休日のJR停電運休、利用者ら「疲れた」
大規模な停電で10日午後1時前に、JR東日本管内の山手線や京浜東北線などで運転が見合わせとなり、首都圏の交通網は混乱した。
緊急事態宣言明けの休日を楽しもうと東京都心に久しぶりに繰り出した人たちは、思わぬ足止めに疲れた表情を浮かべた。
山手線や京浜東北線、高崎線など運転見合わせとなった複数の路線が発着するJR上野駅(東京都台東区)。山手線などが午後2時ごろに運転を再開した後も一部路線は再開のめどが立たず混乱は続き、改札前には、案内板やスマートフォンで運行情報を確認する多くの乗客の姿が見られた。
埼玉県鴻巣市から都内の高校に通う男子生徒(18)は、この日は学校の文化祭だったという。高崎線を使い鴻巣駅まで帰ろうとしていたが、午後3時をすぎても、足止めされたままだった。「疲れてきたが、家族に迎えに来てもらうのもさすがに遠すぎるし…」と困惑した様子をみせた。
栃木県茂木町に住む女性(90)は上野駅近くで孫の結婚式に出席した後、在来線で帰路につこうとしたが、停電に見舞われた。「なかなか動かないので新幹線で帰ることにします」とため息をついた。
停電が発生した午後1時前、蕨市にあるJR東の変電所で火災が発生した。地元消防によると、「爆発音がした」とする情報もあったという。
蕨の変電所をめぐっては平成29年9月にも点検作業ミスで停電が発生。山手線や京浜東北線、宇都宮線などで最大約40分間運転を見合わせ、4万人超に影響が出るなど、首都圏の重要交通インフラが簡単に機能停止する脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。
今回の火災と停電との関係は分かっていないが、前回同様、長時間運転がストップして混乱。JR東が詳しい状況を調べている。