ソウルクラッシュというゲームアプリが4月10日をもってサービス終了するらしいです。
「Soul Clash」は2018年4月10日(火)00:00をもちまして、サービスの提供を終了させていただくこととなりました。
そもそもソウルクラッシュってなに?って人が大半だと思います。
ソウルクラッシュとは中国で2014年2月にリリースされ大ヒットしたゲームアプリ「刀塔传奇」(注:現在は諸事情のため小冰冰传奇に改名している。以下、刀塔伝奇)の日本版です。ゲーム画面はこんな感じ。
一方そのころ、2018年2月15日にCygamesから「プリンセスコネクト!Re:Dive」がリリースされました。リリース後一ヶ月する間もなく、AppStoreトップセールスランキング10位以内の常連になっている人気アプリです。
ゲーム画面はこんな感じ。
見比べるまでもないですが、プリンセスコネクトRは刀塔伝奇のクローンなんですね。しかも、本家が日本から撤退する一方で大ヒットしている。
他にもクローンが多数存在します。
特にHeroes Chargeは刀塔伝奇が当初中国でしか配信されていなかった頃に中国以外の全世界向けにリリースされた、利益を横取りする気マンマンのタイトルです。しかも刀塔伝奇のソースコードを盗用した疑惑のあるガチクローン。
Heroes Chargeは思惑通り中国以外の地域に刀塔伝奇がリリースされる前に商業的な大成功を収め、果ては刀塔伝奇がHeroes Chargeのパクリだと言われてしまう始末です。
日本でもHeroes Chargeはそこそこ人気で、一時期はTVCMも流れていたようです。① ②
かくいう私もHeroes Chargeを先に知ってしまい、月額課金するほどやりこんでしまいました。
クローンゲームって、原作が遊べないさまざまな環境上の理由から渋々遊ぶものだったり、原作のファンが気休めに触るものだったりするイメージですが、
このように、海外でヒットした作品のクローンをこっそり国内に持ち帰って発表して本家ヅラするという悪質なパターンがあります。しかもこの場合、ユーザーはクローンゲームだと知らずに本家だと思って遊んでいる。
じゃあ、海外企業がローカライズ・カルチャライズした作品よりも、国内企業がパクってガワを変えた作品のほうが求められているんだな、というと必ずしもそうではありません。
香港では、日本の「パズル&ドラゴンズ」が配信される前に、香港の企業が配信したクローン「TOWER OF SAVIORS 神魔之塔」が人気を集めていました。
ゲーム画面はこんな感じ。
ところが、後にパズル&ドラゴンズが香港で正式リリースされるとたちまち香港のAppStore、GooglePlayの売上ランキング1位を獲得しました。
この場合、以前からパズル&ドラゴンズの存在を認知しているユーザーがいたため成功したようです。
要はユーザーのリテラシーに懸かっているのですが、海外で流行っているゲームを全部知っとけというのも難しい要求ですし、起源よりクローンのほうが面白い例も少なくないため、起源を認知しつつもクローンを選ぶ者もいるはずです。
ローグライクゲームを知っていて、ローグを知っている人が少ないように特段おかしな現象ではないのかもしれません。
ゲームも商品ですから、1からゲームデザインを編み出す人よりも、いち早くアレンジしたりグラフィックを付け替えたりする人が評価されて偉いんです。
ただ実際に目の当たりにすると、前者の報われなさというか、やりきれなさというか、こみ上げてくるものがありますね。
ソウルクラッシュサービス終了の知らせは私を切ない気持ちにさせました。