自前のデスモサービス・・バルブクリアランス測定
MONSTER1100S
私の愛車であるDUCATI。
DUCATIの特徴といえば、バルブスプリングを使わないで、閉じ側もカムで強制的に閉じる、デスモドローミックシステムなのです。
そのデスモシステムのバルブクリアランスを点検することをDUCATIではデスモサービスと称しています。
そのデスモサービスはマニュアルでは定期的な実施が定められています。
わたしのモンスターも26,000kmを超え、とっくにデスモサービスの実施時期を過ぎてますから、自前でデスモサービスをやりました。
こんな感じにタンクを上げて、バッテリー関係もとりはずしてリアバンクのシリンダーヘッドにも手が入るようにして作業を始めます。
最初はフロントバンクの排気側から。
空冷の1000〜1100のエンジンは、正方形ぽいロッカーのカバーになっています。
ココを外すとシムが見えます。
ところで、1000〜1100のDSエンジンは、このカバーのシールがOリングになっていますので、紙ガスケットと違って多少は使い回ししても大丈夫です(笑)
情報では1100もEVOだとOリングでないゴム系パッキンになっているそうです。
デスモは、強制開閉システムですので、バルブの開け側と締め側の両方にロッカーアームがあります。
ということは、開け側と閉め側の両方にシムがあり、クリアランスを測定しなければいけない・・・ということになります。
写真は開けシムを拡大していますが、1000あたりのモデルからのシムには、サイズが刻印されていて、実際にシム厚を測定しても、ほとんど誤差はなく、信用できる数字です。
ですから、個人でシム調整をする場合でも、この数字を信用して交換シムのサイズを決めてもほどんど問題ないと思います。
昔のはなしのように、シムを沢山持って準備しておく必要も無いだろうと思います。
ココからはクリアランスの測定です。
写真は開け側のクリアランスを測定しています。
リアバンクの排気側ですが、0.11mのシクネスゲージを入れてちょうどでした。
バルブクリアランスの測定は、結構狭いところで測りますので、シクネスゲージは一枚一枚バラバラにして使うのが良いようです。
DUCATIの規定では点検時のバルブクリアランスは
フロント・リア、吸気側・排気側にかかわらず・・・
オープン側 0.05〜0.15mm
クローズ側 0.00〜0.20mm
となっています。
私の考えでは、シリンダーヘッドを組んだままで調整出来るのは開け側のみ。
閉め側の調整(シム交換)が必要になった場合には、シリンダーヘッドを外し、バルブのすり合わせを行ったうえで、開け側も締め側も調整し直すのが妥当なのかと思います。
オープン側のシムの測定は写真のように開け側ロッカーとシムの隙間を測ります。
では、クローズ側は・・・というと
直接クローズ側の隙間を測るのは意外とやりにくいのです・・・・
なので、クローズ側を測るには・・・
クローズ側のロッカーをドライバーなどで押し下げ、この状態でオープン側の隙間を測定します。
このときのオープン側の隙間は、純粋なオープン側の隙間に、クローズ側の隙間が加わった数字になります。
結果、推測されるクローズ側の隙間は、前述の2つの測定値の差ということになります。
今回の例で言うと・・・・
フロントの排気側の測定では
純粋なオープン側のクリアランス=0.09mm
オープン+クローズのクリアランス=0.11mm
計算上のクローズのクリアランス=0.02mm
となり、どちらも点検時のクリアランスの基準内であることが確認できました。
今回の測定値を記録しておきます
FバンクIN側 op 0.09 op+cl 0.10 cl 0.01 openSIM3.00
FバンクEX側 op 0.09 op+cl 0.11 cl 0.02 openSIM2.85
RバンクIN側 op 0.11 op+cl 0.14 cl 0.03 openSIM2.95
RバンクEX側 op 0.11 op+cl 0.13 cl 0.02 openSIM2.90次の点検は4万キロ走行時とかですかね〜。
そのときにはバルブのすり合わせもしてみたいですね♪
PS
ところで、ドカのメンテについて、期間がみじかいとか感じる人たちも多いんだと思います・・
けれど・・・・
国産車でシム式の場合、皆さん定期的に点検できてるんでしょうかね〜??
まさか、高級バイクでタペット調整・・・ってのも無いでしょうし??
費用にしても、国産4発のシム調整なんかお店でやったらいくらかかるのだろう??
割とやっている・・・そうです。