プサンの日本領事館前に建てられた慰安婦像問題をエコノミスト誌が報じているが、問題だらけなので検証したい。尚、通常、この種の反日記事を書くのは東京の契約フリー記者、ディビッド・マクニールだが、今回は「自分が書いた」とツイートしていないので、ソウル支局の記者が書いた可能性もある。

ajldnvkadnvladnlae

 題名は、"A spat over a statue puts South Korea and Japan at odds"(慰安婦像を巡る日韓の確執)。副題は、"Japan frets that a deal over wartime sex slaves may crumble"(戦時中の性奴隷を巡る合意が崩れそうになり、日本がイライラ)。これで分かる通り、全体のトーンは「性奴隷」を強調することで、韓国人が慰安婦像を建てるのは「当然」、それに怒る日本は大人げない、という論理で貫かれている。


THE sudden deal struck in late 2015 by the leaders of South Korea and Japan to settle their dispute over “comfort women” was supposed to be “final and irrevocable”. But South Korean groups representing the former sex slaves—tens of thousands of whom were pressed into prostitution by Japan’s imperial army during the second world war—had fiercely opposed the deal as a sell-out. One year on, a bronze statue of a teenage sex slave (pictured), set up by one of the civic groups last month outside Japan’s consulate in Busan, South Korea’s second-largest city, threatens to undermine the agreement.

  まず、慰安婦の定義を、「日本軍に強制されて売春させられた数万の性奴隷」と明記している。通常、朝日新聞や他の欧米メディアの場合、"forced to provide sex to Japanese soldiers"というように、「誰が」韓国女性に慰安婦になるよう強制したのか、主語を曖昧に表現しているが、エコノミスト誌ははっきりと「日本軍に強制された」と断言している。何も知らない外国人がこれを読めば、「韓国人が怒って像を建てるのも当然だ。日本は反省しろ」となるだろう。

 次に、慰安婦像を建てた市民団体が、元慰安婦の意思を代表する「怒れる韓国人」であるかのように表現し、日韓関係の破壊を目論む従北団体についての検証が全くできていない。日韓合意が「最終的、かつ、不可逆的」であったにも拘わらず、韓国側が一方的に破った事実を無視し、結局は日本が一方的に悪いニュアンスになってしまっている。

 
As part of the deal Shinzo Abe, Japan’s prime minister, apologised for the women’s ordeal. Japan pledged to pay ¥1bn (just over $8m) into a new South Korean fund to care for the surviving comfort women (there were 46 at the time, but seven have since died). That was something of an about-turn for Mr Abe, who had previously said he doubted the women had been coerced—a view that his many ultranationalist supporters espouse.

 これは、「安倍総理は、元慰安婦の苦難に謝罪した」と訳せるが、" the women’s ordeal"となっているので、上記の慰安婦定義を踏まえて、「日本軍に強制され、慰安婦として働かされた女性たちの苦難に謝罪した」と解釈できる。日韓合意で日本政府は強制連行を全く認めていない。合意文書を見れば明らかである。だが、エコノミスト誌はあれを「安倍総理や、日本の極右は、強制連行を否定してきたが、遂に観念して強制連行の事実を認め、謝罪して金を払った」と勝手に捻じ曲げて海外に喧伝しているのである。

 その他、「日韓合意で韓国側は、ソウルの慰安婦像を移設するよう、市民団体に頼んでみる、と約束しただけ(プサンに慰安婦を新設する問題は日韓合意と関係ない)」とか、「『日韓合意の精神』を先に破ったのは、靖国に参拝した稲田防衛相」などと、一貫して韓国寄りの論調を展開する。



An American retrenchment, if it materialises, would add to the unease the two countries feel at China’s rise and North Korea’s belligerence. In such fraught times, rekindling historic wrangles looks uncommonly unwise.

 そして最後に、「米軍の徹底、中国や北朝鮮の脅威が高まる中、歴史問題を再燃させるのは極めて愚かなことである」と上から目線で結論づけている。日韓の歴史問題に間断なく油を注ぎ続けているのは、誰なのか?他ならぬメディアである。朝日新聞が強制連行の吉田証言を訂正・謝罪し、社長が辞任する事態になったにも拘らず、そのことに全く言及せず、只管に「強制連行」「性奴隷」デマを垂れ流し続けている。戦勝国にとって、敗戦国の悪事は事実か否かに拘わらず、都合が良いので、検証抜きで受け入れてしまう素地がある。そんな心理が分かっているからこそ、中国も韓国も、嘘八百の被害者話を繰り返し主張し、世界中に喧伝することになる。そんな構図こそが、米日韓の同盟関係を危うくし、東アジアに緊張をもたらす原因となっている。

 この記事はマクニールが書いたものではないかもしれないが、マクニールが延々と書いてきた「性奴隷」偏向報道の結実でもある。朝日新聞が捏造報道を謝罪した時、朝日に追随して強制連行デマを報じてきた外国メディアは黙殺し、訂正も謝罪もしなかった。自分たちの誤報を認めていないのだから、同じ論調でデマを垂れ流し続けることになる。このような世紀の報道犯罪をいつまでも見過ごすことはでいない。官民あげて欧米メディアの捏造報道と対決する必要があるだろう。


 


人気ブログランキングへ