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返信先: さん
「いい子でいたい。親に心配させたくない。(中略)一方で、そういう自分は仮面をかぶって生きているのではないか、という罪悪感にも似た違和感」「この世には自分の居場所はない」「私が生まれてきた意味が分からない」といった元信者の語る危険なカルトへの動機は、今の人にも理解できるものでは。
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本書に手記などの形で紹介されている元信者たちの入信前の姿は総じて優秀で、真面目で、善良で、中にはカルトへの忌避感のある人すらいる。そうした人ですら、心の隙間やほんの些細な偶然で取り込まれてしまうのがカルトである。そんなことが印象に残ります。
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本書に収録された杉本繁郎受刑囚の手記にある「オウム(現・アレフなど)のような存在が、手を替え品を替え、形を変え、巧妙な方法で皆さんに忍び寄ってくることがあるかもしれません。それは宗教の形をとるとは限りません。(続く)
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自己啓発セミナーであったり、人生相談に応じてくれるサークルであったり、皆さんの身近にいるものがオウム関連、または他のカルト団体関連である場合もあるのです」この危機感は、不安の多い時代だからこそ、深く胸に刻みたい知見だと思います。
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もう少し本書の知見を紹介すると、林郁夫に触れた箇所にはこうあります。「林は、教団にとって格好の広告塔でした。彼のような「エリート医師」がいることは、新たに信者を獲得する時にも役に立ちました。「こういう人も入っているのだから、おかしな教団ではない」と思わせる効果があったのです」
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当時のマスコミに関するこんな記述もあります。「オウムが起こしている様々なトラブルや事件については、一部の週刊誌を除いて、なかなか報じませんでした。その理由の一つは、オウムのクレームや訴訟、激しい抗議などを恐れたからです。オウムは、気に入らない報道があると裁判に訴えました」
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こうした過去の事例から得られる知見は、常識的なものとして知っておかねばならない、知らねば現代では危ういものだと思います。あまり大量の引用も憚られますし、ジュニア新書ということで文章も平明、2時間もあれば通読できる安価な本ですから、興味を持たれたら一読されてみてはいかがでしょうか。
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以上。あとでブログか何かでもうちょっとちゃんとまとめるかもしれませんが、ひとまず読書メモ的な意味で、ごく簡単に紹介いたしました。
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