ヒストールのブログ

リバティとライツの下準備

【北欧神話】太陽を配置する四ドワーフと新葦原中国

 

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妖精女王ティターニアか妖精王オーベロン?
 
 帝高陽之苗裔兮皇考曰伯庸━━『楚辞』離騒
 始皇帝より昔、身分に関らず、詔、璽を使っていた。

 

 ハロー、ガイズ。
 わたし聖書バイブル北欧神話ノアス・ミサラズィスウェーデン好きのヒストール、よろしくね。
 これは北欧神話ノアス・ミサラズィの四ドワーフから見えてくる真太陽と葦原中国シンアシハラノナカツクニの記事だ。
 

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妖精文字

 
  型月世界、Fateシリーズには「妖精文字」が出てくる。これは一般的な「妖精」、蝶々の羽持つ小さな人型とは違う。エクスカリバーの剣と鞘、ギャラハッドの盾、これらに描かれたよく分からない文字。神代しんだいの武器や防具や道具、神殺しにさえ使える力持つ「妖精」の文明。神代しんだいの妖精は北欧神話ノアス・ミサラズィの「ドワーフ(ドヴェルグ)」が元ネタだ。
 

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東のアウストリ、西のヴェストリ、北のノルズリ、南のスズリ(ルーン文字)。
 
太陽はおのれの館が
いずこにありやを知らず
月はおのれの力を知らず
星々はおのれの座が
いずこにありやを知らず
━━『エッダ』「巫女の予言」5 谷口幸男訳

 

 ドワーフは、トールキン以降のファンタジー「髭面で鍛冶に優れた小人」「ホビットとは異なる種族」の文脈が強い。しかし、トールキンの背景、北欧神話ノアス・ミサラズィにおけるドワーフは【神々の道具を創る者】の文脈が色濃い。北欧神話ノアス・ミサラズィの神々は不死でなく死ぬ。神々はドワーフが創った武器や巨人によって死ぬ。そして、神々に先んじて、ユミル殺しのオーディンらに配置された東西北南のドワーフ四人のドワーフムスペルヘイムの火花をとらえ、太陽と月と星を配置し、それらの軌道を定めた。東のアウストリ、西のヴェストリ、北のノルズリ、南のスズリ。ドワーフを小さな人の一種と捉えるのと、ドワーフは太陽や月や星を定めた創世者と捉えるのはまったく違う。
 

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火曜日チューズデーテュールの右手を食べるフェンリル
 
東のイアールンヴィズ(鉄の森)に
一人の老婆住みて 
フェンリルの一族を生み
そのなかより怪物の姿をとり
日を呑み込むものあらわる
━━『エッダ』「巫女の予言」40

 

 北欧神話ノアス・ミサラズィの太陽女神ソールや月神マーニは金髪の人間で同生どうせい(シブリングズ)、太陽と月の名ゆえに神々の怒りを買った。彼らは罰として太陽と月を駆る神の役割をやらされ、巨人の一族である狼に追い立てられ、神々の黄昏ラグナロクに追いつかれる。北欧の狼というとフェンリルが有名。太陽女神が恐れる狼スコルは太陽を追いかけ、狼ハティ・フローズヴィトニスソンは月を捕まえようとしてる。狼の一族で最強なのがマーナガルム(月の犬)。マーナガルムは、死ぬ人間すべての肉で腹を満たし、月をとらえ、太陽を呑み込む。 

 

 

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Alfheim━━Land of the light Elves
 
 また、アールヴヘイムに住むライトエルフ(リョースアールヴァル)の姿は太陽よりも美しい。地下に住むダークエルフ(デックアールヴァル)は瀝青よりも黒い。天の南端にギムレーという太陽より輝かしい広間があり、スルトの劫火が天地を焼き尽くすときも、ギムレーは滅びずに立ち、善良な正しい人々が永遠に住む。
 

www.youtube.com太陽の子カルナとジークフリートの化身ジークの戦い
 
邪悪なる竜は失墜し、世界は今、落陽に至る。撃ち落とす!『幻想大剣・天魔失墜バルムンク』━━『Fate/Apocrypha』 
 
 太陽はドワーフに配置され、太陽女神は罪人、太陽より美しいライトエルフ、太陽より美しいギムレー、食べられる太陽。これらをしっかり書くならば、必ず黄昏の物語になるに違いない。 『Fate/Apocrypha』は主役ジーク(ジークフリートの心臓持つ人造人間)の最大の好敵手は太陽の子カルナだ。『Fate/Grand Order』第1部6章は太陽の騎士ガウェインが残酷な敵側となる。ただしどちらも物語で太陽がしっかり敵役という訳ではない。
 

