0

Share

20091017レジュメ

Download to read offline

Related Audiobooks

Free with a 30 day trial from Scribd

See all
  • Be the first to like this

20091017レジュメ

  1. 1. 「 読書するエンジニアの会」 第 17 回「住居」
  2. 2. 1.【図書紹介】       「暗愚の共和国 -北朝鮮工業の奇怪-」              李 佑泓(イ ウホン) 著 ・ 1984 年 4 月~ 1985 年 8 月( 1 年 4 ヶ月)元山(ウォンサン)農業大学で  客員講師を務めていた著者の北朝鮮の工業面のルポ。 ・前回は著者の専門分野の農業面ルポ「どん底の共和国」をご紹介。  今回は工業面での見聞を元にした著書。 ・次ページの通り、序章+7章の構成。本テーマの「住居」に関しては  その中の第三章に該当。 ・本書は   「凍土の共和国(生活面ルポ)」   「どん底の共和国(農業面ルポ)」->前回ご紹介  と共に北朝鮮基本書籍3部作を成す一冊。  
  3. 3. 2.【内容構成】 序章:常識が通用しない国の「常識」 Ⅰ :電力-科学無視の漏電体系- Ⅱ :炭鉱-恐怖の地底- Ⅲ :建設業-虚飾の実態-            一 張子の虎「大建造物」群            二 どんぶり勘定方式の内部構造             三 深刻な住宅難と倒壊するビル            四 常識無視の道路・橋梁建設            五 ずさん建築の原因と背景 Ⅳ :化学工業-構造的ないないずくし- Ⅴ :金属工業-釘や針金のない日常生活- Ⅵ :機械工業-輸入品を組み立てて国産と偽称- Ⅶ :公害-生水厳禁の国-
  4. 4. 3.【どんな所に住んでるの? 】                 ※私有財産・土地所有を認めない国是の為、     平等性・集団性の高い居住状況 ( 1 )都市部     ->集合住宅(文化的な高層建築アパート) ( 2 )農村部     ->共同長屋・或いは一軒屋農家(集団農業に向いた住宅設計) 党による住宅供給政策により、家賃は存在しない! 党が住むところを指定してくれるので非常に楽!
  5. 5. 4.【どうやって建設するの?】 共和国を陥れる国々による陰謀で資材が緊張しがち。(不足はしてない) 「自力更生精神」(自分たちで何とかする)で建設する。 ( 2 )海岸や河川があるので、砂は結構豊富 コンクリート&ブロックは自分たちで作れる! 木枠を作って砂を投入。人海戦術で練りこめば 建設用コンクリートブロック完成! ( 1 )地震の無い土地 日本みたいな病的な耐震構造は要らない! コンクリートブロックの単純積み上げ方式で出来る!
  6. 6. ( 1 )積み上げやすいコンクリートブロックで、高層住居が   短期間にたくさん建て易い。( 179 ページ参照) ( 2 )難解で高度すぎる技術が無くでも、住民の力を結集する人海戦術で   建設可能。 ★ 労働者の国、地上の楽園に相応しい威容を誇る住宅群!★ 5.【どんな住まいが出来るの?】
  7. 7. 6.【で、問題点は?】 (1)自力更生精神では補えない住宅建設に必須の機材が存在。    (貯水タンク、揚水ポンプ、電力など)    ->生活用水が上層階に届かず、住民が居住不能に。     そして、この元高層階の住民が近隣の低層階に住む親類の     家などに転がり込んで住民監視が困難に。 (2)自力更生が行き過ぎて、建設途上にうっかりミスが頻発。    ①壁面に窓用の穴を空けて積むべきところをピッタリ      積み上げちゃったのに気が付いて、強引にブチ貫く。        ->他の部分のブロックが崩れて、作業してた住民          (帰国した著者の友達)大怪我。    ②玄関ドアの蝶番の固定向きがバラバラ。        ->住民動線の阻害要因になり、ストレスフルな居住空間。
  8. 8. (1)「傾斜ビル」「まちまちビル」の写真( 145 ページ) -> 水平&垂直の測量が甘く、建てているうちに傾斜や歪みが発生。   地面に対して斜めのビルや、各階の天井までの高さがまちまちの ビル完成。 (2)「まちまち階段」の写真( 151 ページ) -> 室内設計の甘さから、これまた歪みが発生。駆け下り厳禁の階段。 (3)倒壊現場? -> 著者は、グシャグシャにつぶれたビルを目撃。   あれは何か?と尋ねたら、北朝鮮の指導員は不機嫌になって「解体現場です・・・」  北朝鮮を訪れた他の人も似たような現場を目撃しており、??? 7.【じゃあ、証拠はあるの?】
  9. 9.      高層の住居建築を止める -> 「 労働者の国、地上の楽園に相応しい威容」 を云々より   自国の資力・技術力に合った住居を建造すべき。 -> 大体 2 ~ 3 階建ての平屋的住居をたくさん作るべき。 8.【さて、解決策は?】
  10. 10. 9 .【おまけ】                錦繍山記念宮殿 故金日成主席が住んでいた官邸を死後、遺体保存&公開の場として改造。      入り口            外観               内部