「就活の軸」は効率的な就活と企業選びに必要
こんにちは、ワンキャリ編集部です。
就職活動を進めると、必ず言われるのが「就活の軸を持ちましょう」という助言。「就活の軸」とは、あなたが就活をする上でどんな基準をもって行動するかを指します。軸を定めることで志望動機が具体的になり、面接官を納得させやすくなります。また、受ける業界・企業を絞ることができ、効率的な企業選びもできます。
しかし「就活の軸が重要だ」と言われても、企業研究もできていない段階では、見つけ方も分からず、まごつく方も多いはず。そこで今回は実践的で簡単な「本音の軸」「建前の軸」と2層に分ける方法で、深みのある「就活の軸」を作るポイントをお伝えしたいと思います。
<目次>
●就活の軸の作り方:「本音の軸」と「建前の軸」
●「建前の軸」の例と答え方:本音を言い換えたものに
●「本音の軸」の例と答え方:最終兵器に使おう
●就活の軸の深掘りをして、自信を持って志望企業に挑戦しよう
就活の軸の作り方:「本音の軸」と「建前の軸」
どんな就活生にも本音と建前があります。例えば「将来、世界のどこでも働ける人材になりたい」という夢がある人の本音は「バリバリ海外で働いてモテたい」かもしれません。
就活の軸を作るためには、まず自己分析をして、自分の「本音の軸」を見つける必要があります。「そんなの分かりきってるよ」と思うかもしれませんが「ぶっちゃけると、どんな会社で働きたい?」と質問すると、こんな答えが返ってくるものです。
・バリバリ働きたいが、18時には帰りたい
・家庭を何よりも大切にしたいが、会社で鍛えられて成長したい
・お金も大事だし、待遇面のいい会社がいいが、厳しい環境に行きたくない
こういう理想は、残念ですが2つ同時にはかないません。お金・やりがいを求めれば激務になりがちですし、安定した働き方を求めるなら仕事にルーティンワークが増えます。そこで本音の軸は必須だと思うものから優先順位をつけて絞る必要があります。
下記に、「仕事を通して最も得たいもの」と「そのために犠牲にしてもいいと思うもの」を明文化し、「本音の軸」を絞るためのテンプレートを用意しましたので、使ってみてください。
就職先が( )ならば( )でもいい・例文1:就職先が( 30歳までにお金1000万円もらえる )ならば( 多少は激務 )でもいい
・例文2:就職先が( 大企業でモテる )ならば( 仕事内容は単調なもの )でもいい
こんな風に希望の条件を最低3つは書いてみましょう。徐々に「本音の軸」が絞っていけるかと思います。こうして条件を絞るときは「なぜ激務でも高い給料が欲しいか」など、根拠を明確にしておきます。例えば、激務でも年収が欲しい根拠に、「承認欲求が異常に強く、他者から認められる定量的な指標の1つが年収だから」といった根源的な欲求を挙げる人もいるでしょう。このように、自身が重視する条件を絞った理由が、あなたの就活の価値観そのものです。次はいよいよ「建前の軸」に移っていきましょう。
「建前の軸」の例と答え方:本音を言い換えたものに
「建前の軸」と言ってしまうと、まるでウソをつくようですが「本音の軸」をベースにして作ります。本音の軸で作った「○○で働けるならば、××でもいい」という雛形(ひながた)から「××でもいい」を切り取ってポジティブに言い換えメリットを伝える「建前の軸」です。
上記の例文で使った「30歳までに1000万円もらえる、年収の高い仕事なら、多少は激務でもいい」で実践例を考えてみましょう。まずは後半の「多少は激務でもいい」を切り取ります。そして「激務の会社」で得られることを考えます。
激務の会社であれば……
・入社後、タフな環境で成長できる
・同級生より早く経験を積むことができる
といった利点を思いつくことができます。この利点を「タフな環境で成長したい」「早く経験を積みたい」と言い換えることによって一貫性のある「建前の軸」が生まれます。
もう1つの例である「就職先が大企業でモテるならば仕事内容は単調なものでもいい」でも考えてみましょう。
仕事内容が単調ならば……
・常に安定したパフォーマンスを発揮しやすい
・(繰り返し同じ業務を行うことで)正確に業務を遂行する能力が身につく
といった利点を考えることができます。あとは受ける企業に合わせて「常に安定したパフォーマンスを出せる人材でありたい」と言ってもいいですし、「正確さが求められる仕事がしたい」 と言っても構いません。
このように「建前の軸」を本音の軸から作り出すことで、説得力があり、かつブレない自分の価値観を理解してもらえるのです。
「本音の軸」の例と答え方:最終兵器に使おう
一度「建前の軸」さえできてしまえば「本音の軸」は、不要なのでしょうか? 実は「本音の軸」が活躍する最大の機会は、圧迫面接です。
圧迫面接では「君の志望動機ってウソなんじゃないの?」といったわざと少し意地悪な見方で面接官が確認してきます。そこで軸が建前であることを疑われている場合は、「本音の軸」を取り出します。
例えば、「タフな環境で成長したいなんて言って、いざ働いたら逃げ出すんじゃないの?」と言われたら、「本音の軸」を使ってこんな風に答えられます。
「私は幼少期から貧しい家庭で育ったので、お金の大切さを知っています。そのため、御社に入社したら稼いだお金で家族を助けたいと思っています。そのためなら、タフな環境でも全く構いません」
こんな風に「本音の軸」を準備しておけば、企業側を納得させることもでき、建前の軸しか持たない他の学生と評価で差をつけられる深みのある自己アピールができるのです。
就活の軸の深掘りをして、自信を持って志望企業に挑戦しよう
ここまで、就活の軸の作り方について伝えてまいりました。多くの学生が目の前の選考に追われて、ないがしろにしがちな「軸」。しかし、深掘りして作ることでどんな選考でも物怖じをせず挑むことができますし、結果、内定にもつながります。企業とのミスマッチも防げるでしょう。「本音の軸」と「建前の軸」を使いこなして、就活を成功させましょう。
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