【新連載の漫画「殺戮の王」
(作者がpixivで公開したイラスト)】
プロの漫画家を目指し、WEBマンガやYouTubeで活動する上田市出身の「ヤギ君」(ペンネーム)は、10月9日から「少年ジャンプ+」で新連載することが決まった。
「少年ジャンプ+」は月間読者数がアプリとブラウザで計700万人を超える「WEB漫画誌」。
インディーズ連載権の獲得には、マンガ投稿サービス「ジャンプルーキー!」内で毎月開催される「連載争奪ランキング」で人気を得る必要があり、ヤギ君が投稿した漫画「殺戮の王」は、2021年3月期で「連載争奪ランキング1位」を獲得した。
「殺戮の王」は「国を守るために生涯を捧げてきたが、王は守っていたと思っていた国民に処刑された。
しかし、目が覚めたら15歳の少年だった。シュヴァは全てに復讐をする」というストーリー。
「ペンネームの『ヤギ』は英語では『Goat』で、最高のキャラクターという意味もあることから名付けた」と話す上田市出身のヤギ君(26)は、同市十人の「美容室サロンド30」が実家。
子どもの頃から、絵がうまく美術部や漫画部の部長だった姉の影響で描き始め、14歳の時に小学館新人コミック大賞に初めて応募。
ストーリー、画力、構成力の10点満点中3点だったが、自分の実力が知れるのがうれしくてチャレンジを続けたという。
中学3年生の時に「上田市マルチメディア情報センター」で、漫画の先生による塾があり、漫画制作の基礎を教わった。
当時、漫画家を目指す主人公の漫画「バクマン」にも影響を受けた。
主人公は同年代だった。高校卒業後に上京し漫画の専門学校に通った。
当初は、出版社を通して活動する漫画家(アナログ原稿)を目指し、10年ほど漫画賞の応募や出版社への持ち込みを続けたという。
「数カ月かけて制作した原稿を10分で編集者に否定されたときは落ち込んだ」とヤギ君。
「サイトの人に見てもらうのが手っ取り早い」と、数年前から”デジタル原稿”に切り替え、WEB上で漫画を発表。
サイトのフォロワーらに直接評価してもらう「第二世代」漫画家と呼ばれるスタイルに移行した。
漫画賞で落ちた漫画を投稿サイト「マンガボックスインデーズ」に上げていき、そこからイラスト投稿系SNS「pixiv」や「ジャンプルーキー!」に投稿を始めた。
また「YouTube」で広告を付けながら絵を投稿したいと思い立ち、2年前からライブ配信で絵を描くなどYouTubeを中心にフォロワーを増やしていった。
「フォロワーと会話しながら描くことで、絵を描くモチベーションがあがる」とヤギ君。SNSで知り合った人から絵の依頼などもあるという。
ヤギ君は「長期連載は初めてなので、やってみないとわからないけど挑戦。人気が出て連載を長続きさせ、単行本化やアニメ化を目指したい」と話していた。
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代表作は「第7回 サンデーうぇぶり新人賞」フリー部門で銅賞の「ヤンキーちゃんが地味メガネに恋する話」。
ライブ配信は、YouTube「ヤギ君チャンネル」。