IPv6では管理者の手間をなるべく減らすため、アドレス割り当ての自動化を仕様に取り込んだ。その際には、DHCP▼サーバーのようなアプリケーションレイヤーの装置を使わず、ネットワークレイヤー(レイヤー3)のルーターだけでアドレスを設定できるのが理想とされた。その結果、IPv6では「SLAAC▼」というアドレス自動割り当ての仕組みが採用された。
SLAACでは、ルーターがIPv6アドレスの前半部分であるプレフィックスをクライアントに配布する(図4-1)。プレフィックスの配布に使われるプロトコルは「ルーター広告(RA▼)」と呼ばれる。後半部分のインターフェースIDはクライアントが自動で生成する▼。
DNS情報の配布にDHCPを使う
ところが、DHCPはクライアントのIPアドレスの配布だけではなく、DNS▼サーバーのIPアドレスなど他の重要な情報も配る役割も果たしている。
このため、DHCPのIPv6版である「DHCPv6」の仕様が作られた。DHCPv6はDHCPのIPv4バージョン(以下、DHCPv4)と同様に、128ビットのIPv6アドレス全体を配るとともに、DNSサーバーのIPアドレスも配布する▼。
一方で、IETF▼などの仕様策定の場では、やはりDHCPに頼らずにレイヤー3だけでアドレス設定を完結すべきだという主張も根強かった。そこでRAを使ってDNSサーバーのIPアドレスも配布するオプション仕様が作られた。これは「RDNSS▼」と呼ばれている。
2つの方法を組み合わせて運用
SLAACとDHCPv6の2種類を組み合わせて使う運用もある。
基本的な組み合わせとしては4種類が考えられる。1番目は、RDNSSを組み合わせてSLAACでルーターがIPv6のプレフィックスとDNS情報を配る方法。2番目はルーターがプレフィックスを配り、DNS情報はDHCPv6が配る方法である。DHCPv6サーバーがIPv6アドレスの状態(ステート)を保持しないため、この方法のDHCPv6は「ステートレスDHCPv6」と呼ばれる。
3番目の方法はDHCPv4と同様に、IPv6アドレス全体とDNS情報の両方をDHCPv6サーバーが配るというもの。これはサーバーがIPv6アドレスの状態を保持しているため、「ステートフルDHCPv6」と呼ばれている。4番目は、SLAACとDHCPv6の両方でIPv6アドレスを配る方法だ。



