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鬼門と追儺を書いた蔡邕
 
天地之間,妖怪非一,言有妖,聲有妖,文有妖,或妖氣象人之形,或人含氣為妖。象人之形,諸所見鬼是也。
天地之氣為妖者,太陽之氣也。妖與毒同,氣中傷人者謂之毒,氣變化者謂之妖。
所謂鬼神者,皆太陽之氣為之也。太陽之氣,天氣也。天能生人之體,故能象人之容。夫人所以生者,陰陽氣也。陰氣主為骨肉,陽氣主為精神。
━━『論衡』訂鬼第六十五

 

  吾峠呼世晴の『鬼滅の刃』や藤田和日郎の『うしおととら』に古典的かつ現代的ツッコミをすると、「太陽の気」は妖怪と鬼の源だ。いや、神の源も太陽だ。太陽の気とは陰陽がよく調合されなかった気で有毒。この論は日本風水の鬼門の源、おうじゅう(27-97年)の『論衡ろんこう』による。蒼天航路』の董卓の天地観と王は『論衡ろんこう』による(別記事で書くかも)。おうじゅうを世に広めた蔡邕さいよう(133-192)は『蔡中郎集』外集巻四「独断」でおうじゅうの鬼門と、節分の起源《おにやらい》、四つ目で火と弓矢で疫病神や鬼を追い払う事を書いている。まんま『呪術廻戦』の宿儺文化大革命(1966-1976年)以降、おうじゅうは科学的な合理主義者として再評価された。習近平おうじゅうの『論衡ろんこう』を引用したと度々ニュースにある。おうじゅうの鬼妖論は、人の死者と鬼を切り離し、鬼や妖を弱めるためのもので、七殺する鬼門を語り、鬼と死の結びつきを強めるものではない。『呪術廻戦』は土地神(産土神うぶすながみ)を1級呪霊とし、神や鬼や妖怪を「同じ呪力扱い」するのは少しおうじゅう的かも。

 

 

 

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右に天使、左に悪魔。
 
垂死化身,氣成風雲,聲為雷霆,左眼為日,右眼為月,四肢五體為四極五嶽,血液為江河,筋脈為地裏,肌肉為田土,髮為星辰,皮膚為草木,齒骨為金石,精髓為珠玉,汗流為雨澤,身之諸蟲,因風所感,化為黎甿。━━『三五暦記』徐整
 
 西洋・中東・インドでは共通して「右=善、左=悪」だ。 ヒトとクニの基礎「ライト(right)」は【正、正に】を表し“権”と“利”を表さない。〈権利〉は純粋な造語で誤字誤訳。【正に】はイエス(yes)より使う肯定の返事で、語尾にも使い、《右》の意も持つ。《正》が《右》なのはフランス語の「droit 」、イタリア語「diritto」、ドイツ語「 Recht」も同じ。日本だけ左右を逆転させ、イザナギの左眼から太陽が、右目から月神が生じたとする。三国時代の徐整が書いた『三五暦記』は、盤古の死体、その左眼から太陽が、右眼から月が成ったとある。これはひどくマイナーな書で三国時代より前にない。要するに日本の左右観と太陽観と権利観に大した由緒がない。
 

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鬼門による迷信
 
 日本の鬼(おに)は多くの偽りがある。中国語の鬼は「幽霊」の文脈が強く、筋肉モリモリの悪魔的な文脈はない。おうじゅうは『山海せんがいきょう』に鬼門の記述があると書き、新井白石もそれを真に受けたが、実際の『山海せんがいきょう』に鬼門はない。中国風水に東北で固定化された鬼門はない。日本風水の鬼門は、東京や京都や鎌倉の都市計画にする程の由緒がない。
 

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歴代天皇の月輪陵
 
 日本初の天皇は天武。天武は日本を建国し、『古事記』『日本書紀』を編纂させた。ところが、歴代天皇の位牌を預かる京都市東山区泉涌寺には、天武とその子孫の位牌がない。平安時代になってからの記録を調べると、歴代の天皇陵に対する“奉幣ほうへいの儀”が、天武系の天皇に対しては、まったく行われていない」。また、日本の遣唐使は唐の正史において、日本国の遣唐使は「日本国がヤマトコクを併合した」「ヤマトコクが日本国を併合し日本国を名乗った」と日本国とヤマトコクを別とし、矛盾した事を言っている。また『万葉集』原文に「大和」という地名の歌は一つもない日本国はヤマトでなく、天武は天皇の資格なく、日本神話は由緒がない。

