TASCHENから「Koolhaas. Countryside, A Report」登場
レム・コールハースによる展覧会の公式ガイドブック

米ニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館で開催中の建築家 レム・コールハースによる「Countryside, The Future」。現在課題となっている環境や経済、社会の問題を「田舎」という観点から考える展覧会で、このサイトでもすでに紹介した。

この展覧会に合わせて、出版社 TASCHENから公式ガイドとなる書籍「Koolhaas. Countryside, A Report」が登場した。価格は25ドル(約2,700円)。

352ページにおよぶこの本では、コールハースが地球の98%を占めるという広大な「非都市」の地域で急速に進んでおり、その多くは私たちに隠されている変化を調査した。

たとえば、日本のインフラと農業の維持を担うロボットを試験する福島県近郊の試験場や、永久凍土が急速に溶け出して移転の可能性を模索する中央シベリア、ドイツの過疎の村に住んで環境活動家と関わる難民、ウガンダで人慣れしたマウンテンゴリラ、産業規模の農作業が再生可能な農業とを結びつつあるアメリカ中西部、そして配送センターに変身してしまった中国の村々といった調査結果が紹介される。

コールハースが率いるOMAの研究機関「AMO」と世界中の学生たちでまとめた調査レポートから、私たちがあまり意識しない世界の片隅で行われている取り組みを垣間見ることができるだろう。End

「山の版画家」として知られる畦地梅太郎
2つの企画展が地元・愛媛で開催中

愛媛県北宇和郡二名村(現・宇和島市三間町)に生まれた版画家・畦地梅太郎(あぜちうめたろう、1902-1999)の2つの企画展が地元・愛媛で開催中である。

松山市の愛媛県美術館では、10年ぶりの回顧展となる「没後20年 畦地梅太郎 山のなか、本のなか」を2020年3月29日(日)まで開催している。

▲≪よろこびの山≫ 1973年 愛媛県美術館蔵

初期から最晩年までの200点を超える版画作品を展示するほか、山岳文芸雑誌「アルプ」での活動をはじめ、書籍の装丁や蔵書票に表された畦地の豊かな思考に触れることのできる「本の仕事」についても紹介。自らの生涯を「とぼとぼ」と表現したように、地に足をつけて急くことなく画業を積み重ねた、その人と作品の魅力を知ることができる。

また、宇和島市にある畦地梅太郎記念美術館では、「山男とやまのおと展」を2020年5月11日(月)まで開催している。

同展では、山男が山で心いやされ、生あるものすべてに愛のまなざしを注いで制作した作品を展示するほか、畦地が自分の山歩きについて著した画文集や愛用した水筒・飯ごうも展示。

山の風景や生き物、代表作である山男など、さまざまな角度から「山」を表現し、「山の版画家」として広く知られる畦地による、表情豊かな山男たちが楽しめるだろう。End

企画展「没後20年 畦地梅太郎山のなか、本のなか」

会期
2020年2月1日(土)~3月29日(日)
9:40~18:00(入場は17:30まで)
休館日
3月3日(火)、3月9日(月)、3月16日(月)、3月23日(月)
会場
愛媛県美術館
詳細
https://www.ehime-art.jp/info/?p=1236

企画展「山男とやまのおと展」

会期
2020年2月7日(金)~5月11日(月)
9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日
火曜日(祝休日の場合はその直後の平日)
会場
畦地梅太郎記念美術館
詳細
https://www.city.uwajima.ehime.jp/site/azechi-iseki-museum/bun-spo-genzai.html

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