1975年8月4日~1976年9月中旬」まで約1年1か月かかっている。だが昨日のNHKの主張のよると「ABBAはこの頃、大勢(多勢)に非難を浴び、ABBA自身も悩んでいた」として切り捨てたが、よくもまあ“デタラメ”なことばかり言えるものだなあとNHKの狂言ぶりには恐れ入った。流す映像は「ABBAの非難ばかり」で「ABBA大好き派」の映像が1つも流れていなかったのは「報道の偏り」ではないのか?
後日詳しく書くが、ABBAはこの頃“超多忙”を極めていた。しかしそこは「エコノミック・アニマル」の日本人とは違う。ABBAは1975年『アライバル』の制作に入る前にしっかり夏休みをとっている。しかしいつもの夏休みとは違い、この年の夏休みは短かった。スウェーデン人は6月末の「夏至祭」が終わると(ほぼ全員)『夏休み』に入る。しかもかなり長い夏休みだ。年収400万の一家の90%がロッジを持っているという。スウェーデン人は“待ちに待った夏”をストックホルムから離れ、湖のほとりにあるロッジで過ごすわけだ。ABBAも毎年そうしていた。だが3枚目のアルバム『ABBA』が大ヒットし、ゆっくり休息している時間もなかった。また、グループの活動の合間にベニーはフリーダの為にスウェーデン語のソロ・アルバムを作成、その一方でアグネタは自分のアルバムに取り掛かっていた。全員がまだABBA一本で食べていくまでには至っていなかったようだ。だが、ABBAの人気度が世界中に飛び火し、彼らは『ABBA中心の生活』に次第に変わり始めたいた“過渡期”だったというのが“真実の彼らの姿”だった。ABBAはヨーロッパをくまなく回りながら、数々のテレビ番組への出演、最新シングル「SOS」のプロモーション、同時に前作のアルバム『ABBA』 を含め複数の曲のプロモーションも行なっていたのだ。1976年に入ってもペースが緩まることはなかった。「ママ・ミア(マンマ・ミーア)」が念願のナンバー・ワンヒットとなったイギリスではTV番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』に出演、また西ドイツでは『ABBAスペシャル番組』の収録を行なった。番組が放映するたびにABBAはますますその勢いを増していった。
つまりABBAはレコーディングだけに集中できない事態にあったのだ。NHKはなぜこんな大事なことを知らなかったのか?いやNHKには『ABBA好きと公言』する人がいるのは知っている。なのにどうして番組に載せなかったのか?それはあくまで「1976年当時、ABBAは悩んでいた」と持っていきたい一心であったからに違いない。これが報道なのか?「自分たちの作りたいもの」のためならば「何をしてもいいのか」?ちなみにABBAがこの時期、多忙を極めていたのは『ABBAファン』ならば誰でも知っていることだ。
毎回、口酸っぱく言っているがなぜ「日本でABBAの真実を知っている人にメディアは聞こうとしない」のか?そんなに『ABBAの真実』を「日本のABBAファンに言われては困る」のか?そんなにNHKは偉いのか?ユニバーサル・ミュージックの“一部の連中”と組んで、警察に「筆者宅を襲撃」させたりしてまでも『ABBAの真実』がバレルのはやばいのか?劇団四季の故・浅利慶太先生もおっしゃっていたが「NHKとユニバーサル・ミュージック」の日本での姿勢は“異常”である。浅利先生の言葉をお借りするとすれば「NHKはメディア界のマフィア(ドン)」「ユニバーサル・ミュージックは“音楽界の暴力団”」としかいいようがない。浅利先生もNHKとユニバーサル・ミュージックには相当“激怒”していたから、NHKとユニバーサル・ミュージックは浅利慶太先生に「失礼なことをし続けた」のであろう。今頃、浅利先生は天国で「NHK、ユニバーサル、いい加減にしろ!」と怒鳴っているに違いない。
★検証3:ゲイコミュニティに勇気を与えた曲が「ダンシング・クイーン」なのか?
以前も書いたが、ABBAは1974年4月6日『ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト』で優勝以来、鳴かず飛ばずではあったが、LIVEは定期的に行なっていたし、ABBA本人はそれほど「どん底」だとは思っていなかったようだ。ただ、アメリカでは「恋のウォータールー」こそビルボード6位に入ったが、それはABBAを『一発屋』と思い、全く警戒していなかったからだ(アメリカ人は『ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト』の存在すら知らなかった)。だが、その後、リリースしたABBA3枚目のアルバム『ABBA』を聴いて、アメリカの音楽関係者たちはその出来に驚き“ABBA脅威説”を唱え始めた。「このままではアメリカはABBAに汚染される。絶対にアメリカでABBAをヒットさせてはいけない」動きが事実出ていた。そうとは知らないABBAは欧州のメディアが「一発屋」と騒ぎ立ててもあまりピンと来ていなかったようだ。メディアとは世の東西を問わずそうした下劣な存在なのだろうか?