 

 

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仏道天皇帝釈天)は悪神ダエーワ
 
ゴータマ・ブッダの「ゴータマ」は“最高の牛”。ゴータマの角持つ者をオニとするのは仏への逆らい。シッダルタは無駄な苦行努力をやめて牛乳粥を食べた。「丑寅(牛虎)」を悪い方角と言うのは仏法に反するし、「丑三つ刻」を悪い時間とするのは仏道に外れる。インドや中東や西洋は「右が善で左が悪」。右なる“rights【正】”は権や利ではない。初期仏典では七が聖なる数で五が未熟者や苦を示す。善神なるアフラは阿修羅ではない。悪魔なるインドラは帝釈天仏道の“天皇”)ではない。四魔王は四天王ではない。明星の堕天使丶丶丶丶丶丶は菩薩ではない。呪われた島とは、ゴータマに反して牛乳を飲まず、苦行努力を好み、ゴータマの角持つ者をオニと呼び、丑寅を不吉な方角、丑三つ刻を不吉とし、左眼から生まれた魔の太陽を崇め、左を上にして和服を着て、左大臣を右大臣よりえらい者とし、右なる正しさを権利と偽り、鬼門の七殺を語り、五色幕で寺を飾り、明星天子ルシファー虚空蔵菩薩に取り憑かれたスカイシー空海を崇敬し、善神なるアフラを阿修羅に貶め、悪魔帝のインドラを帝釈天と崇め、四魔王を四天王として崇める島だろう。━━『【呪術廻戦144話】四つ目の天元や宿儺はサグ・ディード?
 

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ゾロアスターカアバ
 
 北欧神話ノアス・ミサラズィの太陽と言っても、ユミルの血(大洪水)や神々の黄昏などが聖書の影響を受けている。さらにゾロアスターが聖書に先行している。善神と悪神(天使と悪魔)、輪廻転生なき時の終わり(ヒストリー、終末、末法思想)、救世主サオシュヤント(メシア、キリスト)、救世主の白馬、人類の復活、総審判(最後の審判)、眞言マンスラ真言マントラ)、知恵マズダーの火(護摩の炎)、光輪(天使の輪、後光)。左の太陽と鬼を見直すなら、人の天皇も、仏の天皇・四天王も、菩薩も阿修羅も、四象(四神)も、鬼門も、丑の刻も、五行思想も、別天津神コトアマツカミの五柱も、五色旗も、左右(記紀雅楽、政治、和服、食事作法)も、輪廻転生も、日の本も日出ずる処もアンラ・マンユの大雪で殺し、廻らない四角の箱舟とイマから始めるしかない。  東アジアは、兄弟姉妹や(帝臣)民という西洋にない差別用語がある。日本人は、左(悪魔)の太陽、明星天子ルシファー、悪魔帝インドラ、四魔王など天皇・貴族・武士・民を含めて悪魔崇拝ばかりしてきた。悪魔の太陽を退けない限り、この島でヒトやクニが成り立たない。
 

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消えた四ビール🍺
 
  『チェンソーマン』は直に太陽を描かなかった。早川タイヨウは死んだ存在が消えた「子供の精神を壊すとある星の光」日曜日から始まらないカレンダー昼間に飛ぶ夜行性のコウモリの悪魔。コウモリの彼女は“ヒル”の悪魔。氷を入れて飲む【生】はビールと別のアルコール飲料。過去にあったサントリービールやアサヒビールなどの不在と、存在消滅の補填に入る「TATUKI」ブランド。夏なのに積雪し室内でも防寒着なトーリカと師匠の地域。9月なのに積雪する北海道。天使の記憶以外に登場しない日焼けした人々タツキは聖書のクリエイト(ワシらが創る、名付けて悪を消す、森を切り開く、愛で食べる)をしっかりこなし、太陽の弱まった綿密な世界を描けた。
 

 

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太陽すら喰らう者サンイーター
 
 タツキは例外で、悪魔の太陽の弱めた世界を構築するには、すごくしっかりした背景が必要だ。アヴェスター、聖書バイブルクルアーン北欧神話ノアス・ミサラズィトールキンのファンタジー…どれも単独で理解できない。また、仏道や漢文や日本の流れでは、永遠に中東や西洋の初歩を理解できない。世界は兄弟姉妹も帝臣民も先輩後輩も大統領も大臣もいないのだから。ブラザーやシスターに年齢差による上下はないし、民はシチズンと真逆の語で西洋にない。標準語、現代日本語は英語翻訳語から造られたが、その9割以上は誤訳で実害が甚だしく、収拾がつかない。ブラザー、シスター、シブリング、エンペラー、キング、ミニスター、プリマ、プレジデント、ティーチャー、ステューデントが分からない日本人に理解できるニュースやヒストリーやイズムは何もない。
 

