日本の観光地をほめると「中国にはもっと美しい場所がある」とかみつかれたり、「マナーがいい」というと一面的だと怒られたり。炎上しないようにと自主規制することも多々あるという。
「もともと中国人の多くは先進国である日本に憧れを抱いていました。日中関係が悪化し、表だって日本好きだと言えない時期でも、心の中では日本をうらやましく思っていました。どういう社会なのか知りたいというニーズはあったのです。ところが、最近になって、心の底から中国は偉大だと信じ切って、海外をほめることは中国をけなすことだと怒鳴り散らす人々が増えつつあります」(同上)
「偉大なる中国」に自信を持つ若き中国人。こうした人々は近年増え続けてきたが、今年になってその影響力が一気に増したのには理由がある。
新型コロナウイルスの流行前、日中関係は良好な状況を迎えていた。2018年の安倍晋三前首相訪中を皮切りに首脳外交が復活し、2020年春には習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪日も予定されていた。コロナで立ち消えとなってしまったが、もし実現していれば「日中関係は史上最良の時期を迎えた」ことが喧伝されていただろう。
逆にコロナ禍の中国で台頭したのが、「偉大なる中国」という自信だ。武漢市という最初の流行地を抱えながらも感染拡大の抑え込みに成功したことで、中国の人々は自信を深めた。
外出自粛や地域限定のロックダウン、娯楽産業の営業禁止など、人々の自由や経済にダメージを与える政策に中国の人々が反発しなかったのも、米国や英国などの先進国が多くの死者と混乱を招いたとのニュースを日々目の当たりにしていたことも大きい。
ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/