エックスサーバー「新サーバー簡単移行」の手順と注意点

サーバー

Naifix は 2013 年の開設からずっとエックスサーバーを使っていますが、先日「最新サーバー環境へ移行できる」というアナウンスがあったので移行作業を行いました。

「新サーバー簡単移行」機能を使えば、データベースのコピーやファイルの移行といった面倒な処理は不要なのですが、マニュアルだけではわかりづらい点やつまずきやすいポイントがいくつかありましたのでご紹介します。

どんな使い方をしているかでつまずく箇所は変わってくると思いますが、ご参考になれば幸いです。

新サーバー簡単移行機能とは

新サーバーへの移行と聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、ざっくり「新しいパソコンに乗り換える」というイメージでよいと思います。

サーバー引っ越しイメージ

パソコンを乗り換えるときって、ハードディスク内のデータも移しますよね。クラウドサービスや専用ソフトを使えばそんなに難しくありませんが、完全に移行するのは時間も手間もかかります。

サーバーを変更するときも同じで、データをすべて移行し、さらにドメインの再設定やサーバーに合わせたデータ変更なども行わなければなりません。

そういった面倒な作業を代行してくれるのが「新サーバー簡単移行機能」です。

最新サーバーへの移行手順

移行手順は、エックスサーバーのマニュアルに記載されています。

こちらでやることは、以下の 3 つです。

  1. データコピー申請する(ボタンをクリックするだけ)
  2. ちゃんとコピーされているか確認する(エラーが出ているとちょっと面倒かも)
  3. 問題なければ移行する(ボタンをクリックするだけ)

何も問題が起きなければ、ボタンをクリックするだけでほぼ完了します。

でも、つまずきやすいポイントがあります。

サーバー移行時の注意点
  • 何に使ったか覚えていないデータベースがある
  • コピー開始から移行完了までのあいだはブログを更新しないほうがよい
  • コピー時にエラーが出たまま移行するとブログが表示されなくなる

というわけで、このあたりをふまえつつ手順を解説していきます。

新サーバー簡単移行機能の使い方

実際に Naifix で行った手順とエラーを載せていきます。

キャッシュ系プラグインを使っている方へ
Naifix で検証後、数件移行処理を代行しました。

そのうちキャッシュ系プラグインを使っている WordPress があると高確率でエラーが出ましたので、移行前にあらかじめ OFF にしておくことをおすすめします。

新サーバー簡単移行ページに入る

インフォパネルにログインして、左下の「新サーバー簡単移行」に入ります。

エックスサーバー 新サーバー簡単移行

簡単移行機能のページに移ったら、「データコピー申請」ボタンをクリック。コピー作業が行われるだけですので、あまり深く考えずクリックして OK です。

エックスサーバーデータコピー申請を行う

ただ、このまま移行まで完了させようと思うなら、コピー申請後にブログ更新作業は行わないほうがよいです。

データはリアルタイムで移行されるわけではないので、コピー開始から移行完了までのあいだに更新した記事は自分で移行する必要があるからです。

データ移行イメージ

掲示板や会員制サイトなど、ユーザーが更新するタイプのサイトを移行するなら、移行完了まで更新されないようにしておいたほうがよいかもしれません。

ちなみに、移行手続きから新サーバーに完全に切り替わるまで 24 時間ほど見ておいたほうがよいです。

データコピー申請前の確認

申請ボタンを押すと現況のチェックが行われ、コピーに必要な手続きがあれば表示されます。

Naifix で出てきたのは以下の 2 点です。

  • 共有 SSL が使えなくなるという注意
  • MySQL ユーザーのパスワード設定

共有 SSL は PayPal で画像を読み込むさいに使っていましたが、独自 SSL に変更していたのでとくに対応せず済みました。

なお、独自 SSL だけ使っているなら何もしなくて OK です(というか、共有 SSL を使っていた人はあまりいないかも)。

 エックスサーバー独自SSLが無料!WordPressサイトをHTTPS化する方法

MySQL に関しては全然覚えていなかったので、サーバーパネルに入って確認してみました。

エックスサーバーでMySQLを確認する場合

ユーザ一覧を参照して、指摘されたデータベースを確認します。

エックスサーバーMySQLユーザー一覧

どうやら、遊びでインストールした concrete5 のデータベースだったようです。

もう使っていなかったので削除してから再度コピー申請しましたが、使っているデータベースなら間違って消さないようにしてくださいね。

WordPress 自動インストールだけ使っているなら、このメッセージは出ないと思います。

WordPress をたくさんインストールしていて、どれがどのブログかわからなくなったときは、wp-config.php をチェックしましょう。

FTP でサーバーにアクセスし、wp-config.php をダウンロードしてください。

FTPでwp-config.phpをダウンロードする
FileZillaでサーバーに接続してwp-config.phpを探す

ファイルを開くと、最初のほうに「データベース名」「ユーザー名」「パスワード」が記載されています。重要情報なので、取り扱いに注意してください。

wp-config.phpに記載されているデータベース情報

注意事項を確認したら、「データコピー申請」ボタンをクリック。

エックスサーバーデータコピー申請チェック項目

以下の画面に移ると同時にメールが届きます。

エックスサーバーデータコピー申請完了

その後、コピー開始時と完了時にメールが届くので確認しておきましょう。

コピー状況を確認する

「混雑しているためコピー完了まで最大 48 時間かかるかも」と書かれていましたが、30 分ほどでコピーが終わったというメールが届きました。

メールを開くと、エラーが発生したという報告が・・・

 【!】ファイルコピー時にエラーが発生しています
───────────────────────────────────

このたびのデータコピー作業において、最新サーバー環境への
ファイルコピーに失敗したフォルダ・ファイルがございます。

最新サーバー環境へ切り替える前に、
以下「データコピー状況の確認」でご案内の手順に沿って、
『データコピー実行ログ』をご確認くださいますようお願いいたします。

とりあえずエラー内容を確認するため、再びエックスサーバーにログインします。インフォパネルにメッセージが表示されているので、そのまま「新サーバー簡単移行へ」から手続きページへ。

