歴史認識などを巡って日韓関係が悪化する中で、この日韓高校生交流は大変意義深い民間交流です。
2016年3月25日~28日、全国の高校生1万人署名活動のメンバー18名と被爆者・被爆二世が、韓国の釜山と「韓国のヒロシマ」といわれるハプチョンを訪問しました。
3/25 福岡発フェリーで釜山へ
韓国訪問は、船内学習会から始まる。全国各地からの18名の高校生は、韓国訪問の目的を再確認するため、同行した長崎の被爆者から被爆体験を聞いたり、在韓被爆者や日韓関係についての事前学習。また、簡単な韓国語の学習や訪問先で披露する歌の練習なども。
釜山到着後、広島で被爆した金文成さんの話~ 7歳の時に被爆し、左半身に大火傷を負い、その後帰国したが、苦しい生活が続いた。左足の傷は回復しないまま、家族にも隠していた。その後皮膚がんとなり、1994年長崎で治療を受けた。
3/26 ハプチョン 110人余りの被爆者が在所する原爆被爆者福祉会館訪問
広島・長崎で原爆の被害を受けたのは日本人ばかりではない。日本人以外で最も被爆者が多いのが韓国・朝鮮の人々だった。その中でも、縁者を頼って広島に多く住んでいたハプチョン出身の人々が被爆後帰国したため、ハプチョンは「韓国のヒロシマ」と呼ばれている。在韓被爆者の皆さんは、何の援護も受けらず苦労を強いられた。在韓被爆者援護事業に40億円を支出することに韓日政府が合意したのが、被爆後45年経過した1990年のことだった。その時建設されたのが、ハプチョンの原爆被害者福祉会館で、現在110人余りの被爆者が入所している。1万人署名活動では毎年会館を訪問、被爆者の皆さんは日本の高校生との交流を楽しみにしてくださっている。
この日、 高校生は韓国の高校生宅へホームステイ
3/27 釜山駅前広場で、韓国の高校生150名と街頭署名活動 1時間で1060筆の署名
釜山駅前広に原爆被害の写真も展示し、日本と韓国の高校生がグループになって行う署名活動も、毎年恒例となった。高校生が行っている活動ということで足を止めてくださる方もいた。 核兵器の廃絶と平和な世界の実現をめざす署名の趣旨を、一度断られても熱心に訴え続ける韓国の高校生の姿に、日本の高校生も大きな刺激を受けた。1時間で1060筆の街頭署名のほかに、韓国の高校生が事前に集めていた署名約600筆を受け取った。
日帝強制動員歴史博物館見学ののち、フェリー泊で福岡へ
昨年開館したばかりの日帝強制動員歴史博物館 には、日本の植民地であった時代の歴史が、多くの写真を使って丁寧に展示してある。高校生たちは、日本に原爆が投下されるまでに何があったのかについて学んだ。世界遺産となって注目されている長崎の軍艦島(通称)でも、炭坑に強制動員され過酷な労働を強いられた韓国・朝鮮の人たちがいた。
3/28 福岡着 解散
多忙な3泊4日の訪問だったが、高校生たちは多くの体験や学習を通して、これから何をすべきか、何ができるのかについて考え、核兵器の廃絶と平和な世界の実現をめざして決意を新たにしました。