ゴジラース

感想（バレバレあり）

怪獣側のストーリーが平成ガメラじゃねえか！っていうのは散々言われてたみたいなので割愛。
90年台の平成ゴジラ、ガメラを両方追ってたり最近見返したりした人間はどうしても心の片隅で一瞬はよぎってしまう思想。
怪獣災害ものとしては避けて通れない道というか平成ガメラ一作目におけるその辺の描写が秀逸すぎた。


今回のゴジラは、一人称視点での怪獣の描写（電車の中からMUTO発見するくだりとか）のカメラワークがかなりよかった。
こういう風にものを見ちゃうよねっていう動きをすごい捉えてるし、映像もCG交えつつもリアルなので映画館から出たあと「ああ、あのビルの横から怪獣出そう」と童心に帰ったような錯覚に陥った。
もうほんと「そこから出てくるなよ、出てくるなよ、無事に行かせてくれよ…ああ！出てきた！」みたいな不安を煽る感じが上手い上手い。
原発崩壊や津波のシーンなど怪獣の関係ないシーンも、構図の上手さとカメラの動かし方で恐ろしかった。

ゴジラは喧嘩商売（稼業じゃなく）の石橋みたいなガタイの良さと恐ろしい面ですげえ強そうだなと思った。
ずいぶん鍛え直したな……っていう心境。
戦闘自体は正直あんまり記憶に残ってないけど、全身が映るカットの印象が強烈だった。
MUTOは仕草は愛らしいけど超迷惑な怪獣だったのだ。

人間関係のストーリーの描写は、主人公（人間のほう）が気づいたらすげえ巻き込まれててサンフランシスコに帰りたいのか怪獣倒したいのかなにしたいのか目的だいぶ見失ってる感があったり、家族関係が具体的に描かれてるようでそこまで具体的じゃなかったり、なんだかいろいろボンヤリしてたけど、その人間描写がボンヤリしてるからこそ怪獣映画として成り立つのかなとすごいボンヤリした事を言っとく。
このへんのストーリーギミックは純粋に話の続きを永延と気にさせるものとして上手く機能していたなと思う。
よくよく考えるとゴジラとMUTOの怪獣対決には全然絡めない次元の違う話だったのだけども。

あと、「今回の映画はゴジラが大暴れして街を壊しまくりすよ」という誤認をさせるPRで初報からずっと騙し続けてたのはすごいと思う。
単純にVS怪獣ものですって言わなくて大正解だったなと。

そんなわけで良い映画でした。全然まとめられませんでした。ガメラ許しません。