エックスサーバー新サーバー移行手続き確認画面

コピー完了のメッセージにある「データコピー実行ログ閲覧」をクリックします。

新サーバーコピーログ閲覧

ファイル補正ログをチェックすると、どうやら wp-config.php の書き換えができなかったようです。

新サーバー移行時のエラーログ

セキュリティ向上のため、パーミッションを 400 にしていたのが原因ですね(デフォルトでは 600 になっていると思います)。

データベース情報が更新されなかったため、自分で書き換えて対処しました。

新サーバー側のデータを編集する方法は 2 つあります。

(1)コピー完了画面からファイルマネージャーを起動する

ここから新サーバー側のファイルマネージャーを起動できる
ここから新サーバー側のファイルマネージャーを起動できる

(2)FTP で新サーバーに接続する

サーバー(ホスト名)を変更するだけで新サーバーに接続できます。コピー完了メールに記載されているので確認しておきましょう。

エラーログに出ているメッセージが具体的に何を指しているのかわかりませんが、どうやらエラーが発生していなくても出るようです。

mirror: Fatal error: gnutls_record_recv: The TLS connection was non-properly terminated.

以下のサイトもご覧ください。

wp-config.php 以外のエラーがわからなかったので、目視でざっと確認するしかなさそうです。

新サーバーの表示確認

データがコピーされた新サーバーでの表示をチェックしたいところですが、ただ naifix.com にアクセスするだけだと元のサーバーを見ることになります。

従来のサーバーへのアクセス
今までのサーバーを見ている

そこで、hosts ファイルを編集して、自分(のパソコン)だけ新サーバーにアクセスするよう設定しなければなりません。

新サーバーにアクセスする
管理者のみ新しいサーバーにアクセスする

Windows で説明しますが、まずメモ帳を右クリックから「管理者として実行」します。その後、以下のファイル名をコピペして開いてください。

C:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hosts

メモ帳からhostsファイルを管理者権限で開く

次に、一番下の行に以下の一文を追記します(Naifix の場合)。

183.90.242.36 naifix.com

左の数字が新サーバーの IP で、右がドメインです。IP とドメインのあいだに半角スペースを入れてください。

新サーバーの IP は「移行元・移行先の操作」から確認できます。

移行元・移行先の操作

「移行先」に表示されている IP アドレスをコピペすれば OK ですね。

新サーバーのIPを確認する

メモ帳を上書き保存したら、ブログにアクセスしてみましょう(コピー完了から表示を確認できるまで 1 時間ほどかかるかもしれません)。

このとき、Ping でサーバーの IP を簡単にチェックできます。

コマンドプロンプトを開き、「ping+半角スペース+ドメイン名」を入力して実行します。

ping naifix.com

表示されている IP と新サーバーの IP が一致しているか確認してください。

コマンドプロンプトでPingを実行

一通りチェックしたら、メモ帳に追記した部分を削除して元の状態に戻しておいてくださいね。

サーバー切り替えを実行する

新サーバーの状況を確認して問題がなさそうであれば、あとは切り替えを実行するだけです。

「新サーバー簡単移行」のページから「サーバー切り替え」をクリック。

サーバー切り替えを実行

次のページの注意書きを読んで、再度ボタンをクリックして完了です。

サーバー切り替え時の注意点

注意書きにもあるとおり 14 日間は元のサーバーにアクセスできますし、元に戻すこともできます。もし画像ファイルの欠損などが見つかったら、元のサーバーからダウンロードして新サーバーに移しましょう。

WordPress の場合は、バックアップファイルから復元してもよいですね。

新サーバーに移行して表示速度はどうなったのか

以上で作業は終了ですが、気になるのは「サーバーを移行したらどうなるか」だと思います。

Naifix では以下のような結果となりました。

■移転前速度
サーバー移行前のNaifix速度

■移転後速度
サーバー移転後のNaifix速度

ほぼ同じ時間帯に GTmetrix で計測しましたが、移転前の速度が遅すぎですね・・・

Google アナリティクスで見るとこんな感じです。少しは速くなっているかも?

Googleアナリティクスで見るサーバー応答速度

アクセスが集中したときに怒られることが多いので、それがなくなってくれるといいな・・・

まとめ

以上、エックスサーバーの新サーバー移行手順と注意点でした。

これから新規契約される方は新サーバーになっていますので、作業は必要ありません。本格的なブログ運営を考えるなら新スペックのエックスサーバーを候補に入れてみてください。ドメイン無料キャンペーンなども定期的に行われていますよ。

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それでは、また。

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Naifix 編集部

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執筆・監修 Direx Marketing, Inc.