読む・考える・書く

マスコミやネットにあふれる偏向情報に流されないためのオルタナティブな情報を届けます。

Dappiの闇は深い

Dappiとは

知らない人もいるかもしれないので一応説明しておくと、Dappi(@Dappi2019)というのは、自公政権を一方的に擁護し、左派・リベラルを攻撃するデマばかり流している、Twitterの「大物ネトウヨ」アカウントである。

Dappiが流してきたデマは数知れないが、いくつかピックアップしてみるとこんな感じだ。

Dappiは内調と関係している?

この悪質なネトウヨアカウントのDappiだが、ツイートする時間帯が平日昼間に偏っていることや、一般人には入手できないはずの資料を使ってデマを撒いていることなどから、個人ではなく自民党ないし政府筋から委託を受けた業者ではないかという疑惑が指摘されていた。

さらに昨年7月、「開示請求の鬼」ことWADAさん(@freeze210929)がDappiに関して「内閣情報調査室が有する一切の文書」の開示を求めたところ、なんと開示してしまうと「我が国の安全が害されるおそれがある」から存否さえも答えられないという、驚くべき回答が返ってきた。

WADAさんのnote

2 存否を明らかにしない理由

 本件開示請求の対象となる行政文書は、Twitterにおける特定のアカウントに関わるものであるが、本件対象文書の存否を明らかにした場合、内閣の情報機関である内閣情報調査室の情報関心等が推察されることになり、それによって、悪意を有する相手方が対抗・妨害措置を講じるなど、当室が行う業務の適正な遂行に重大な支障を及ぼすおそれがあり、ひいては我が国の安全が害されるおそれがある

 したがって、本件対象文書の存否を答えること自体が、法第5条第3号及び第6号の不開示情報を開示することとなるため、法第8条の規定に基づき、その存否を明らかにしないこととする。

つまり、Dappiは内調から情報や金を受け取ってネット上で組織的な世論工作を行っている疑いが濃厚なわけだ。事実とすれば大変なスキャンダルである。

ついにDappiは「法人」であることが判明

このDappiに対して、立憲民主党の小西ひろゆき参院議員が、事実と異なるツイートによって名誉を毀損されたとして損害賠償を求めているのだが、この訴訟関連で10月6日、プロバイダからDappiの発信者情報が開示され、Dappiは個人ではなく「法人」であることが明らかになった。

以下のFRIDAY DIGITAL記事[1]によると、この「法人」は都内のIT関連企業であるらしい。

「このアカウントの『法人』というのは、都内のIT関連企業です。小規模な会社ですが、会社情報の『主な販売先』に『自由民主党』と謳っていました。この規模でこの業務内容、ふつうに考えて…おや? とひっかかります」(IT関係者)

(略)

「資金力がある団体、組織が、一定の意図をもって多くの投稿をし、あたかもそれが『世論』であるようにみせかけることは、とても危険でしょう」(前出・関係者)

繰り返しになるが、以上でほぼ明らかになったのは、政府機関(恐らく内調)がIT業者に金と情報を渡し、意図的にデマを流させてネットの論調を間違った方向に誘導する世論操作を行っているということだ。内閣がいくつ潰れてもおかしくない大スキャンダルである。

マスコミがこれを追求しないのは「同類」だからか?

にもかかわらず、テレビや新聞等大手メディアにはこの事件を取り上げようとする動きがほとんど見えない。それは彼らもDappiの同類だからではないのか。

だとしたら、そちらのほうがDappi以上に深刻な問題だと言わざるを得ない。

 

【追記】(2021/10/10)

マスコミをDappiの同類扱いするな、といった雑なブコメが来ているので補足しておくと、ここではもちろんマスコミもDappi同様政府や自民党から金をもらって世論工作をしている、などと言っているのではなく、彼らの偏った報道姿勢が結果的にDappiと同様な効果を生んでいる(しかもより大規模に)と言っているのだ。

例えばこういうこと。↓

【追記終り】

 

[1] 『ツイッターで野党攻撃の匿名アカ…正体は「法人」だった SNSを使った世論操作?』 FRIDAY DIGITAL 2021/10/8