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バッハ14のカノン
 
 姉と左と結びついた悪魔の太陽がある限り、ヒトとクニの最低条件であるヒューマン・ライツ(正=右)やブラザーやシスターを受け入れられない。しかし、左の太陽を捨てるとは天皇と民と兄弟と姉妹と日本と大和そのものを捨てるわけで、ドミノ倒しで古代から現代に至るほぼすべてが倒れ、別のものが立つ。日本国でなく葦原中国アシハラノナカツクニ、和の精神でなくカノン、左でなくライト(右)、天照でなくスコル、イザナギでなく火のアフラのアータル、イザナミでなく雷のトール、スサノオでなくオーディン悪魔ダエーワ帝釈天でなくアフラ・マズダー悪魔ダエーワの四天王でなく四天使、四象でなく四ドワーフ源頼光でなく酒呑童子と聖ヨハネ、と言った具合に。

 

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右手に葦杖カラモス持つイエス・キリスト

 

 なぜ、左の太陽に対して葦原なのか。それはイエス・キリストが右手に「葦杖カラモス(κάλαμος)」を持つから。葦の茂みに捨てられたモーゼは葦海を割ってイスラエル十二支族を救った。エジプトやメソポタミアでは葦を船、建材、ペンなどに使っていたギルガメッシュが会いに行った不死の人ウトナピシュティムは葦の箱舟で大洪水を生き延びた。近代のシヴィル法(誤訳:大陸法)につながるカノンロー(誤訳:教会法)は、カノンで法を表し、バッハの音楽にもつながる。フランスのブレーズ・パスカル箴言考える葦」。イランの七大詩人の一人ルーミー(彼の詩は星の舞いをする神秘主義者を生んだ)の『葦笛の歌』。日本書紀の最初の神・国常立尊クニノトコタチノミコトは「葦牙アシカビの如し」。第二書、第三書の最初の神は可美ウマシ葦牙アシカビ彦舅尊ヒコヂノミコト。愛のないイザナギイザナミによって葦船で捨てられた蛭児ヒル昼子ヒルとして拾い愛し育てる。日本国の別名を葦原中国アシハラノナカツクニと言った。ウトナピシュティム、モーゼ、イエスパスカル、バッハ、ルーミー、チャーチ、ロー、シヴィル、葦牙アシカビ…由緒は最大。《葦》は近代法に至るためのシルクロード以上の道筋。ゆえに日本国に変えて【葦原連邦アシハラレンポウ】とし、和に代えて葦を中心とする。和服が排除した洋服を葦服アシフクに容れる、和食が排除した洋食やカレーライス🍛やラーメン🍜を葦食アシジキに容れる、和室が排除した洋室洋館を葦室アシムロ葦建アシダテに容れる。葦原連邦アシハラレンポウとは帝国主義をやめ、琉球邦やアイヌモシリを邦として認め、イギリスをUK(連合王国)とちゃんと呼ぶ連邦。排他的な和を廃し、寛容な葦をオコす。ジャパンは法治連邦カラモスとなる。

 

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羿が九つの太陽を射落とす

 

 悪魔の太陽は射落とされ、カノンローで治められた葦杖カラモスの連邦が建つ。

 

エッダ―古代北欧歌謡集

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  • 発売日: 1973/01/01
  • メディア: 単行本
 

 

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    おはよう、ヒストール。今回の記事は今までの総まとめって感じで、情報の密度や価値も更に高いものに思えたよ。自分の中でマーナガルムとサンイーターのアポリオンが直線で繋がったし、"左目の太陽"、マキマ、アルテミスという一見バラバラに思えるワードも繋がってたんだなぁと改めてヒストールの慧眼に脱帽。

    今はコーンウォールの猪、ウルスラグナ、アーサー王の文脈を読み解こうとしてるけど難しいね。またコメントするよ。

  • ヒストール (id:tenfingers)

    じぇいそん・焚、コメントサンクス。
    アポリオンやアルテミスまで読み解いてるなら、
    ウルスラグナやコーンウォールの猪は目の前だ〜。
    負けてる側が勝ちのシンボルになる事はあるあるだね。
    男の戦いでは戦争以降の日常の栄えまでは届かない。
    神秘主義よりは実際の戦争とその後からの方が、
    あるいはカンパニーの創業者の方が猪を読み取れるかもだ。
    またコメントよろー〜。

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