宇宙が黒く見えるのは
太陽の光を反射するものがないためです。
宇宙空間はほとんど何もない真空なので
反射する物がなく、
光はまっすぐ通過して行ってしまいます。
反射して私たちの目に戻ってくる光がないので、
宇宙空間は黒く見えるのです。
地球などの惑星や月などの衛星は
自分では光りません。
これらが夜空で光って見えるのは、
太陽の光を反射しているためです。
地上では空気があり、
空気の小さな粒(分子)に太陽の光が当たり
それが様々な方向に反射するので
空が明るく見えます。
このとき青い光が一番多く反射するので、
空は青く見えるのです。
海流の「黒潮」を聞いたことがありますか。
黒潮はプランクトンの生息数が少なく
透明度が高い海水で、
太陽の光をあまり反射しないため
青黒色に見えるので
そう呼ばれています。
たとえば、広い森にいるとして
真ん中から真横に向かって矢を放ちます。
そしてこの矢は地面には落ちずに、
何かに当たるまで飛び続けるものとします。
すると近くの木には当たらずに
間をすり抜けていったとしても、
いずれは必ず木に当たることになります。
森は無限であるため、矢が飛んでいく道筋には
どんなに遠くても必ず木が存在します。
同様に宇宙にも無限に光る星があるとして考えると、
さっきの矢の例と同じように、
地球から空のどの方向を見上げても、
必ず光る星が存在していると考えます。
仮に星と星の間を見上げても、
その奥には必ず他の星があるはず
だと考えられました。
つまり、夜空を見上げた時に、
星のない、黒く見える部分があるのはおかしい!
暗い夜空は存在しないはず
だと考えられていました。
このように存在するはずのない
暗い夜空がなぜ存在しているのか、
という矛盾した問題のことを
オルバースのパラドックスと言います。
光というのは
時速10億km以上という速さで進みます。
光が一年間で進む距離を一光年といいます。
私たちが一光年先の星を眺めているとき、
その光は星が一年前に放った
ということになります。
1億光年先の星からは1億前の光が届いています。
ビッグバンが起きて
宇宙が膨張しはじめてから現在138億年です。
つまり、
地球から138億光年以上離れた星からの光は、
いまだに私たちの地球には届いていません。
なぜ夜は暗いのか?という問題の答えは、
宇宙が膨張しているからとなります。
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