〈会長参上いたしました〉㉘フードジャーナリストのはんつ遠藤さん | 料飲稲門会公式ブログ

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"グルメ評論家”としてマスコミに度々登場する

フードジャーナリストのはんつ遠藤さん

<会長参上いたしました>28を受け持って

もらいました。

苦労しながら繁盛店を作り上げた多くの経営者

の精神を丁寧に汲み取ってきたはんつ遠藤さん

にいつも不思議なオーラを感じます。

 

こんにちは。相変わらず大活躍ですね。

ところで

学生時代はどのような活躍をなさったの

ですか。

 

早稲田大学在学中は、いわゆるパーティーサー

クルと呼ばれるサークルに属し、六本木や渋谷

の様々なディスコ(ダンスホール的な施設)を

一度に数十店舗貸切り、一枚のチケットで一日

中、全ての施設を体験できるという、「六本木

レボリューション」「渋谷ジャック」という各

種イベントの企画運営をしておりました。

 

学部は教育学部教育学科社会教育専修で、学生

のみならず生涯にわたり学習が必要という事を

学んでいた関係で、卒論は、サークルの経験を

活かし、ディスコの高揚感を生涯教育にも反映

する事が必要であるという内容の「ディスコの

研究」を書きました。

 

社会人になってからの経歴を教えてください。

 

バブル経済の頃で就職先はたくさんあったの

ですが、祖父が銀座で不動産鑑定業を経営し

ていたのと、全国の不動産鑑定協会の理事を

していた関係で、そのまま会社を継げば、す

ぐに偉くなれると思い、祖父の会社に就職し

ました(父は公務員なので継げなかったので

す)。

 

グルメ評論を書き始めたきっかけは何だっ

たのですか。

 

不動産鑑定士の資格受験に5年連続して落ち

た結果、私が偉くなる前に祖父が亡くなり、

会社も解散してしまい、路頭に迷っていた時、

先輩が出版社に勤務していて、たまたま遊び

に行って「無職なんです」と申し上げたら、

「レストランの取材に行け!」と言われたの

がきっかけです。

結果的にそれを単に今まで約20年くりかえし、

今では8500軒以上の飲食店に取材で伺いまし

た。

 

今まで続けてこられたのは、通常のライター

さんは文字を書くだけでカメラマンさんは別

の方ですが、私の場合はカメラもできたので、

ひとりで文字と写真の両方ができるというフ

ードジャーナリスト(フードライター兼フー

ドカメラマン)なので、私に頼むと交通費が

半分で済む、報酬も2人分ではなく1.5人分位

で良いという「不景気ならではのお得感」が

大きかったと思われます。

 

貴方のムック本あるいは単行本の代表的な

ものを教えてください。

 

著書は26冊ありますが、特に代表的なのは、

「取材拒否の激うまラーメン店」(廣済堂出

版)です。

取材拒否のラーメン店を勝手に紹介するとい

う、いわば「取材拒否の拒否」という書籍で、

あまりの衝撃に某大手書店様から「今まで書

籍の世界にいて、こんなに凄い本は初めてだ」

とお手紙を頂きました。

10年以上前の作品で、現在は不倫すら許され

ない世間ゆえ、このような明らかに公序良俗

に反する書籍は、もう出せません。

 

他には、有名ラーメン店数十店舗のレシピを

勝手に模倣したレシピ本「おうちラーメン」

(幹書房)や、北海道から九州沖縄までひたすら

食べ歩いた結果、全国にご当地やきとりが30

地域もある事に気づいた

「全国個性派やきとり100店」(ポプラ社)など

も、一部の熱狂的なファンが存在します。

 

グルメ評論をやってきて最も感動した店主、

店、味について2,3上げてくれますか。

 

8500軒以上に取材に伺いましたが、その範疇

はB級グルメから数万円する高級店まで様々で、

其々の良さがあり、毎回勉強になりますが、味

に関しては高級になれば美味しいのは当たり前

で、むしろ一品数百円で勝負している店主に感

動というか特に敬服します。

 

中でも一番感動したのは埼玉県の高麗駅近くに

ある「ごん兵衛(ごんべえ)」です。

 

高齢のおかみさんがひとりで切り盛りなさって

いるうどん屋さん。

 

自宅の庭にお店を建ててくれた旦那さんは、

お店が開店する前に亡くなってしまいましたが、

ひとりで一生懸命なさっています。

 

高齢なので、全く商売っ気が無く、一日5人位

しかお客さんは来ませんが、ほのぼのとした

感じで和みます。

 

しかも注文してからうどんを打ち始めるので、

完成までに30分位かかります。

朴訥としたうどんの味ももちろん美味。

おかみさんの優しくて前向きな姿勢に敬服し、

生きていくとは何かを深く考えさせられます。

 

もう1軒は東京・京橋の「伊勢廣(いせひろ)」

です。

大正10年創業。日本で現存するやきとり店

として、ほぼ最古という文字通りの老舗。

 

備長炭で焼き上げるやきとりは大ぶりで堂々

とした風格を備えています。決して安いわけ

ではないですが、超高級という価格でもなく、

お得度は最高と言えましょう。

 

奇をてらわず王道のやきとりを日々追求する

姿勢、そして老舗ながら全く威張っていない

雰囲気に、長年商売を続けるとはどういう事

かを学びます。

特にお勧めの部屋は、別館2階の焼き台のあ

る個室。

 

つい、涙を流してしまった話はありますか。

 

数年前、仙台に1軒のラーメン店がオープンし

ました。有名店で修業を積んで独立。

修業先の味を踏襲しつつも少しだけアレンジ

した、あっさりとした中に深みのあるラーメ

ンで、瞬く間に行列店となりました。

 

ご夫婦でなさっていてアットホームな雰囲気

も評判に拍車をかけました。

が、数か月後、旦那様が不慮の事故で亡くな

り、閉店。

私の書籍にも掲載予定で取材済みでしたが、

幻の1軒として、ご夫婦そして小さな娘さんと

の3ショット写真とともに、特別枠で、閉店し

た店舗ですが紹介させて頂きました。

今でも仙台に伺うと、3人の笑顔が思い出されます。

 

料飲稲門会に期待することを率直に述べ

て下さい。

 

様々な飲食店様、食材の生産者様との深い

かかわり。

農家さん、水産業者さん、蔵元さんなどの

見学ツアー。その他、たくさん。

よろしくお願い致します。

フードジャーナリスト はんつ遠藤

1987年早稲田大学教育学部教育学科社会教育専修入学。1991年卒業

 

 

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