そんな時、ABBAがオーストラリアに送った『ビデオ・クリップ』(プロモーション・ビデオ)が、オーストラリアのTV番組『カウントダウン』で放送されるや否や、ABBAは一晩のうちにオーストラリアでのスターの座を射止め、オーストラリア全体が『ABBAフィーバー』の渦の中に巻き込まれた。これを通称『ABBAマニア』と呼んでいる。だが多くのオーストリア人はABBAの曲に熱狂したが、ゲイコミュニティではABBAの着ている衣装の方に興味を持ち始め、すでにこの頃から「ABBAってかわいい!」とゲイの間ではABBAは『ヒーロー』となっていた。ゆえに昨日「『ダンシング・クイーン』がゲイの人たちに勇気を与えた」というのは“真っ赤なウソ”であり、すでにABBAはゲイのお気にいりミュージシャンの地位を確立していたのである。
筆者は1999年9月、この事実を確かめる為にオーストラリアに2週間訪問し、取材した。シドニーにある有名な”ゲイタウン”に連れてこられた時「あなた(筆者のこと)もABBAファン?だったら一緒にあたしたちと歌いましょ!」と誘われたが、筆者が取材でオーストラリアに来たこと、ゲイの人たちにABBAのことを聞きたかったことをゲイコミュニティに伝えると、気軽に取材に応じてくれた。「ABBAってかわいいと思わない?あの衣装。正直ださーいっていう人もいるけど、あたしたちにはもうたまならい」。ゲイバーの主人はそう答えてくれた。なお、そこのゲイタウンにはあちこちの『ABBAのポスター』が貼ってあった。
オーストラリア人は今でもABBAを愛している。事実、シドニー、ゴールドコーストのあちこちのCDショップを廻ったが、日本を始め、どこの国でも『ビートルズ・コーナー』が一番陣をとっているにも関わらず、オーストラリアでは『ABBA・コーナー』が『ビートルズ・コーナー』よりも広かったのには驚いた。CDショツプの店長に「なぜオーストラリアではABBAのCDコーナーの方が、ビートルズのCDコーナーより広くとっているのですか?」と聞いたところ「オーストリア人にとっては、ビートルズよりABBAの方がお気に入りなんだ」という応えが返ってきた。またオーストラリア取材中、あちこちのレストランに行くたびにABBAの曲がかかっていた。
オーストラリアはゲイコミュニティを中心に、ABBA好きが今でも多いようだ。
★検証4:シドニー・オリンピック閉幕式にカイリー・ミノーグが「ダンシング・クイーン」を歌ったのはゲイの影響?
2000年のシドニー・オリンピック閉幕式でオーストラリアの歌姫・カイリー・ミノーグが「ダンシング・クイーン」を披露した時、筆者はすぐ目の前にいて、思わず、腰が砕け、立ち上がれなくなった。実はこのオリンピック閉幕式の前、筆者は“非公式”にカイリーにインタビューを試みていた。カイリーが“大のABBAファン”だったからだ。
筆者「あなた(カイリー)はABBAの熱狂的なファンですよね?ABBAの曲をカバーしたアルバムを出す予定はないのですか?」
カイリー「あなたはよく知っているわね?そうよ、私はABBAの大ファン!でもABBAの曲をカバーしたアルバムは、ABBAに少しでも近づける歌手になったら出すかもしれないわね(今は出せない)。だけどあなた(筆者)はとてもラッキーかもしれないわよ(笑いながら)」
筆者「ラッキーですか?」
ここにはもちろん他にも海外の多くのジャーナリストがいる中での“雑談”であったが、カイリーの言う「ラッキー」の意味がよくわからなかった。 だが、数時間後、その意味がわかった。
シドニー・オリンピック後、間接的ではあるがカイリーに「なぜ、オーストラリアで流行っている、あるいは、伝統的な曲を閉会式で歌わなかったのですか?」と質問したところ、帰ってきた答えは「私たちオーストラリアはABBAにとても感謝しているの。子供の頃、私はABBAの歌を聴いて育ったわ。今のオーストラリアの大人たち全員は皆、ABBAの曲を聴いて大きくなったのよ。歌う曲は私(カイリー)が決めていいと言われたので迷わず『ダンシング・クイーン』を選んだわ。この曲を知らない人は世界中にいないでしょ?まさにオリンピックの閉会式にふさわしいと思わない?変に誰も知らない現地の歌を披露するより、この方がよかったでしょ?」
昨日NHKが主張していた「ゲイコミュニティに後押しされて、カイリー・ミノーグはシドニー・オリンピックで『ダンシング・クイーン』を披露した」というのも“真っ赤なウソ”である。
★検証5:「ダンシング・クイーン」に触発されたのはゲイだけか?
昨日の映像でなぜ「日本人」が出てこなかったのか?本当に不思議に思った人は多いことだろう。「ダンシング・クイーン」で『人生を勇気づけられた』人はオーストラリアのゲイだけではない。実に多くの、実にたくさんの人がいることだろう。もちろん日本にもいるはずだ。なのに「『ダンシング・クイーン』に触発された日本人の映像」が1つも出てこなかったというのはどういうわけか?教えてほしい。ちなみに筆者の“座右の銘”は「having the time of your life」。「人生、今、この瞬間」だ。Facebookにもどこにでも書いてある。
今回のNHKの番組作成には偏りがあり、こんなことしているからABBAは来日してくれないんだ!2002年12月の劇団四季『マンマ・ミーア!』初日のあいさつをABBAはドタキャンしたんだ。自分達の報道が結果的にABBAを失望させ、ABBAファンを裏切っている行為に未だに気が付かないのは何とも情けない。続きは明日以降に。
ちなみに「ダンシング・クイーン」から「Baby…」がカットされたのはABBAファンならば誰でも知っていることだ。
続く